「特集:なぜ『呪術廻戦』にハマるのか」(4)証言者:RENA 証言者3:宮本佳林>> 人間の負の感情から生まれる「呪霊」を、呪術を用いて主人公たちが倒していく人気漫画『呪術廻戦』。アスリートにもファンが多く、総合格闘技の"ジョシカク(女子格…

「特集:なぜ『呪術廻戦』にハマるのか」
(4)証言者:RENA 証言者3:宮本佳林>>

 人間の負の感情から生まれる「呪霊」を、呪術を用いて主人公たちが倒していく人気漫画『呪術廻戦』。アスリートにもファンが多く、総合格闘技の"ジョシカク(女子格闘技)"ブームの火付け役となったRENA選手もそのひとりだ。自身のインスタグラムでは、主人公の虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)のコスプレを披露して話題に。そんなRENA選手に、作品に出てくるバトルシーン、キャラクターの魅力などについて聞いた。

※アニメ視聴者の方にはネタバレもあります

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『呪術廻戦』の魅力を語った女子格闘家のRENA

――『呪術廻戦』を見ることになったきっかけは?

「姪っ子がコスプレイヤーで、TikTokで『呪術廻戦』のキャラクターのコスプレもしていたんです。私はもともとアニメが好きなんですが、それで『呪術廻戦』も見てみたらすっかりハマって。漫画も買ったので、最初から内容を追いかけています」

――どんなところに魅力を感じたんですか?

「 "裏切られる"ところですかね。重要なキャラクターだと思っていたら死んでしまったり、両面宿儺(りょうめんすくな)が全然味方にならなかったり、五条悟先生があまりに強すぎたり。そういった展開に引き込まれました。主人公の虎杖に人間味があるところもいいですね」

――RENA選手も、自身のインスタグラムに載せた虎杖のコスプレが話題になりましたね。虎杖は東堂葵(とうどう・あおい)との対決、共闘の中で強くなっていきますが、そういった"ライバル"の存在はアスリートとしても重要ですか?

「刺激になりますよね。私にとっては、まだ10代の頃の話になりますが、神村エリカ選手がそうだったと思います。神村選手は年齢的にはひとつ下で、左フックで相手をバンバン倒す選手だった。2010年にエキシビションマッチで初対決した時も、左フックでダウンを取られました。そこから私は2、3試合くらい調子を落としてしまって......。翌年に再戦して勝つことができたんですが、それまでは好きじゃなかった、映像を見ての相手の研究もしっかりするようになりました。戦い方が変わった転機になったと思います」

――虎杖と東堂も、刺激を与えあっていますね。

「ただ、あの2人はちょっと特殊ですけどね(笑)。虎杖はあとで否定しますが、互いを超親友(ブラザー)と呼び合うのは熱量が高すぎます。私が男なら、東堂もいい友達にはなれるかもしれませんが......女性目線から見るとタイプではないです(笑)」

――男性のキャラクターだと、五条、狗巻棘(いぬまき・とげ)の人気が高いようですが......。

「その2人は別格というか、外せないのはよくわかります(笑)。狗巻はキャラクターが面白いですね。話せるのがおにぎりの具の種類で、それで仲間とは話が通じるという。おとなしい雰囲気なのに強いのもいいです。ギャップでいったら、普段はチャラついているのに、めちゃくちゃ強いっていう五条先生にはかないませんが(笑)。しかも美しいくらいイケメンという、まさに完璧な存在ですね。初めて本格的に領域展開の話が出てきた漏瑚(じょうご)の戦いは、五条先生の魅力が詰まった戦いだったと思います」

――『呪術廻戦』では、体術もしっかり鍛え、激しい肉弾戦の中で呪力を使うシーンが多いですが、格闘家としてはそこも魅力でしょうか。

「そうですね。ほかの作品でも、いきなり寝技などが出てくると『この作者さんは格闘技が好きなんだな』と感じることがあるんですが、『呪術廻戦』もそう。技のバリエーションの多さや戦略、躍動感もすばらしい。虎杖は打撃系のキャラクターですから、そういった点も好きになった理由のひとつです」

――ちなみに、女性キャラクターで好きなのは?

「釘崎野薔薇(くぎさき・のばら)ちゃんです。口が悪いのがいいですね」

――口の悪さですか(笑)。それは、自分も実はそうしたいといった憧れのようなものなんでしょうか。

「いえ、『女ってこんな感じだよね』という共感です(笑)。少年漫画のヒロインはキラキラしたキャラクターも多いですが、この作品に出てくる女性キャラクターは気が強めでクセが強くて、『女友達にもいるなぁ』と親近感が湧くんです。男性の読者の方には、『あれが女の子のリアルだよ』と伝えたいです(笑)。野薔薇ちゃんは、五寸釘、金づち、わら人形を使う"共鳴り(ともなり)"の攻撃方法のエグさもいいですね」

――呪術も、一番好きなのは"共鳴り"ですか?

「理想は、やっぱり五条先生です。あんなふうに、涼しい顔で相手を倒したい。私も毎試合、リングに上がる直前まで『1ラウンドで終わらせたい。早く終わらせたい』とばかり考えています(笑)」

――打撃が得意なRENA選手としては、虎杖のような黒閃(こくせん)を相手に叩き込みたいところでしょうね。作品の中では、「スポーツにおける『ゾーン』に入った状態」と説明がありましたが、これまでの試合でそういった感覚になったことはありますか?

「まだ味わったことはないです。『しっかり打撃が入ったな』と思うことはありますが、事前に戦略を練って、それにハメていく戦い方だからかもしれません。もしくは、修行が足りないんですかね(笑)。格闘家のキャリアもだいぶ長くなってきましたが、まだまだ精進しようと思います」

(証言者5 乃木坂46・賀喜遥香>>)