川﨑宗則の人生相談〜チェスト行こうぜ! web Sportivaでユーザーから募集したお悩みに川﨑宗則が答える連載「チェ…
川﨑宗則の人生相談〜チェスト行こうぜ!
web Sportivaでユーザーから募集したお悩みに川﨑宗則が答える連載「チェスト行こうぜ!」。周りの人に言えない、誰にも相談できない......そんな苦しみや悩みを抱えた人は多いのではないだろうか。そんな方のお役に少しでも立てればと思い、始まった「川﨑宗則の人生相談」。独特の感性を持ったムネ節炸裂でお悩みを解決していく!

読者からの質問に答える川﨑宗則
お悩み:「娘が友だちをつくれなくて悩んでいます。どう言ってあげたらいいか、ムネさん、相談に乗って下さい」/宗ムネ子(福岡)
友だちをつくれない? 違う違う、そもそも友だちをつくる必要はないんだよ。ほら、『♪友だち100人できるかな』っていう歌があるじゃん。あれ、おれはそうは思わないんだよね。友だち100人なんてつくる必要なんてないんだよ。そんなの、疲れるだけ。友だちなんて、いらないと思っておけばいい。
友だちを"つくろう"という考え方が逆にキツいんだよね。ムネ子さんの娘さんにはお母さんがいるじゃん。お母さんがいつも娘さんのそばにいて、一緒にご飯を食べて、話し相手になればいいんだ。友だちって、ずっと一緒にいられるわけじゃない。いつかみんな、バラバラになるんやで。小学校、中学校、高校。残念ながらずっと一緒にいられるわけじゃない。
でも、お母さんとはずっと一緒にいられるからね。お母さんと仲がいいんなら、それでいいじゃん。子どもにしてみれば、家族と一緒に過ごす時間って、じつは限られているからさ。大丈夫です、ムネ子さん。無理につくろうと思ってできる友だちはいらない。そうしているうちに、友だちが自然にひとりできたらすごいこと。どうしてもそのひとりと出会えなかったら、オレと友だちになろう。
お悩み:「大事な試合や、受験の本番になると、緊張して力が出せません。何か、大舞台でも力を出せるコツはありますか」/野球命(東京都)
いいんだよ、力が出ないほうがいいんだ。大きな舞台って、力が出せなくて当然なの。むしろ、そこで出てる力が自分の本当の力なんだ。それをわかっておいたほうがいい。そこをわかっておくと、次、人生で大きな舞台に立った時、
「こういう準備をしよう」と思える。でも、「オレは大舞台に強い」なんて思っていたら、きっと準備不足になって、もっと大事な時に落とし穴にはまる。だから変に力が出ちゃうと、ヤバくなることもあるんだよね。
プレッシャーに勝とうなんて思う必要はないよ。プレッシャーには負けたほうがいい。そこでうまくいかなくても、時は経つからね。プレッシャーに負けて、力が出せなくて、結果がダメで......でも時が経って、その時に自分が何をしたかということが、後々わかってくる。それがわかると、人間、次は違うアプローチをするものだからさ。
野球ならセレクションとか、勉強なら受験とか、そんなのメンタルにいいわけがない。キツいし、逃げ出したくなると思う。でも、自分でやらなくちゃいけないとわかっているから、逃げ出さないでしょ。それでもうオッケー。だから、そこで力を発揮しようなんて思わなくていい。
今はまだ勝たなくていい、と思うことも大事。人生、そこで力を発揮しちゃってどうするの。まだもっと先に大事なことがあるんだよ。だから、今、勝つことが大事なんかじゃない。
教師や親が、「この大学に行かないと」「この高校に行かないと」って、そんな小っちゃい世界でモノを考えて、子どもに押しつけちゃいけないんだ。子どもが巣立つ世界は、大人が想像できる世界に収まらないからね。子どもの世界は広い。無限に広がっている。
高校がイヤなら行かなきゃいいし、日本がイヤなら国を変えればいい。高校に行かなくても、大学に行かなくても、海外に移り住んでも、幸せな人はいっぱいいるよ。結果がダメなほうが新しい何かに出会えることもあるし、今がすべてうまくいっちゃうと、この先、うまくいきようがなくなっちゃうからね。
お悩み:「友だちに『ほかの人と比べたらダメ』『自分の長所を書いてみたらいいのに』と言われました。でも、なかなか書くことが見つかりません。川﨑選手は『長所は何ですか?』と訊かれたら、何と答えますか」/ムネリンダイエーの時からファンです(三重県)
うわ〜っ、これは難しいね。オレも一緒だね。長所なんて書けないよ。自分のなんてわからない。短所ならいくらでも書けるけど、長所かぁ......でも、いきなり
「僕の長所はこれです」みたいにスラスラ書けたら、逆に気持ち悪いよね。わかんないもん、自分のいいところは自分ではわかんない。だからこそ「長所を書いてみたらいい」って言われるんだろうけど、そりゃ、書けないよね。書ける子だったら、そんなふうに言われないもんね。
だから、長所を書けないのは自然なことなんだよ。普通のこと。そっちのほうがいいじゃん。自分で自分のよさを「こうです」ってペラペラ言えるのも、周りは疲れちゃうよ。「この子、ああいうところがいいよね」って、周りが知ってくれていれば、それでいいじゃん。
あっ、わかった。だから、「自分の長所を書いてみたら」って言われたなら、「じゃあ、あなたがオレの長所を書いてよ」ってお願いすればいいんだよ。周りのみんなに「オレの長所を書いてくれ」って紙を配ればいい。そうしたら、「へえ、こういうことなんだ」ってわかるでしょ。自己分析なんか、自分でするもんじゃない。友だちでも、親でも、先生でもいいからさ。長所は他の誰かに書いてもらいなさい。それがいいと思います。チェスト!
川﨑宗則プロフィール
1981年6月3日、鹿児島県生まれ。鹿児島工業から1999年のドラフト会議で福岡ダイエーホークス(現・ソフトバンクホークス)から4位指名で入団。2004年に最多安打と盗塁王のタイトルを獲得。2006年、2009年のWBCでは日本代表として世界一に貢献。2011年オフにシアトル・マリナーズに移籍し、トロント・ブルージェイズ、シカゴ・カブスでも活躍。2017年にソフトバンクに復帰し、2019年7月には台湾プロ野球の味全ドラゴンズと選手兼コーチ契約。現在はルートインBCリーグの栃木ゴールデンプレーブスでプレー中