マスターズ単独首位の松山英樹が運命の最終日へ、米メディアがコラム掲載 米男子ゴルフの海外メジャー初戦・マスターズは11日(日本時間12日)、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGC(7475ヤード、パー72)で最終ラウンドが行われる。日本…

マスターズ単独首位の松山英樹が運命の最終日へ、米メディアがコラム掲載

 米男子ゴルフの海外メジャー初戦・マスターズは11日(日本時間12日)、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGC(7475ヤード、パー72)で最終ラウンドが行われる。日本人最多米ツアー通算5勝の松山英樹(LEXUS)は4打差の単独首位でメジャー制覇に王手。悲願達成へ絶好機を迎えた中、米メディアは「日本の期待を背負っている」と、日本ゴルフ界の歴史を振り返る長文コラムを掲載している。

 マスターズで各日のラウンド終了後に日本人が単独首位に立つのは初めて。2位の4選手と4打差で迎える最終日を前に、米専門誌「ゴルフダイジェスト」は「快挙なるか マスターズ2021:ヒデキ・マツヤマ、日本勢メジャー制覇の期待を背負い、日曜最初のティーへ」の見出しで記事を掲載。破竹の勢いで強さを見せつけた2017年8月以来、優勝から遠ざかっていることについてこう触れている。

「読者はヒデキ・マツヤマのことを忘れてしまっているかもしれないが、日本人は決して彼を忘れてはいない。彼が最後に優勝してから93大会。ゴルファーとして最もいい時期に足踏みしてしまう無駄な時間だった。世界ランク3位から25位まで後退した」

 勝利の美酒を長らく味わっていない。「それでも、彼はメジャー王者誕生を願う熱狂的なゴルフファンの多い国において、一番の期待の星であり続けた」と日本ゴルフ界を引っ張る存在であったことを紹介した。さらに、日本のゴルフ熱についてもこうつづっている。

渋野日向子や歴代日本男子の成績も紹介

「毎週、大勢の日本メディアが彼の一挙手一投足を追っている。東京を歩く米国人は、ほぼ全てのネオンサインの文字が英語で書かれていることに驚くかもしれない。マクドナルド、スターバックス……。そして、GOLFという文字は至る所で目にすることができる」

「日本には2300ものゴルフコースがある。米国の一つの州の倍近い数字であり、アジアに存在するコースの半分以上にあたる。日本は長きにわたって世界トップレベルのゴルファーを輩出しており、独自のPGAツアーも開催している。日本では、女子が2年前にメジャー制覇。そして1週間前にはツバサ・カジタニがアマチュア選手権を制したばかりだ」

 2019年に全英女子オープンを制した渋野日向子(サントリー)、前週のオーガスタナショナル女子アマで日本人初優勝を果たした梶谷翼(滝川二高3年)の名前もつづり、女子の勢いを説明した。さらに青木功、尾崎将司、中嶋常幸、丸山茂樹、片山晋呉など日本男子が米ツアーで残した過去の詳細な成績を紹介しながら「メジャー優勝はゼロだ」と指摘している。

 日本ゴルフの歴史を振り返り、敬意を払うように長文で記されたコラム。結びはこう締めくくられた。

「残り18ホールで4打のリードは、昨年のダスティン・ジョンソンと同じだ。ジョンソンは5打差をつけて優勝した。しかし、ゴルフにおいてリードはあてにならない。優勝するには1打差でも足りるのだ。それは彼にとっても、日本にとっても」

 夢を託された男の18ホールが始まる。(THE ANSWER編集部)