『特集:We Love Baseball 2021』 3月26日、いよいよプロ野球が開幕する。8年ぶりに日本球界復帰を果…
『特集:We Love Baseball 2021』
3月26日、いよいよプロ野球が開幕する。8年ぶりに日本球界復帰を果たした田中将大を筆頭に、捲土重来を期すベテラン、躍動するルーキーなど、見どころが満載。スポルティーバでは2021年シーズンがより楽しくなる記事を随時配信。野球の面白さをあますところなくお伝えする。
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2021セ・リーグ順位予想
3月26日、ついにプロ野球が開幕する。コロナ禍で揺れた昨シーズン、巨人が危なげない戦いでリーグ連覇を達成したが、今シーズンはどんな戦いが繰り広げられるのだろうか。巨人の3連覇か、それとも......。解説者5人にセ・リーグの順位を予想してもらった。
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オープン戦で6本塁打を放った阪神のルーキー・佐藤輝明
◎中村紀洋氏
1位 巨人
2位 中日
3位 阪神
4位 広島
5位 DeNA
6位 ヤクルト
セ・リーグは巨人の3連覇が濃厚のような気がしています。菅野智之選手が残留したことも大きいですし、選手個々が自分のすべきことを理解している。そしてなにより、原辰徳監督の経験値の高さ、勝負勘の鋭さが1位に挙げた大きな理由です。
2位は、昨年8年ぶりのAクラス入りを果たした中日です。今年のキャンプを見たのですが、投手陣が充実している。とくにリリーフ陣は祖父江大輔選手、福敬登選手、ライデル・マルティネス選手を筆頭に、又吉克樹選手がすごくよく見えました。彼はロングリリーフもできますし、いろんな場面で登板できるのが強み。今シーズンのキーマンに挙げたい選手です。あとは攻撃陣がどこまで得点できるかですね。
阪神も中日同様、リリーフ陣が安定しています。うしろがしっかりしているとゲームプランを立てやすいですし、勝ちパターンを確立しているのは大きいですね。投手陣に比べて攻撃陣はやや弱い印象を受けますが、ルーキーの佐藤輝明選手がオープン戦で6本塁打を放つなど大活躍。とにかくスイングが強く、左右に長打が打てるのは最大の魅力。彼が打線に入ったことで一気に厚みが増しました。
4位の広島は大瀬良大地選手、森下暢仁選手と力ある先発陣に加え、打線も鈴木誠也選手という絶対的な存在もいる。彼らを中心に他の選手もうまく噛み合えば上位進出も十分可能だと思います。ただ、投打とも新戦力の台頭が必要かなと感じますし、未知数な部分もあってこの順位にしました。
DeNA、ヤクルトは上記4チームに加え、戦力的にやや劣るのかなという印象です。とくにDeNAは外国人10選手が来日していない。もともと外国人選手に頼っていた部分が大きかっただけに、シーズン序盤でどこまで耐えられるかでしょうね。
◎鈴木尚広氏
1位 巨人
2位 阪神
3位 中日
4位 DeNA
5位 広島
6位 ヤクルト
セ・リーグ2連覇中の巨人ですが、オフに梶谷隆幸と井納翔一を獲得するなど、貪欲にチーム力の底上げをしています。厚みが加わったことでチーム内の競争が激しくなり、選手たちに緊張感が生まれている。そのあたり、さすが原(辰徳)監督だと思いました。
強いて不安を挙げるとすれば投手陣かなと。戸郷翔征がどこまでやるのかという期待はありますが、3年目の彼にそこまで背負わせるのは酷かなと......やはり、井納や今村信貴あたりがしっかり貯金をつくることが大事になってくると思います。
その巨人の対抗馬となるのは阪神です。若い選手が育っているなという印象がありますし、ルーキーの佐藤輝明の存在は大きい。もともと投手力のいいチームでしたが、佐藤が加わったことで打線も期待できる。あとは課題の守備力がどこまで改善されているか。戦力的には巨人と大差はないと思っています。今シーズンのセ・リーグは巨人と阪神を中心に展開されるような気がしています。
3位以降は混戦でしょうね。どのチームもやや決め手に欠きますし、現時点で不確定要素が多いのかなと......。中日はやはり大野雄大の存在が大きいですね。絶対的なエースがいれば、大型連敗が避けられる。これはシーズンを戦ううえで大きな武器ですし、昨年3位になったことも選手には自信になっているのかなと思い、この順位にしました。
DeNAは戦力が揃えば楽しみなチームなのですが、来日していない外国人選手に加え、今永昇太がケガで出遅れ、山崎康晃もまだ本調子ではない。マイナス要素が大きすぎます。言い換えれば、若手にとってはチャンスなわけで、新しい戦力が出てくれば面白い戦いができると思います。
広島は、3連覇した頃の粘り強い野球がどこまで復活できるか。投打とも底上げが必要ですし、新戦力が出てきてくれないと厳しいかなと思います。ただ、栗林良吏、森浦大輔、大道温貴のルーキー3人は即戦力の期待が高く、彼らがうまく機能すれば上位を狙えるだけの力はあると思います。個人的にはチョーさん(長野久義)に頑張ってもらいたいですね(笑)。
