フェンシング。水泳。馬術。ランニング。射撃。これを全て1人でやる。しかも、朝から夜まで丸一日かけて。しかし、どうしてこの5種なんだ。剣が要る。馬が要る。ピストルが要る。そんなもの全部用意できない。ハードルが高すぎる。会場の手配も煩雑。観客動員も絶望的。にもかかわらず、廃止されない。
その謎を解く鍵は、近代五種の歴史にあるかもしれない。近代オリンピックの父、クーベルタン男爵が、近代オリンピックを創設する際、古代アテネオリンピックの五種競技(レスリング・円盤投・やり投・走幅跳・短距離走)のように、近代オリンピックでも五種競技を、と考案・創設。つまり、近代五種は、その名前の通り、近代オリンピックのために生み出された、近代オリンピックの申し子なのだ。
「クーベルタン男爵が発案した競技だから。」 この一言を出されると誰も逆らえず、脈々と続いていく。そんな噂まで飛び出すのが、キングオブマイナースポーツこと、近代五種なのである。