五輪男子シングル金メダルのヤグディン氏「彼女の病気後の困難を知っている」 フィギュアスケートの世界選手権女子シングルが26日までスウェーデン・ストックホルムで行われ、アンナ・シェルバコワ(ロシア)が初優勝した。28日に17歳となった新女王。…

五輪男子シングル金メダルのヤグディン氏「彼女の病気後の困難を知っている」

 フィギュアスケートの世界選手権女子シングルが26日までスウェーデン・ストックホルムで行われ、アンナ・シェルバコワ(ロシア)が初優勝した。28日に17歳となった新女王。解説者としても有名な母国の五輪金メダリストは涙を流して感動したという。ロシアメディア「championat.com」が報じている。

 同メディアは「ヤグディン氏がテレビの中継でシェルバコワの滑走後、泣き始めた」と記事を掲載。ソルトレイクシティ五輪男子シングル金メダリストのアレクセイ・ヤグディン氏が、大会の中継中に涙を流していたことをこう報じている。

「フリーでアンナ・シェルバコワの金メダルの演技に感情的に反応した。話の間に彼は涙を流し、ポーズをとった」

 シェルバコワは昨年11月、肺炎を治癒させて臨んだロシア選手権で3連覇。母国メディアには、38度の熱が出ていたが、新型コロナウイルス検査は陰性だったと伝えられていた。そんな状況を踏まえ、ヤグディン氏は初優勝を遂げた姿に感動したようだ。同メディアは国営放送の中継で同氏が語った内容を掲載。感情を露わにしたようだ。

「ああ、私はもうダメです。彼女がどのような困難を乗り越えて今シーズンを過ごしてきたか、我々は知っています。私たちはこれについて話しませんでしたが、彼女が病気の後に回復していくのがどれだけ困難だったかを知っています。アスリートは自身のフィジカルの状態に泣き言を漏らす人ではありません。もし、競争しに来たのなら、出場して『やりなさい』という世界です」

ヤグディン氏「タラソワ氏がいたら一緒に声を上げて泣いていた」

 今大会の演技については「彼女の4回転フリップは練習でそれほど安定していませんでした。そして、転倒しました」と説明。続けて「何が普通のスケーターと世界チャンピオンを分けるのか。この4回転フリップの転倒後、彼女は立ち向かいました」としている。さらに新女王に賛辞を送った。

「シェルバコワは、自分がだてに今シーズン、すべての大会で優勝したのではないことを証明しました。私たちとタチアナ・タラソワ氏が一緒にいないことが残念です。もし彼女がいたら、おそらく私たちは一緒に声を上げてすすり泣いていたでしょう。ああ、これは何かの奇跡です!」

 エリザベータ・トゥクタミシェワが2位、アレクサンドラ・トルソワが3位に入った2年ぶりの世界選手権。ロシアで初めて表彰台を独占し、五輪王者は感情的になったようだ。(THE ANSWER編集部)