元サッカーU-19日本代表MFの馬場憂太さんが4月からスクール開校 かつて「長谷部誠を凌ぐ天才」として期待された元Jリー…

元サッカーU-19日本代表MFの馬場憂太さんが4月からスクール開校

 かつて「長谷部誠を凌ぐ天才」として期待された元Jリーガーが栃木県足利市でセカンドキャリアの転期を迎えようとしている。3月20日、足利市の朝倉福富緑地グラウンドで、元サッカーU-19日本代表MFの馬場憂太さんがジュニア世代のサッカースクール「LUPINUS(ルピナス)足利」の「1DAYサッカークリニック」を開催。4月から現地でスクールを開校し、将来的なプロチーム化を見据えた立ち上げイベントには、約100人のサッカーキッズや、和泉聡・足利市長も出席。地元の協賛企業が47社も集まるなど、大きな盛り上がりを見せた。

 緊急事態宣言が解除された栃木県・足利市。現役時代にFC東京などで活躍した馬場さんが河川敷のピッチでサッカースクールの開校イベントを開催した。

「ご縁がありまして足利に来ることになりました。“足利から世界へ”をテーマに、たくさん笑顔を咲かせることができるようなサッカーチームを作りたいと思います」

 和泉市長や市会議員も出席した開会イベントで、馬場が挨拶すると、大きな拍手が起こった。午前、午後の2部制で行われたイベントのゲストとして、FC東京時代のチームメート、元日本代表MF石川直宏さんも参加。子供たちはかつてのトッププレイヤーの指導に目を輝かせていた。

 東京都出身の馬場さん。現在都内と福岡市内でスクール展開をしているが、育成年代のみならず、トップチームも視野に入れる大型プロジェクトをなぜ足利を舞台に選んだのか――。

「足利では中学生年代、いわゆるジュニアユースのチームがこれまで1つしかありませんでした。小学生までサッカーをしていた子どもたちが中学生になると、受け皿がないので、サッカーがなかなか続けられないという状況を聞きました。他競技や越境などタレントの流出という流れもあったそうです。そこで自分にできることはないのか、と考えました」

地元で大きな期待、和泉市長「非常に夢のある取り組み」

 足利市は伝統的に野球が盛んな土地柄だが、サッカーの競技人口も近年増加。だが、ジュニアユース年代のクラブチームが近隣で1つだけだったことから、中学進学以降にサッカーを続けられる環境の整備が課題だった。馬場さんはクラブを立ち上げることで、地域貢献できればという思いで行動を起こしたという。

 ルピナスは今夏に小学6年生の子供たちの練習会を予定。来年4月にジュニアユースチームを立ち上げ、将来的にはトップチームの設立も視野に入れている。

 新チームの誕生は、地元で大きな期待を集めている。協賛企業は47社。和泉市長は「ルピナスさんが掲げているキャッチフレーズが、“足利から世界へ”。非常に夢のある取り組みと思い、大きく期待しています。本物の選手の肉声、指導に触れ合えるのことは小学校などの年代において、忘れがたい印象を残します。キャッチフレーズ通りに、足利から世界に羽ばたいてもらいたい」と話していた。

 現役時代は華麗なプレースタイルでピッチ上で輝きを放った馬場さん。アンダー世代では同い年の元日本代表主将・長谷部誠(フランクフルト)を凌ぐほどの天才とも呼ばれたファンタジスタは「サッカーの楽しさを伝えながら、トップの選手を育てていきたい」と笑顔で意気込みを口にした。足利から世界基準のタレントを育成することで、セカンドキャリアをさらに充実させるつもりだ。(THE ANSWER編集部)