トレーニングや運動をしている方が、タンパク質を補給する方法のひとつとして取り入れているプロテイン。プロテインは原材料によって特徴が異なります。今回はプロテインの原材料の特徴や、プロテインを取り入れる際のヒントについて、あすけん栄養士が解説…

 トレーニングや運動をしている方が、タンパク質を補給する方法のひとつとして取り入れているプロテイン。プロテインは原材料によって特徴が異なります。

今回はプロテインの原材料の特徴や、プロテインを取り入れる際のヒントについて、あすけん栄養士が解説します。

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プロテインとは?

プロテインといえば、ゴクゴク飲むイメージがありますよね。プロテインという言葉は、そのまま訳すと英語で「タンパク質」のことですが、一般的にはプロテインパウダーやプロテインサプリメントのことを指しています。

プロテインに含まれるタンパク質は、主に「ホエイタンパク」・「カゼインタンパク」・「ソイタンパク」の3種類です。ではそれぞれのタンパク質について、詳しく解説していきます。

ホエイタンパク

ホエイタンパクは牛乳に含まれるタンパク質の一種です。ヨーグルトの上澄み液や、チーズの製造過程で出る液体をホエイ(乳清)といいますが、このホエイに含まれるタンパク質です。

ホエイタンパクはほかのプロテインに比べると、吸収速度が速いことがわかっており(※1)、筋肉合成に必要なBCAAが豊富とされています。

ホエイタンパクはトレーニングや運動後に素早くタンパク質補給したいときにいいでしょう。運動後は、筋肉の合成を高めるためになるべく早くタンパク質や糖質を補給した方がいいといわれているため、吸収が速いホエイタンパクが役立ちます。

牛乳を飲むとお腹を壊してしまう方はWPIを選ぼう
牛乳を飲むとお腹を壊してしまう方は、ホエイタンパクの中でも、WPI(分離ホエイタンパク)のものを選ぶといいでしょう。

通常のホエイタンパク(WPC:濃縮ホエイタンパク)には、牛乳でお腹を壊す原因となる乳糖が残っています。WPIは通常のホエイタンパクを精製して作られており、乳糖含有率が低くなるため、牛乳でお腹を壊しやすい方におすすめされています。

カゼインタンパク

カゼインタンパクは、ホエイタンパクと同じく牛乳に含まれるタンパク質の一種です。牛乳に含まれるタンパク質の約80%がカゼインタンパクです。

カゼインタンパクは酸の力で固まってしまう作用があります。胃の中に入ると、胃酸や酵素の力でいったん固まってしまうため、ホエイタンパクに比べると消化吸収スピードはゆっくりになります。

ただ消化吸収に時間はかかりますが、血中のアミノ酸濃度は維持されやすいこともわかっています。(※1)このことを利用して、持続的なタンパク質補給としてカゼインタンパクを利用する方法もあるようです。

ソイタンパク

ソイタンパクとは大豆を原料とした植物性のタンパク質です。大豆から脂質や糖質を取りのぞき、粉末状にしたものです。

ソイタンパクは大豆イソフラボンなど、大豆の栄養を一緒に摂ることができるというメリットがあります。大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをすることがわかっているため、女性向けのプロテインとしてすすめられているようです。

プロテインはどう使う?

プロテインはどのように使うといいのでしょうか。選び方や取り入れ方についてお伝えします。

プロテインの選び方と取り入れ方
トレーニングをしている方は、吸収が速い「ホエイタンパク」をトレーニング後に利用するといいでしょう。

通常であれば、1日に必要なタンパク質は食事からで十分補えます。ですが、トレーニング後は「出先で食べ物を持ち運びにくい」「運動直後に固形物が食べられない」ということが考えられるため、手軽に飲んでタンパク質を補給できるプロテインが活躍するでしょう。

トレーニングなどをしていない方や、トレーニングの強度が低い方は、無理にプロテインを取り入れる必要はなく、食事からのタンパク質で十分に補えます。詳しくは以下の記事も参考にしてみてくださいね。

寝る前やダイエットにプロテインとるのはどうなの?
寝る前やダイエットにプロテインをとることがすすめられている場合がありますが、積極的におすすめしません。

まず、寝る前にプロテインをとることで、消化に負担がかかり睡眠の質に影響してしまうことが考えられます。知らず知らずのうちに、日中のパフォーマンスを落としてしまうことも。

またダイエット中のタンパク質補給は、食事からで十分必要な量を補うことができます。脂質が比較的少ない鶏肉や豆類などを、たっぷりの野菜と一緒によく噛んで食べることで、タンパク質を補給しながら満足感も得られ、ダイエットに役立つのではないでしょうか。

プロテインはあくまで補助的なものとして、「タンパク質を摂れない場面に利用する」という付き合い方がいいでしょう。プロテインをとったからといって、それだけで筋肉がついたりダイエットできたりするわけではありません。

バランスのよい食事と適度な運動を心がけ、必要に応じてうまくプロテインを取り入れていきましょう。

【参考・参照】
(※1)Yves Boirie, Martial Dangin, Pierre Gachon, Marie-Paule Vasson, Jean-Louis Maubois, and Bernard Beaufrère,“Slow and fast dietary proteins differently modulate postprandial protein accretion”,PNAS December 23, 1997 94 (26),14930-14935


[文:あすけん 管理栄養士 公開日:2020年11月24日]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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