端正な顔立ちと器械体操で培った均整の取れた筋肉美を兼ね備えるイケメンプロレスラー上野勇希選手。デビュー3年目にして出演した大手飲料メーカーのwebCMでは、DDTの先輩で現在は新日本プロレスで活躍する飯伏幸太選手との共演でイケメンコンビと…

 端正な顔立ちと器械体操で培った均整の取れた筋肉美を兼ね備えるイケメンプロレスラー上野勇希選手。デビュー3年目にして出演した大手飲料メーカーのwebCMでは、DDTの先輩で現在は新日本プロレスで活躍する飯伏幸太選手との共演でイケメンコンビとして話題を呼んだ。

 もちろん人気の秘訣は見た目だけではない。DDTユニーバサル王座を最年少戴冠・最多防衛を記録しており、リング上での実力も兼ね備えた"新時代のスター選手"の1人だ。現在デビュー5年目、年齢25歳という今後もさらなる飛躍が期待される上野勇希のこれまでとこれからに迫ったーー。



爽やかな笑顔が印象的な上野勇希選手

ーーまずはベタなご質問ですが、プロレスラーを目指したきっかけを教えてください。

 高校の同級生に竹下(幸之介)がいて、彼が出ているDDTの大阪大会を高校2年の時に観戦したのがプロレスとの最初の出会いでした。それまではプロレスをあまり観ていなかったので、初めてのプロレス観戦に大きな衝撃を受けたのを覚えています。面白いし、感動もするし、一気にDDTのプロレスが好きになりました。

 しかし、その衝撃ですぐ「プロレスを始める!」とはなりませんでした。高校では器械体操をしていましたが「もっともっとトレーニングしないと.....!」とプロレスラーに憧れつつ、畏怖の気持ちの方が強い状態でした。高校卒業後もアルバイトをしながら、竹下に筋トレの指導を受ける日々を続けました。そして、改めて竹下から勧誘を受けて、DDTに履歴書を送って試験に挑むことにしました。

ーーDDTといえば試験に一芸の科目があるそうですが、何を披露したのでしょうか。

 一芸が自分にとっては一番難関でした(苦笑)。体力テストには自信があったので絶対にトップを取ろうと燃えていましたが、一芸と言っても面白いことをやれるか不安があったからです。結果的に自分の一番の武器であるマット運動を披露し、身体能力をアピールすることで、無事に通過することができました。

 ちなみに、「笑わせる」という意味での面白さを一芸にする場合は、何枚も自分の皮を脱ぐ必要があるので、相当な覚悟が必要です(笑)。



器械体操で鍛えた跳躍力は上野(中央)の強い武器

ーー憧れのプロレスラーになって衝撃を受けたことはありましたか?

 初めてセコンドに入ったのが両国のビッグマッチだったのですが、"歓声が降り注ぐ"という感覚をリングサイドで味わったことです。セコンドだったので、自分への歓声ではないのですが、それでもファンの感情や緊張感がビシビシと伝わってくることに衝撃を受けました。

 そしてデビュー戦で自分がリングに立ち、その歓声を受け止めたときのアドレナリンの量はものすごく、痛い攻撃も痛くないほどでした。むしろ攻撃を受けることで、さらにアドレナリンが出るので気持ち良いみたいな(笑)。「痛いはずなのに痛くない!でも体は動かない!」という体験は衝撃でした。

ーーデビューしてからプロレス研究もさらに熱心になったと思いますが、影響を受けて参考にしているプロレスラーはいますか?

 大阪プロレスのHUB選手です。地元が大阪で、竹下の勧めもあって大阪プロレスを観戦したのですが、そこでシンプルに「かっこいい」と憧れを持ったのがHUB選手です。言葉にするのが難しいのですが、とにかくプロレスラーとしてHUB選手のすべてがかっこいいんです。

 そして、HUB選手がスーパードルフィン時代に使用していた"WR"という技を自分も使いたいと思い、ご本人に継承のお願いをしたところ快諾して頂き、直伝をして頂きました。他人の技を使いたいと思うことはないのですが、この技は特別です。完璧なクオリティで完璧なタイミングでこれからも使い続けたい大切な技です。

ーー必殺技"WR"にはそんなドラマがあったのですね!プロレスラー以外で参考にしている方はいますか?

