@壇蜜さんインタビュー 後編 前編はこちら>>今、サウナがブームだ。さまざまなメディアで取り上げられ、新型コロナウイルス対策を講じながらも、いろんなイベントが行なわれている。そこで女性サウナー・壇蜜さんへのインタビュー(後編)では、サウナの…

@壇蜜さんインタビュー 後編 前編はこちら>>

今、サウナがブームだ。さまざまなメディアで取り上げられ、新型コロナウイルス対策を講じながらも、いろんなイベントが行なわれている。そこで女性サウナー・壇蜜さんへのインタビュー(後編)では、サウナの魅力と自身の関わりについて語ってもらった。



サウナの魅力について語った壇蜜さん

―― 『サウナを愛でたい』(BS朝日)に出演以降、サウナをくわしく知ることで、入り方や施設に行った時の見方とか、自身に変化はありましたか。

壇蜜 私はサウナと水風呂があれば、そういうのに関する評価って沸点がかなり低いほうだと思います。ただ、できればサウナタイマー、12分計がどの施設にもあるとありがたいなと思うようになりました。

 本当に好きだったら出たいと思った時間が出る時間だ、なんておっしゃる方もいるんですけど、私は時計がないと不安なタイプなので、みんなで見られるサウナタイマーがあるとありがたいなと思うようになりました。そのぐらいですね。

―― 壇蜜さんのサウナ歴は今年で4年目ですよね。

壇蜜 だと思います。もともとサウナには入ってはいたんですが、そんなに長い時間いられなかったんですね。ジムのプールで、ミストサウナから始まって、そこからプール仲間、サウナ仲間がちょっとずつできていって。長い時間入れるようになって、銭湯に行くようになったり、スパに行ったりとかっていうのが広がっていったので、実質何年かがちょっと曖昧なんですよね。

 ただ、泳げるようになってサウナに入れるようになったというのはつながっているので、そこが2017年から18年ぐらいというのは正しいと思います。それまで私はほぼカナヅチ状態で。教えてもらって初めて泳げるようになって、プールにいられるようになったからスチームサウナの存在を知り、入るようになったという感じですね。

―― 今は、週にどれくらいのペースで行かれているんですか。

壇蜜 3ぐらいかな。ただ、コロナ禍後でちょっと減ったかもしれないです。


――

 サウナに行く理由としては、何を一番求めているのですか。

壇蜜 夫の清野(とおる)さんによると、「僕が思うに、支靜加(本名)は行かないと死ぬんでしょ」って言われて。「そんなことない」って言い切れなかった自分がいましたけど(笑)。いつも「明日を迎えるため」って言っています。やっぱり精神的に明日を迎えるような準備が(サウナで)整えられれば。

 昔、緊張で足がつったり、指先が冷えすぎてものをつかめなくなったりすることがあったのですが、サウナに行くことでそれがなくなったことも大きいと思います。

―― 入っている時はどんなことを考えていますか。

壇蜜 よく聞かれるのですが、何も考えていないんですよね。何かを考えるっていう発想も全くなかったです。みなさん、何か考えているとしたらすごいですよね。

―― 「整う」という感覚(一般的に言うと深いリラックス状態)は、サウナによく行く方には通じると思うのですが、もし違った言葉で壇蜜さん的に「整う」というのを表現するとしたら、どういう感じですか。

壇蜜 まんきつ(女性漫画家)さんは「脳と頭のチューニングができるようになる」っておっしゃっていますよね。私的には何だろう...。先ほどもお話ししたのですが、明日が怖くなくなる。「今日、行かないで~」っていう気持ちが少しほぐれて、「明日、バッチ来い」となる感じでしょうか。

―― 昨年の緊急事態宣言中は多くのサウナ施設も営業をしていませんでしたが、その期間はどうされていたのですか。

壇蜜 サウナに通うようになる前は、自宅で反復浴や半身浴をするのが好きだったので、お風呂場で映画とか漫画を見たりして何とかつないでいました。お湯に浸かりながらタブレットで原稿を書いたりもするので。サウナに行けないとなっても、「じゃあこっちでいいや」みたいな。バイパスはちゃんと作っていましたね。

―― サウナに行く時のルーティンや独自のスタイルはありますか。

壇蜜 どんなところでもサウナマットっていう自分が座れるクッションみたいなやつは2つ持って行きます。人に貸す用、もしくは背中に敷く用です。

―― 施設にもよると思いますが、広いサウナでは3段とかあったりします。どこに座るんですか。

壇蜜 下か真ん中かですね。いきなり一番上に行くと、言い方が悪いかもしれませんが、牢名主みたいじゃないですか(笑)。それはちょっとって自分的には思っちゃう。だから、控えめにいこうかなって。ただ、控えめすぎで、あまり考えずドアの前にいたことがあって、開けた人がビックリして「いたんかい!」みたいな感じで言われたことはあります(笑)。

―― サウナで失敗したことはありますか。

壇蜜 1回スチームサウナで寝てしまったことがあります。水泳仲間が発見して、「コーチ、寝てるわよ、あの子!」っていう。ふたりに起こされて、めちゃめちゃ本気で怒られました。レッスンが終わって仕事もした後だったのですごく疲れてて。水泳仲間もひとりで声をかけるにかけられない。怖かったんでしょうね(笑)。それ以降は気をつけているのでありません。

―― サウナの温度や水風呂の温度は何度ぐらいがお好きですか。

壇蜜 一応温度は90度前後。水風呂は、私はそんなに求めないので18度ぐらいあればオッケーみたいな。これを言うと「結構ぬるくていいんだね」って言われますし、サウナの温度も「そんなにこだわりないんだね」って言われて、「あ、そうなんです」ってなりますけど。そんなにこだわりはないですね。

―― 壇蜜さんは、初めて水風呂に入った時はすんなり入れましたか。

壇蜜 ジムのサウナだったのですが、当時見張りみたいな人がいて、その方がちゃんと見ててくれていたので、大丈夫でした。入るタイミングについても、「いや、まだ早いな」とか「今じゃないかな」とか言われて、「今ですか?」「はい、入って」「入れました」って。見張りの人、すごいなって思いましたね(笑)。

―― 初めて自身のなかで「整う」状態というのはわかりましたか。

壇蜜 整うっていうのは体がフワッと軽やかになることだと思いこんでいたのですが、私はどちらかというと、体がズーンとリラックスして重厚感みたいな感覚を覚えたので、まだそういうふうにはなっていないのかなと思いましたね。でも、どちらも正解みたいです。重くて動けない、ズシッとなって気持ちが楽になるというのと、フワッと気持ちが楽になるのと同じなんですって。だから、私の場合、どちらかというと深くリラックスした状態だったのかなとは思います。

―― 最後に、壇蜜さんが思うサウナの魅力を教えて下さい。

壇蜜 たぶん人それぞれ得るものが違うと思うんですけど、サウナの魅力は、失うものが比較的少ない遊びだと思っています。遊びっていうか、戯れですね。

 私にとってのサウナは、異文化、外国からやってきた文化だけれども、この国にいてよかったなと思わせてくれることのひとつでもあるんです。どの飲食店に行ってもきれいな割り箸が使えるとか、目薬の種類が豊富なこととか、この国に生まれてよかったなって思うことを探しがちなんですけど、サウナもそのひとつかなって。

Profile
壇蜜(だんみつ)
1980年12月3日生まれ、秋田県出身。
血液型:O型。身長:158cm。趣味:日本舞踊。
『サンデージャポン』(TBS)、『サウナを愛でたい』(BS朝日)、
『壇蜜の耳蜜』(文化放送)などにレギュラー出演中。