スポルト日本語版は、現在神奈川県栄区にあるエスペランサSCと言うチームで監督を務める元アルゼンチン代表ホルヘ・オルテガ(…
スポルト日本語版は、現在神奈川県栄区にあるエスペランサSCと言うチームで監督を務める元アルゼンチン代表ホルヘ・オルテガ(アリエル・オルテガ)への独占インタビューを実施。
前回のインタビューでは、自身の生い立ちやプロデビュー、アルゼンチン代表デビュー時を振り返ってくれたオルテガだったが、今回は日本での活動理由やエスペランサとというチームについて語ってくれた。
Q:日本に来た経緯を教えて下さい
まだ現役の時に日本のキリスト教会の牧師の方から日本の子供の自殺率について聞かされていたんだ。
何回も日本に来てくれと言われていたけどまだサッカー選手としてプレーしていたからなかなかいけなかったんだ。
そこから時間が経ってなかなかサッカーで上手くいかなくなった時に神様にお祈りして日本に行くべきなのか聞いてみたんだ。
答えはすぐ出たよ。そこから5年間日本の鳥取県にいた。
その後、一度2年間アルゼンチンに帰って、また2003年に来日したよ。その時は横浜の野七里でキリスト教の教会のところでチームをつくったんだ。それがエスペランサだね。
Q:子供の自殺率が多い日本へ実際に来てどう思いましたか?
日本に実際に来てみて、子供の自殺率が多いなんて嘘だと最初は思ったんだ。アルゼンチンより遥かに豊かで、なんでも揃っていたからね。
なんでこんな素晴らしい国で自殺する子供達がいるんだとずっと疑問だったけど、何年か滞在するとなんとなくわかってきたんだ。
子供達は家族とのコミュニュケーションが極端に少ない。例えばご飯を待っている時もずっとケータイをいじっているとか、会話が少なすぎるんだ。
アルゼンチンではありえない光景だよ。結果的に心を家族に開けずに相談できない、一人で抱え込む最悪な状態ができてしまい自殺につながっていると思ったんだ。他にも問題はあると思うんだけど一番の理由はそれだと思うんだ。
Q:エスペランサはどんなチームですか?
どんな問題にも立ち向かって100パーセントを出すこと。そして何があっても最後まで戦うと言うこと。これがエスペランサと言うチームだよ。
スペイン語なんだけど、エスペランサと言う言葉は希望という意味なんだ。
このサッカーチームを通して希望を持ってもらいたいと思っている。本当の家族みたいな場所を作っているし、長い時間、子供達と接しているからお父さんやお母さんには見えないような子供の不満や問題をみれているよ。もちろん厳しく挨拶や常識などは教えるし、叱る時だってあるし褒める時もある。
そういう当たり前の子供とのコミュニュケーションを最も大事にしている。サッカーを通してサッカーより大事な物をしっかり学んでもらうようにしてる。小さい頃から問題から逃げないことや挨拶を教えることで、子供達はしっかり成長していってくれている。
Q:一番最初に変えたことはなんですか
挨拶だね。冷たい挨拶は無しにしたんだ。頭を下げるのではなく、ハグや握手をさせるようにしたよ。スキンシップの中に愛情表現を入れることで子供達との絆もできるし、それだけでも子供は変わっていってくれるんだ。
Q:サッカーを通して子供達に伝えたいことはありますか?
サッカー選手である前に人間としてプロフェッショナルになるようにと実際に伝えているよ。
僕たちが教えているのは将来家族を持ったり大人になっていく子達だし、これからの日本を背負っていく未来なんだ。
エスペランサの子達にはどんな問題があっても逃げずに立ち向かって戦わせるようにしている。そうすればサッカー選手になれなくてもどんな仕事についてもやっていける。
Q:エスペランサ創設時のエピソードを教えてください
最初にこのグラウンドを見た時にいつかエスペランサのグラウンドになって緑の芝になると神様からお告げをもらったんだ。周りに行ったらまだ借りれもしてないのにと笑われたよ。
もちろん最初は借りれず教会の駐車場でサッカーを教えていたんだけど、当時は雑草やゴミで荒れ果てていてとてもサッカーをできるような状態ではなかった。自分でグラウンドを毎朝石とかをどかしたり子供達が怪我しないように働いてたんだ。そしたらそれを地主さんの知り合いが見ててくれて土地を買ってもいいと許可が出たんだ。神様の言うとうりここが自分のグラウンドになったし、今では人工芝でグラウンドもちゃんと緑になったよ。信じて頑張ることが大事だと改めて学んだよ。
今あるクラブハウスや選手達が着替えるところも全部手作りで作った。できるだけ自分たちでできることはやろうと決めてたよ。(写真挿入)
Q:トップチームを作った経緯についても教えて下さい
最初は少年サッカーだけでエスペランサSCを作ったんだ。
でも、スクールを運営していくうちにどんどんチームが強くなっていって子供達もプロになりたいと思うようになってきた。
そこで、プロと言う目標を子供達が明確にしやすいようにするために、エスペランサ内にトップチームを作ろうとなったのが発足だね。
Q:現在関東一部ですが今までの道のりを教えてください
最初は千葉県リーグでお父さん達や息子達、もちろん僕もプレーして勝ち上がっていった。徐々にレベルが上がるにつれて、選手達を補強し始めて関東一部まで来たね。
10年以上かかったけどJリーグに行く目標が目の前にやっときたし、今まで関わってくれたみんなにはすごく感謝してる。
Q:目標はJリーグに参戦することですか?
もちろんそうだけど今は目の前の試合に勝っていかないといけないね。まずはJFLに今シーズンで上がるのを目標にしているよ。
Q:今季関東一部リーグでかなりタフな戦いになると思いますが意気込みをください。
優勝してJFLに上がること以外意味がないと思っている。全力で昇格を目指して選手達と子供達の夢のためにも今季全力で勝ちに行く。
■経歴
Ortega Jorge Alberto
(オルテガ・ホルヘ・アルベルト)
アルゼンチン出身/1961年生まれ(60歳)
元アルゼンチン代表
16歳でプロデビューし、右MFとしてチーム内で3年連続得点王。
88年〜90年までアルゼンチン代表としてマラドーナらとプレーした。
引退後、日本の子供の自殺率に心を痛めて、サッカーを通じて子供達に夢を持ってもらうべく神奈川に移住。
そしてエスペランサSCを発足。