F1デビュー戦で9位入賞を果たしたアルファタウリ・ホンダの角田裕毅(20)に対して各方面から称賛の声が上がっている。ベネトン、フェラーリ時代に王者ミハエル・シューマッハー(ドイツ)の名参謀を務めたF1運営会社のロス・ブラウン・マネジングデ…

 F1デビュー戦で9位入賞を果たしたアルファタウリ・ホンダの角田裕毅(20)に対して各方面から称賛の声が上がっている。ベネトン、フェラーリ時代に王者ミハエル・シューマッハー(ドイツ)の名参謀を務めたF1運営会社のロス・ブラウン・マネジングディレクター(MD)はF1公式サイト内のコラムで「ここ数年のF1の中では最高のルーキー。見事な戦いぶりを示した」と最高ランクの評価をつけた。

デビュー戦9位入賞を喜ぶ角田裕毅(ホンダ提供)

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 開幕戦バーレーンGP(3月28日決勝)ではタイヤ戦略でギャンブルを仕掛けたのが裏目に出て予選は13番手だったものの、決勝ではアルピーヌのフェルナンド・アロンソ(スペイン)、アルファロメオのキミ・ライコネン(フィンランド)、アストンマーティンのセバスチャン・ベッテル(ドイツ)のタイトル経験者らを相手に次々とオーバーテークを仕掛け、9位でゴール。日本人初のデビュー戦入賞を果たした。

 今季はシューマッハーの長男のミックと、ロシア人のニキータ・マゼピンの新人2人もハースからデビューを飾ったが、16位&リタイア。新人がデビュー戦で入賞するのは2016年に当時マクラーレンに所属したストフェル・バンドーン(ベルギー、10位)以来、5年ぶりだ。

 ブラウンMDは「彼がレッドブルで登用されたことは素晴らしい一手のようにみえる。鈴鹿のグランドスタンドを埋め尽くす輝かしい日々と日本のファンの情熱を思い起こすができる」とすかさず有望視した。

 彼の発言は説得力がある。フェラーリを離脱した後もホンダ、ブラウンGP、メルセデスとチーム代表を務めるなど数多くのドライバーの力量を身近で見てきただけに「角田とは開幕戦で初めて会ったが、印象的なキャラクターの持ち主。非常に愉快なやつだし、ドライブ中の彼の言葉も際どくて面白い」とも振り返った。

角田が駆るアルファタウリのマシン(ホンダ提供)


 ドイツのテレビ局RTL(電子版)も「日本だけでなく、レッドブルにとっても角田は救世主になるかもしれない」と大胆に予想。レッドブルのエースのマックス・フェルスタッペン(オランダ)が来季以降に他チームへの移籍を決断した場合は角田が後釜の最有力になるかもしれないと伝えた。

 角田はホンダとレッドブルの両組織の育成ドライバーながら、ホンダは今季を最後にF1活動を終了するため、ホンダという後ろ盾がなくなることで来季以降はF1シートを失いかねないとの悲観的な観測も出ていた。ところが開幕戦の活躍を機に欧州を中心に角田の株が急上昇。独立独歩で今後も活躍できると太鼓判を押された形だ。

 F1にレースドライバーとしてエントリーした日本人は角田で21人目。過去の日本人最高位は3位で、1990年日本GPの鈴木亜久里(当時ラルース)、2004年アメリカGPの佐藤琢磨(当時BARホンダ)、2012年日本GPの小林可夢偉(当時ザウバー)の3人が記録しているが、彼らを超えて日本人初優勝を飾るのではと期待されている。

 その意味では角田は日本人ドライバーのF1参戦史を大きく塗り替える「ニュータイプ」が出現したと言えそうだ。次戦は第2戦エミリアロマーニャGP(イタリア・イモラ、18日決勝)。彼の走りに自然と注目が集まる。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)


※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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