6位にはしましたが、ヤクルト打線の破壊力はリーグ屈指です。内川聖一が入ったことで、村上宗隆の負担も軽減できるでしょうし、山田哲人、青木宣親と経験力のある打者がいることも大きい。あとは投手陣がどこまで踏ん張れるかでしょうね。
◎内竜也氏
1位 巨人
2位 阪神
3位 広島
4位 DeNA
5位 中日
6位 ヤクルト
今年も巨人が頭ひとつ抜けている印象です。厚みのある戦力もさることながら、原辰徳監督を筆頭に選手それぞれが勝負どころを熟知していて、勝ち方を知っている。田口麗斗が抜けたのは痛いですが、これといった大きな穴が見当たりません。巨人中心の展開になるのは間違いないでしょうね。
2位は投手力で阪神にしました。開幕投手を務める藤浪晋太郎がどこまでできるのか、期待も不安もあると思いますが、1年間ローテーションに入って計算できるようになると、優勝の可能性も出てくると思います。
それに今シーズンは9回で打ち切りとなるため、リリーフが強いチームが有利になるのではないかと思っています。阪神のリリーフ陣はリーグ屈指の強力布陣なので、どのようなゲームプランを立てていくのか楽しみですね。
3位以降は、正直どこが来ても不思議ではありません。広島は鈴木誠也の前にいかにランナーをためられるか。田中広輔、菊池涼介の出来というのがカギを握るのではないかと思います。
DeNAは外国人選手10人がいまだ来日できていません。投打ともチームに欠かせない選手がいますので、その影響は計り知れません。昨年、首位打者を獲得した佐野恵太など、選手個々の力はあるので、苦しい状況のなかでどこまで耐えることができるのか注目ですね。
昨シーズンAクラスの中日は、根尾昂や石川昂弥をはじめ、将来的にチームの中心を担う選手たちの起用法次第だと思います。育成に力を入れるのではあれば、多少は成績を度外視しないといけないでしょうし、勝利を最優先するのであれば戦い方も違ってくる。
逆にヤクルトは、ベテラン頼みのところがあって、1年をフルに戦えるのかどうかという不安があります。なので、主力を脅かすような若手が出てきてほしいところですね。
◎藪恵壹氏
1位 阪神
2位 中日
3位 巨人
4位 広島
5位 DeNA
6位 ヤクルト
阪神は投打とも戦力が整ってきましたし、なによりもルーキー・佐藤輝明の加入が大きい。彼のバッティングを見ていると、芯を外されてもスタンドインできる力がありますし、セ・リーグの球場ならなおさら期待できると思います。開幕投手の藤浪晋太郎がどっちに転ぶのか不安はありますが、状態はいいと思いますので、今年はやってくれそうな気がしています。
阪神を1位にしたことで、2位はあえて巨人を外しました。というのは、これまで阪神が優勝したシーズンというのは、巨人は3位以下なんです。実力的には阪神と巨人が優勝争いをしそうなのですが、ここはジンクスを信頼して巨人を3位にしました。
中日はリリーフ陣が強力という点で2位にしました。中盤までにリードしてれば、かなりの確率で勝利をもぎ取れる。自分たちの形があるのが大きい。ただ、世代交代真っ只中という印象もあり、未知数な部分もあります。ベテラン、中堅、若手がうまく機能してくれば、昨年以上の戦いができるのではないでしょうか。
4位は広島にしましたが、ポテンシャルはセ・リーグでナンバーワンだと思っています。近年は得意の機動力がうまく使えていない印象がありましたが、河田雄祐コーチが復帰してこれまでのような戦いができるのではないかと期待しています。広島は少ないチャンスをモノにして得点を積み重ねていくチームなので、河田コーチの復帰は最大の補強かもしれません。
DeNAは外国人選手が来日できていないのが痛すぎます。なかでもネフタリ・ソト、タイラー・オースティンの主軸がいないのは大きい。楽しみな若手がいるとはいえ、このふたりの穴を埋めるのは並大抵のことではありません。
ヤクルトは内川聖一が加わり、得点力はアップするでしょう。ただ、レギュラークラスと控えとの差が大きく、1年を通した戦いとなった時に選手層の薄さが気になります。上位争いに加わるには、一昨年の村上宗隆のように新戦力の台頭が不可欠です。
◎真中満氏
1位 巨人
2位 阪神
3位 ヤクルト
4位 DeNA
5位 広島
6位 中日
投打のバランスはやっぱり巨人が一番。菅野智之が残留し、戸郷翔征、サンチェス、井納翔一ら先発陣と、高梨雄平、大江竜聖、鍵谷陽平、中川皓太らリリーフ陣のバランスがいい。
個人的に注目しているのは阪神。スアレスの残留でクローザーの不安がないこと。開幕投手の藤浪晋太郎をはじめ、西勇輝、秋山拓巳、青柳晃洋の先発投手陣が計算できることが強みです。さらに、オープン戦でホームランを量産したルーキーの佐藤輝明も魅力的。
ヤクルトは僕の古巣ということでの忖度もあるけど(笑)、内川聖一の加入で、懸案の「5番問題」が解決。強力打線がどれだけ投手陣を支えられるか?
中日は、投手陣は揃っているけど、攻撃陣がちょっと物足りない。高橋周平や阿部寿樹がどれくらい活躍できるかが上昇のカギになるでしょうね。