アルゼンチンとの2試合も終わり、サッカー五輪代表は7月の本番への機運も高まってきたところ。オーバーエイジ(OA)枠も含め…
アルゼンチンとの2試合も終わり、サッカー五輪代表は7月の本番への機運も高まってきたところ。オーバーエイジ(OA)枠も含め、18人という狭き門に入ってくるメンバーは一体誰になるのか。識者5人が予想した。
最大のポイントは2列目のタレントを生かす1トップ
中山 淳(サッカージャーナリスト)

右サイドバックの人材も盤石にしておきたい
(FW)大迫勇也(OA)
(MF)相馬勇紀、久保建英、堂安律
(MF)中山雄太、田中碧
(DF)古賀太陽、板倉滉、冨安健洋、酒井宏樹(OA)
(GK)権田修一(OA)
サブメンバー
(GK)大迫敬介
(DF)瀬古歩夢、菅原由勢
(MF)旗手怜央、三笘薫
(FW)食野亮太郎、前田大然
これまでのチームづくりは何だったのかという議論は別として、基本布陣はA代表と同じ4-2-3-1。そのほうが、五輪後のA代表を考えても論理的だ。
そのなかで3人のOAを起用し、経験がものをいうGKに権田修一、右SBに3バックシステムおよび左も対応できる酒井宏樹、1トップに大迫勇也をチョイス。酒井が参加不可の場合、ベルギーに移籍した橋岡大樹の調子が上がらなければ、室屋成をOAで招集して右SBを盤石にしておきたい。
最大のポイントは1トップの大迫だ。A代表のように、彼が前線にいることでボランチの縦パスを引き出し、日本の強みでもある2列目のタレントを最大限に生かせる。現状、所属クラブのブレーメンも出場を許可してくれるだろう。
CBは、冨安健洋のパートナーとして、高さと強さを兼備する板倉滉を起用。板倉はボランチもできるので、欠かせない駒だ。左SBは守備重視なら古賀太陽、攻撃的にいくなら旗手怜央を起用。ボランチは、配給力と守備力を兼ね備える田中碧を軸に、主将の中山雄太がダブルボランチを形成するが、ここでも左SBなど複数ポジションをこなす中山はメンバーから外せない。
2列目は、堂安律、久保建英、相馬勇紀を並べ、ジョーカーとしても活躍しそうな三笘薫を招集。控えには、1トップやトップ下もこなす食野亮太郎を選び、大迫や久保の欠場に備えたい。もう1人は、三笘と同じく途中出場で威力を発揮できるスピードスターの前田大然を選択。前線にはユーティリティ性の高い旗手を起用できるため、駒不足は回避できるはずだ。
メダル獲得を優先し、様々な戦い方を考慮
浅田真樹(スポーツライター)

3バックとの併用も考え、後ろの選手を厚めにしたメンバー構成
(FW)大迫勇也(OA)
(MF)三笘薫、久保建英、堂安律
(MF)遠藤航(OA)、田中碧
(DF)旗手怜央、冨安健洋、吉田麻也(OA)、菅原由勢
(GK)大迫敬介
サブメンバー
(GK)谷晃生
(DF)中山雄太、板倉滉、田中駿汰
(MF)相馬勇紀、渡辺皓太
(FW)前田大然
あくまでメダル獲得が何よりも優先されるのか。A代表の戦力底上げにもある程度重点を置くのか。選手選考も考え方次第で変わってくるが、前者を前提にメンバーを選んだ。
OAは当然使う。U-24世代の選手だけでは決め手に欠ける、CB、ボランチ、CFに吉田麻也、遠藤航、大迫勇也を加えた。A代表も含め、吉田、大迫への依存度が高すぎる現状は喜ばしいものではないが、何が何でも勝ちたいなら、経験と合わせてやはり必要な戦力だ。
鎌田大地、あるいは南野拓実をOAで入れるのもあり。久保建英と堂安律はどちらかに絞るほうがバランスはよさそうだが、U-24世代のほかのポジションの戦力と、OA枠は3枚しかないことを考え、この11人の組み合わせとした。
また、メダル獲得のために18人で6試合を戦わなければならない五輪は、控えメンバー選びがさらに難しい。
まず、GKの控えとして谷晃生、CFの控えとしてもジョーカーにもなりうる前田大然、中盤ならどこでもこなせる渡辺皓太の3人を加えた。
あとの4人は、どんな戦い方をするかのイメージと、そのための組み合わせ次第。ボランチから後ろのポジションを複数こなせるという点から、中山雄太、板倉滉、田中駿汰、橋岡大樹、岩田智輝のうち3人を、2列目のオプションとして相馬勇紀、三好康児のうち1人を、という考え方で選んだ。3バックとの併用も考え、後ろの選手の人数を厚めにしている。