フランス代表はどの国際大会でも優勝候補の一角であるが、先日のウクライナ代表とのワールドカップ予選初戦での引き分け(1-1)は、後方での戦い方を熟知しているチームと対戦したときのレ・ブルーの問題点を改めて浮き彫りにした。 バルサ選手達が各地で…

フランス代表はどの国際大会でも優勝候補の一角であるが、先日のウクライナ代表とのワールドカップ予選初戦での引き分け(1-1)は、後方での戦い方を熟知しているチームと対戦したときのレ・ブルーの問題点を改めて浮き彫りにした。
バルサ選手達が各地で躍動 デンマークの9とフランスの7がゴラッソ...米国SBも初ゴールを記録
ディディエ・デシャン監督は、2018年のワールドカップでもそうだったように、一貫してスペースを突くサッカーを展開している。オリヴィエ・ジルーを頂点に、アントワーヌ・グリーズマンに自由を与え、ウイングにはキリアン・エムバペを筆頭に広大なスペースを何よりも好む快速アタッカーを起用している。
フランス代表は決してポゼッションを得意とした選手が揃っている訳ではない。むしろ、肉体的に特徴のあるフィジカル面での強さを武器に、中盤でボールを奪ってからのショートカウンターやロングカウンターが最大の武器と言える。
昨年10月のネーションズリーグリーグで大勝した時のウクライナ戦は、ボールを握って真っ向勝負を挑んだ結果、7得点を挙げている。この教訓を活かしたアンドリー・シェフチェンコ監督は、5-3-2のブロックを作って守備を固めた。
結果的にボールを持たされる形となったフランスは、狭いスペースでの崩しのアイディアが乏しく、シュート18本を放つも枠内を捉えたのは3本と攻めあぐねた。唯一のゴールはグリーズマンが決めたゴラッソだった。
この結果を受けて、フランスの報道機関は一斉に世界王者を批判している。より多くのリソースを持っていなければならないと指摘し、精彩を欠いたエムバペを「スペースがないと何もできない」と酷評したのは『Le Parisen』だった。
そのエムバペは、UEFAのインタビューの中で「精神的に強くなる」ことの重要性と、ゴールとの関係を強調している。
「以前は得点が少ないと批判された。スコアが足りない、もっと(攻撃の)パターンを増やせとね。今のサッカーでは得点し続けないとならない。世界王者は過去のことであり、僕らは追われる立場。肉体的にも、精神的にもタフにならないといけない」
問題はどうやってゴールにたどり着くかだ。リュカ・エルナンデスは、ウクライナ戦の後、「創造性と機動性に欠けていた」と認めた。デシャン監督は次節カザフスタン戦での「大きなローテション」を明言している。
彼らの選択肢は多岐にわたる。4-3-3または4-4-2のフォーメーションへの復帰が推測されているが、システムにかかわらず、より多くの攻撃的な中盤のプロファイルが導入されることが予想される。
左足のハムストリングの問題でエンゴロ・カンテが離脱。また、アドリアン・ラビオも身体的な負傷を訴えていて、欠場する可能性もある。ポール・ポグバやトマ・レマル、ムサ・シソコといった選手たちにとってはチャンスであり、アントニー・マルシャルとウスマン・デンベレもスタートから起用されるだろう。
「彼は自分の最高のレベルを再発見し、違いを生み出している」と、デシャンはFCバルセロナで復調した選手について語っている。