 ボディビルダーの鈴木雅さんです。日本ボディビル選手権を9連覇した方です。今は後進育成に注力し、オンラインサロンをやられているのですが、僕も入会して勉強しています。

 筋トレの方法だけでなく、身体コントロールについての考え方なども学べてトレーニングだけでなく試合でも役立っています。メンタル面で学ぶことも多いです。また、これはあくまで持論ですが、筋肉がデカイ人は話が面白いので、非常に楽しく学べます!僕も筋肉をデカくして、話を面白くしたいです(笑)。

ーーたしかに筋トレはメンタルにもいいと聞きますね。精神安定といえば、上野選手はサウナ好きとしても有名です。サウナ大好きな「The37KAMIINAメンバー※」として、サウナの良さとは何でしょうか。
 
 湯船に浸かる・シャワーを浴びるだけで気持ちが良い入浴体験を、サウナはさらに増幅してくれます。サウナに入った場合は、睡眠の質が格段に良くなり、短い時間の睡眠でもすっきり目覚めます。

 またサウナはスマホなどを持ち込めない空間なので、自分とじっくり向き合える貴重な空間でもあります。試合の作戦を考えたり、イメージトレーニングをサウナでしています。
※メンバーは上野勇希、竹下幸之介、 勝俣瞬馬、 MAO


サウナ好きな選手で構成された

「The37KAMIINA」(左からMAO、上野、勝俣、竹下)

ーー上野選手の強さの秘訣の1つはサウナでのイメトレだったのですね。東京でおすすめのサウナはありますか?

 シンプルにサウナを楽しみたい方は、鶯谷の『サウナセンター』、バラエティ豊かに遊園地のように楽しみたい方は池袋の『かるまる』がおすすめです。

 ただ、サウナ仲間でもある青木真也選手の「家から近くて混んでいないサウナが最高」という言葉は真理だと思っています(笑) 。皆さんも、まずはご自宅から近いサウナにぜひ行ってみてください。

ーー筋トレサロンやサウナーという顔も明らかになった上野選手ですが、そんな上野選手のプロレスラーとして誰にも負けないところはどこだと自負していますか?

 誰よりもプロレスを楽しんでいると思います。"楽しんでいる"という言葉は誤解されがちですが、ふざけているわけでも楽をしているわけでもありません。

 プロレスを楽しもうと思うと自分を出し切らないといけないし、負けると楽しくないので、勝たないといけないし.....と必死になります。楽しむことは"楽"ではないんです。今の自分は"誰よりも必死で楽しんでいる"からこそ、伸び伸びとプロレスができているんだと思います。

ーープロレスを全力で楽しむ姿は応援していても伝わってきます。では、上野選手の今後の展望はありますか?

 自分の名前だけでお客様が来てくれる選手を目指したいです。例えば対戦カードで僕のベルトの防衛戦だけが発表されていても「上野の試合があるなら行こう」と地方でもビッグマッチでも会場が埋まる状態です。そのような選手になるために、もっと個性を磨き、誰にも負けない試合のクオリティを目指しています。

ーービッグマッチとしては6月6日にサイバーファイトフェスティバルでプロレスリング・ノアの選手との対抗戦が決まっています。意気込みを教えて下さい。

 竹下・上野vs清宮(清宮海斗選手)・稲村(稲村愛輝選手)というタッグマッチですが、プロレスファンの多くは竹下vs清宮の構図に注目していると思います。もちろん竹下はすごい戦いを魅せてくれると思いますが、それでも上野が一番目立ってやろうと思っています。「DDTはすごいな!上野はすごいな!」となるような名前を売るための絶好のチャンスだと思っています。



サイバーファイトフェスティバルの記者会見の様子(左から上野、竹下、清宮、稲村)

ーー最後に読者の方にメッセージをお願い致します

 世の中的にも元気がなくなりがちですが、元気がないときこそDDTのプロレスだと思っています。全力で戦って、全力で楽しんでいる僕らを観てエネルギーとパワーを持ち帰ってください!



締めのマイクパフォーマンスでは「もっとすごくなる」と意気込む

上野 勇希(うえの ゆうき)
1995年9月1日生まれ、大阪市八尾市出身。16年にプロレスデビュー。中学では陸上、高校では器械体操を経験。2020年1月にタッグチーム「ノーチラス」としてKO-Dタッグ王座獲得。2020年11月にDDT UNIVERSAL王座を最年少戴冠し、現在最多防衛記録を更新中。