今週末からJRAでは4週連続でのGIレース。春の足音とともに、クラシックレースの開幕も近づいてきました。それは地方競…

 今週末からJRAでは4週連続でのGIレース。春の足音とともに、クラシックレースの開幕も近づいてきました。それは地方競馬も同じで、園田・姫路競馬では4月15日の菊水賞から3歳三冠レースがスタート。これから盛り上がっていく地方競馬の3歳重賞ついて「ちょっと馬ニアックな世界」を覗いてみましょう。

◆幼さと高いポテンシャル

 いま園田・姫路競馬で注目度が急上昇中のサラコナン。昨年末に門別から移籍してきました。移籍初戦を勝った後、1月21日には笠松の重賞・ゴールドジュニアに遠征予定が中止。それを受けて、急遽翌週の地元3歳戦に出走すると、最後方からレースを運び、3コーナーでもなかなかエンジンがかからない様子だったのが、たった230mの直線で大外から末脚を伸ばし、差し切って勝ちました。

「つっよ!!!」

「このレースぶりで勝つん!?」

 と記者たちからも感嘆の声。

 幼さを残すレースぶりながら、相当なポテンシャルを感じさせるものでした。

 そして今月4日に行われた重賞・兵庫ユースカップ(昨年までは園田ユースカップとして施行)は、前走と打って変わって3番手で先行してのレースとなりました。

「今日は前で正攻法の競馬をしたかったのですが、思いの外いいポジションが取れました」と主戦の田中学騎手。

 しかし、最初のコーナーを回る時に前の馬が蹴り上げた砂を被り嫌がってしまい、逃げ馬との差をやや広げてしまいます。向正面後半で先頭との差を詰めますが、再び差を広げられたのは3コーナー。田中騎手がハミを取らせようとしたり、見せムチをするなどサラコナンに何とか走る気を起こさせると、ゴール前での一騎打ちを制して勝利しました。

「3カ所くらい課題とするシーンがありました。それでも、直線はしっかり伸びてくれることが分かっていたので、いけるかなと思っていました」

 もちろん、この先に見据えるのは一冠目・菊水賞。距離が1400mから1700mに延びますが、「距離は克服できると思います。気性がずるいというか賢いというか、という感じで、馬と一緒に成長していきたいです。今回のレースはかなりの自信になりました」

 田中騎手がそう話す傍らでホッとした表情を見せたのは、管理する新井隆太調教師。

「いつもドキドキします。今回も本当に(田中)学さんに助けられました。先々を見越して、学さんに移籍初戦から騎乗依頼しているんです」

 とても細かな話になるのですが、新井厩舎は園田競馬場に厩舎を構え、田中騎手は西脇トレセンに所属。一般的には、園田の厩舎には園田所属の騎手が乗ることが多くなります。それは調教に乗れることや、普段から交流が多いため、そういった傾向になるのでしょう。もちろん、トップジョッキーはこの限りではないのですが、新井厩舎に田中騎手が乗るのは珍しいパターン。厩舎には主戦騎手もいますから、起用については葛藤もあったでしょうが、それだけ期待も大きいのでしょう。

 幼さを残しながらも、かなりのポテンシャルを感じさせるサラコナン。2歳王者・ツムタイザンもそろそろ復帰の予定で、直接対決が楽しみです。

 (文=大恵陽子)