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 4月2日、東海大学の河村勇輝はアシックスジャパンはとアドバイザリースタッフ契約を結んだ。高校時代から高い注目を集め、すでに特別指定選手としてBリーグで確かな爪痕を残している河村。将来が嘱望される期待のポイントガードは、どんなこだわり持ってバスケットシューズを選んでいるのか。また、今回のアシックスジャパンとの契約に当たってどのような思いを抱いているのか。契約発表記者会見直後の河村に話を聞いた。

インタビュー=入江美紀雄

バッシュ選びのポイントは「軽さ」と「動きやすさ」


――これまで取材してきて、河村選手はさまざまなこだわりを持っていると感じます。バスケットシューズにはどのようなこだわりを持っていますか?

河村 やっぱり軽量であることにはこだわっています。さらに言えば、自分のプレースタイル的に切り返しで足首を使うことが多いので、足首が動きやすいローカットであるということが前提です。そのなかで、軽すぎず重すぎずというのを自分のなかで決めています。あと、これは感覚なんですけど、履いたときにちょうどフィットするなという感覚がこのバッシュにすごくあったので、このバッシュに決めました。

――足首を保護する働きもあるハイカットよりもローカットを選ぶということは、より動きを優先しているということですか?

河村 そうですね。個人的にはくるぶしのあたりにバッシュが当たっている感覚があんまり好きじゃないというところがあって、くるぶしが出ていることで動きやすさがあると思っています。足首の保護に関しては自分もテーピングを巻いているので、シューズではとにかく動きやすさを重視したローカットを履くようにしています。

――小さい頃からローカットを愛用しているのですか?

河村 いえ、小中学生の時はミドルカットを履くことの方が多かったです。今後も、場合によってはミドルカットを履くこともあるかもしれません。

――着用するアシックスのシューズは「GLIDE NOVA FF」となりますが、このシューズを気に入った点は?

河村 自分は切り返しが多いので、まず止まりやすいという点が気に入っています。そしてそのあとの動き出しの際のグリップもいいなと思いますし、やはりローカットであるというのもポイントです。あとはタンの部分も柔らかくて、切り返しで足をすごく動かすなか、その動きが規制されないのもすごくいいと思います。

――デザインについてはいかがですか?

河村 自分はすごくシンプルなものが大好きなので、単色の中に色が少し入っているところも、デザインとして可愛いなと思います。そういったところも含めて好きなバッシュです。

――アシックスはアパレル全体としてシンプルで洗練されたデザインが多いと思います。

河村 そうですね、アパレルも含めてすごく気に入っていますし、これからも着用していければいいなと思います。

「体格に恵まれない選手に夢や希望を与えたい」


――小学校、中学校でバスケットをやっている子どもたち向けに、おすすめのバッシュの選び方を教えてください。

河村 日本のメーカーということもあって、日本人の足に合ったバスケットシューズはとにかくアシックスだと思っています。日本人の足に合って、ケガをしにくいというところと、自分のようにサイズ(身長)のない子どもたちはスピードや俊敏性が命になってくるので、そういったところで軽さっていうのも含めて、アシックスのシューズはすごくいいんじゃないかなと思います。

――これからはそのアシックスからサポートを受けることとなります。

河村 小さな頃から履いてきたバッシュなので思い入れもありますし、福岡第一高校の時からアシックスの関係者の方とも話をさせていただいて、暖かさを感じますし、自分の思い描く夢の実現に向かってサポートしてくれると思います。これからもアシックスとともに日本を元気づけられるように頑張っていきます。

――思い描く夢とは?

河村 『日本代表のポイントガードとして世界と戦っていく選手になる』ことです。また、アシックスとの活動を通して日本国民の皆さまに元気や希望、夢を与えたいという思いもあるので、そうしたところも含めて頑張っていきたいなと思います。

――今後はシューズの開発にも携わっていくことになります。

河村 自分のパフォーマンスを最大限発揮できるよう、自分の足の形を調べて作るバッシュというのは初めてなのでワクワクもあります。また、自分のパフォーマンスだけでなくて、小さな子どもたちや中高生など、たくさんの方々に気に入って履いていただけるようなシューズを作れるように、一人のアスリートとしてアドバイスできればいいなと思っています。

――河村選手ももうすぐ20歳となり、子どもたちに夢を与える存在となるわけですが、Bリーグや世界を目指す子どもたちにメッセージをお願いします。

河村 サイズのない自分がBリーグなどで活躍できるということを証明することができれば、小さな子どもたちであったり、体格に恵まれない選手も『自分もやっていけるんじゃないか』という気持ちになると思うので、そうした希望や夢を与えられるように頑張っていきたいと思います。