F1開幕戦バーレーンGPの決勝が28日、バーレーンインターナショナルサーキットで行われ、日本人として7年ぶりのF1参戦となったアルファタウリ・ホンダの角田裕毅(20)が9位でゴールし、日本人初となるデビュー戦入賞を果たした。同時に日本人の…

 F1開幕戦バーレーンGPの決勝が28日、バーレーンインターナショナルサーキットで行われ、日本人として7年ぶりのF1参戦となったアルファタウリ・ホンダの角田裕毅(20)が9位でゴールし、日本人初となるデビュー戦入賞を果たした。同時に日本人の最年少入賞記録も更新した。

9位入賞を果たしたアルファタウリ・ホンダの角田裕毅((c)RedBull Content Pool)

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 デビュー戦初入賞には違いない。が、実は日本人のデビュー戦新記録をマークしたわけではない。日本人記録は1987年ブラジルGPの中嶋悟、97年オーストラリアGPの中野信治がマークした7位。当時は6位までが入賞という狭き門だったため、ポイントを取ることができなかった。現行のポイントシステムでは得点対象の入賞は10位まで。だから日本人初のデビュー戦入賞となるのだ。

 中嶋悟さんは角田の9位という結果について「デビュー戦に入賞したということは素晴らしい。次のレースも期待したい」と喜んだ。

 ちなみに角田のデビュー戦9位は日本人では歴代3位タイ。しかも他に3人もいる。1976年にアジアで初開催となったF1日本GP(富士スピードウェイ)でスポット参戦した高原敬武(サーティース)、翌77年の日本GP(富士)で日本チームのメイリツレーシングからスポット参戦した高橋国光。

 最近では2009年のブラジルGPでトヨタからレギュラードライバーの代役で急きょデビューした小林可夢偉だ。03年から入賞が8位までに拡大。10位までに変更されたのは10年からで、可夢偉もデビュー戦でポイントゲットはできなかった。

 それまでの日本人最年少入賞記録を持っていたのは中嶋一貴だった。23歳2カ月で出場した2008年第1戦オーストラリアGPで6位に入った。前年の最終戦ブラジジルGPでF1デビューしており、実質的には参戦2戦目だが、「フル参戦1年目の開幕戦」というくくりでは、一貴の記録が日本人最高位となっている。

バーレーンGPでピットストップに入った角田裕毅のマシン((c)RedBull Content Pool)


 さて、角田のレースに戻りたい。決勝を13番グリッドからスタートし、序盤に順位を落としたものの、最後までラップタイムは安定しており、果敢に追い抜きを仕掛けた。レジェンドながら今季からF1に復帰したアルピーヌ(前ルノー)の元王者フェルナンド・アロンソ(スペイン)を追い抜くなど「レース偏差値」の高い走りを見せた。

 「レース中は力強いオーバーテークをすることができました。僕にとっては、フェルナンド(アロンソ)をパスしたのが熱く感じた瞬間で、幼いころから見てきたスーパースターだったので、とてもエキサイトしました」とレース後には笑顔で振り返った。

 開幕戦ではレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(オランダ)がメルセデスの王者ルイス・ハミルトン(英国)と最終周までデッドヒートを繰り広げて2位。チームメートのセルジオ・ペレス(メキシコ)もフォーメーションラップ中の電気系トラブルでピットレーンスタートを強いられながら5位に躍進した。アルファタウリのピエール・ガスリー(フランス)については予選5番手と大健闘したが、決勝は序盤に他車と接触した影響もあり、決勝は完走扱いの17位だった。

 ホンダは今季を最後にF1活動を終了すると表明しているが、アルファタウリ勢を含めてマシンの競争力は高そう。今から34年前。1987年のイギリスGPでナイジェル・マンセル(ウィリアムズ)-ネルソン・ピケ(同)―アイルトン・セナ(ロータス)―中嶋悟(同)でホンダ勢によるトップ4独占が成し遂げられた。その再現が今年起きてもまったくおかしくはない。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)


※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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