小芝風花インタビューフィギュアスケート 後編次世代の実力派俳優として注目を集める小芝風花さん。実は元フィギュアスケーターで、小学3年から中学2年まで競技に打ち込んでいたといいます。インタビュー後編は、小芝さんが好むスケートのタイプや、ホーム…

小芝風花インタビュー
フィギュアスケート 後編

次世代の実力派俳優として注目を集める小芝風花さん。実は元フィギュアスケーターで、小学3年から中学2年まで競技に打ち込んでいたといいます。インタビュー後編は、小芝さんが好むスケートのタイプや、ホームリンク閉鎖の危機、今の仕事に活かされたスケート経験について伺いました。



小・中学時代、フィギュアスケートに熱中していた小芝風花

ーー憧れのフィギュアスケーターはいましたか?

小芝風花(以下、小芝) 鈴木明子さんが大好きです! 表現力とダイナミックさがあって。スピードに乗ったままジャンプするところがすごく好きでした。当時は私もそういったジャンプが跳べるように意識していました。それに、豊かな表現力! 本当に好きです。

ーー今の選手で注目しているスケーターはいますか?

小芝 最近はスケートを見る機会が減ってしまっているのですが、坂本花織さんのジャンプがきれいだなと思って見ています。軸がきれいなんですよね。今の選手はみんなすごいです。私の現役時代はダブルアクセルやトリプルジャンプが数種類跳べたら全日本選手権へ進めたんですけど、今はトリプルを全種類跳べるのが当たり前だし、男子は4回転が当たり前になってきているじゃないですか。計算上では5回転までいけるらしいですね。怖い(笑)。



現役時代の鈴木明子さんに憧れていたという小芝さん

ーー元選手だと、細かいところまで目がいきますか?

小芝 私は回転不足なくきっちり跳びたいタイプだったので、演技を見ていて「あっ、今のちょっと(回転が)足りてないかも」とかは気になっちゃいますね。

ーー他にはどういうところを見ていますか?

小芝 好みのスケートがあって、ジャンプの質や姿勢、指先などを見ています。「この選手は、ジャンプは跳べるけど手の表現が苦手なのかな」とか、「すごく素敵だけどもう少しスピードがあればもっと素敵だろうな」とか。

ーー結構見る目が厳しいですね(笑)。

小芝 思い入れが強くて、解説はできないタイプですよね(笑)。スピードに乗ったまま跳んで、軸がしっかり取れていて、降りた後もしっかり流れるジャンプというような、丁寧なスケートができる選手にすごく憧れていました。

ーー最近は、スケートリンクに行くことはありますか?

小芝 今はほぼ滑れていないです。ごくごくたまにバラエティ番組などで滑るくらいでした。(通っていた)臨海スポーツセンターにも何年も行けていないです。当時お世話になった先生たちもいつもいるわけではないですし。指導を受けた平池(大人)先生は、この間テレビで見て「あ! 眉毛細くなってる!」って思いました(笑)。

ーー臨海スポーツセンターといえば、一時閉鎖の危機がありましたよね。

小芝 そうですね。フェスティバルで盛り上げようと頑張ったり、髙橋大輔選手が署名活動を手伝ってくださったりしてなんとか危機を脱することができました。当時はそれぞれ署名活動を頑張っていましたね。

ーーホームリンクがなくなることは、スケーターにとって一大事ですからね。

小芝 年中開いているリンクはそんなに多くなかったので、なくなるかもしれないと聞いたときは「やばい、どうしよう!」と思いました。どこで練習していいのかもわからないし、たまに練習していた(同じ大阪の)上野芝のリンクも冬期営業のみで。選手はもちろんですが、保護者の方たちが不安そうにしていたのが特に印象に残っています。

ーーフィギュアスケート経験が俳優の仕事につながっていると思うことはありますか?

小芝 集中力が養われたなと思っています。あと、負けず嫌いさ(笑)。ひとつのことに向かってコツコツ努力するところは選手時代から変わっていませんし、他の人より少しでも多く頑張ってやろうという気持ちの持ち方も活きています。あとは体幹をよく褒められます。アクション指導の方にも褒めていただくことがあるので、経験が活きているのかなと思うことはありますね。

ーー映画『魔女の宅急便』でも身体能力が発揮されていましたよね。

小芝 ありがとうございます! ほうきで飛ぶとき、ワイヤーでつられながらもほうきは自分で操作しなくてはいけなくて。そんな場面でも「普通こんなに振り上げたらブレちゃったりするけど、体幹がいいんだね!」と褒められました(笑)。その時はまだスケートを辞めて2年弱で筋肉も残っていたので、「こんなところで役に立つんだ」と思ったのを覚えています。スケートがテーマのドラマに出演したこともあって、経験がなければできない役でした。現役の頃の滑りとは全然違うので恥ずかしいのですが、「スケートを頑張っていたのはこの作品に出会うためだったのかも」と思えるような作品でした。それはすごく良かったです。

ーー最後に、小芝さんが思うフィギュアスケートの魅力を教えていただけますか?

小芝 フィギュアスケートは、そのスケーターの個性がすごく出るスポーツだと思います。スケーティングやジャンプ、スピン、ステップなど、選手によってまったく違います。なので、「この人の滑りが好きだな」とか、「かっこいいな!」と感じる推し選手がきっと見つかります。あとは優雅さ。白い氷の上で、素敵な衣装を着て表現をする。美しい世界観は、ルールや技の種類がよくわからなくても楽しむことができるんじゃないかなと思います。

【profile】
小芝風花 こしば・ふうか 
1997年4月16日、大阪府生まれ。小・中学時代はフィギュアスケートに打ち込み、アイスダンス種目では2011年の第15回全日本フィギュアスケートノービス選手権大会で優勝。11年、「ガールズオーディション2011」グランプリ受賞。14年には『魔女の宅急便』で映画初主演を果たし、第57回ブルーリボン賞新人賞を受賞。同年、春のセンバツ(第86回選抜高等学校野球大会)のイメージキャラクターに抜擢。21年のセンバツでは、大会公式サイト「センバツLIVE!」で出場校紹介動画ナレーションを担当している。現在、主演ドラマ『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』(テレビ朝日系)が毎週土曜23時〜放送中。また、自身初の朗読劇、「坂元裕二朗読劇2021『忘れえぬ 忘れえぬ』『初恋』『不倫』」が4月22日、同30日〜5月2日、東京と大阪で上演される。