3月21日に開催された「RIZIN.27」。メインマッチは女子スーパーアトム級のタイトルマッチが行われ、王者・浜崎朱加が、挑戦者・浅倉カンナを判定2-1で下し、王座防衛を果たした。 ・今すぐ読みたい→【RIZIN】堀口と天心が再…

 3月21日に開催された「RIZIN.27」。メインマッチは女子スーパーアトム級のタイトルマッチが行われ、王者・浜崎朱加が、挑戦者・浅倉カンナを判定2-1で下し、王座防衛を果たした。

・今すぐ読みたい→
【RIZIN】堀口と天心が再びリング上で共演!堀口「勝てばいいが負ければ終わり」天心「あの日は堀口恭司に全てやられた」 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/kyojihoriguchi-tenshinnasukawa-play-together/



試合を観戦した元総合格闘家の大山峻護さんは、壮絶な打ち合いとなったこの一戦を高く評価。

「タイトルマッチにふさわしい緊張感があって、最後までどちらが勝つかわからない素晴らしい試合でした。浜崎選手は世界で戦ってきたというプライドがあるし、浅倉選手はこれからの『ジョシカク(女子格闘技)』を担っていく存在としてのプライド、お互い負けられないという覚悟が伝わってきました」

防衛を果たした浜崎選手について大山さんは、

「試合前の表情に全くノイズがなかったのが印象的でした。迷いがない、研ぎ澄まされたメンタルの状況を作ってきているんだなって、目を見たときにゾクッとしましたね。この試合、浜崎選手にとっては戦いにくい状況だったと思います。相手は自分よりはるか年下で、以前の対戦では浜崎選手が勝っているというのも、相手の方にアドバンテージがあったりしますからね。勝って当然と思われますし、一方の相手は何が何でもくってやる!という気持ちが強いですからね。しかも、『ジョシカク』の未来についてとやかく言う声も聞こえてきたかと思いますが、そういうノイズを乗り越え昇華して、研ぎ澄まされた状態でいたように感じました。世界で結果を出してきた選手のメンタルの強さを実感しましたね。38歳、まだまだ進化しているってすごいですよね。盤石の強さを持っていると思います。

一方、惜しくも敗れた浅倉選手に関しては、

「浅倉選手もものすごいプレッシャーがあったと思います。『ジョシカク』を担う若手として、RIZINを盛り上げていかないといけない、そのためには勝たないといけないという気持ちは強かったと思います。そんな中で、王者・浜崎選手に付け入るスキがあるとすれば、強すぎて最近はフルラウンド戦ってきていないというところ。一方の浅倉選手はフルラウンドを戦い抜いて勝ち星を重ねてきました。最後まで戦い抜くという精神力、体力って凄まじいです。浅倉選手としては、フルラウンドの殴り合いに持ち込んで勝つということを想定していたんじゃないですかね。ただ、浜崎選手のパンチの精度がより上がっていました。そのパンチでラッシュかけているので、普通の選手なら押し切られて終わっていたと思うんですが、浅倉選手はタックルでひっくり返しましたね。あれは本当にすごいです。追い込まれた状況からひっくり返すのは、技術はもちろんですが、培ってきた練習量と覚悟の賜物。技術を凌駕する心の強さですね。どんなテにクニックを持っていても、心の強さがないと土壇場で追い込まれた状態でひっくり返すことはできないですから」

大山峻護さん

『ジョシカク』不要論か、待望論か、大山さんの見解は?

「素晴らしいタイトルマッチだったと思います!女子格闘技の明るい未来を感じましたね。浅倉選手の伸び代はまだまだ無限大なので、世界の浅倉カンナになっていくんじゃないですかね。フルラウンド戦って勝ち切った浜崎選手の実力は世界レベルですし、まだまだ大きな壁であってほしいです。その大きな壁を越えていこうとする選手が増えるほど、『ジョシカク』は更に発展していくと思いますし、こういった試合を見てもらって、『ジョシカク』おもしろいなって思ってもらいたいです。二人の試合から、格闘技のおもしろさ、心が強くあることの強さ凄さを教えてもらいましたね」

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

・今すぐ読みたい→
【RIZIN】鬼のメンタル・堀口恭司「たとえ不安であっても、何事もプラスに捉える」 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/kyojihoriguchi-serialization-64/


大山峻護(おおやま・しゅんご)

5歳で柔道を始め、全日本学生体重別選手権準優勝、世界学生選手権出場、全日本実業団個人選手権優勝という実績を持つ。2001年、プロの総合格闘家としてデビュー。同年、PRIDEに、2004年にはK-1・HERO‘Sにも参戦。2012年ロードFC初代ミドル級王座獲得。現在は、企業や学校を訪問し、トレーニング指導や講演活動を行なっている。著書に「科学的に証明された心が強くなる ストレッチ」(アスコム)。ビジネスマンのメンタルタフネスを高めていくための本「ビジネスエリートがやっているファイトネス~体と心を一気に整える方法~」(あさ出版)を出版。