Jリーグと日本野球機構(NPB)は8日、「第27回 新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施した。 Jリーグは開幕を迎え、プロ野球は開幕に向けてオープン戦を行なっている状況の中、Jリーグではガンバ大阪に感染者が出たことで、2試合の中止がすで…

Jリーグと日本野球機構(NPB)は8日、「第27回 新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施した。

Jリーグは開幕を迎え、プロ野球は開幕に向けてオープン戦を行なっている状況の中、Jリーグではガンバ大阪に感染者が出たことで、2試合の中止がすでに決定している。

村井満チェアマンはこの件について「Jリーグは開幕をしておりますが、選手末とウィークデーを含めてガンバ大阪での陽性者判定、試合の中止を決断しました」と語り、「今回は様々なご助言をいただきました」と会議でも議題に挙がったことを報告した。

また「これまでの定期検査、健康管理、濃厚接触の範囲に関しては保健所の指導、そしてJリーグ独自の基準で行ってきた」と選手たちの状態について把握してきたことを報告。「試合開催に向けて刻々と事実判明していくプロセスの間で、より安全性の高い判断をどうするか」と、今回の事例において、どう判断を行っていくかが議論されたとした。

今回のケースの場合、ガンバ大阪の選手に陽性者がいることが判明したのは試合当日の午後だった。ナイトゲームの開催に向けて時間がない中で最終的には中止が決定されたが、このような状況でも安全に試合を行う方法を考える必要があるとされている。

村井チェアマンは「試合会場の開始前(オンサイト)の検査であったり、感染ルートを見るにあたって、ゲノム解析を行う、同じ感染でもルートが様々ある」とコメント。試合直前にも検査を行い、安全確認をして開催する可能性を考えていくことを語り、「早いものから今シーズンしっかり生かしていきたいと思う」と早急に導入に動きたい意向を示した。

専門家チームの三鴨廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)は「感度よりも頻度」というフレーズを用い「1週間に1回やるより、抗原定性検査を3日に1回やったほうがより感染を防げるのでは?という議論もある」とコメント。これから、どのような方法を取っていくのが最適かを話し合っていくとした。

その一方で懸念点もあり、舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)は「相手チームに陽性がいるという不安があると、最高のパフォーマンスを発揮できない可能性もある」とし、いかに選手たちの不安を取り除けるかが重要になるとコメント。「選手に安心・安全を与えられる検査をする必要がある」と、試合を行っても感染リスクがないことを示さなければいけないとした。

なお、今回のガンバ大阪の件は5名の感染者が出たことでクラスターに認定されている。しかし、チームは昨シーズンのサガン鳥栖や柏レイソルのように活動停止に至っていない。

村井チェアマンはこの件について「累計で5名の陽性者が出たので、概念としてはクラスターに認定されている」とクラスターであることを認めながらも「クラブから保健所に活動範囲について確認している」とし、「5名でクラスターとなったからといって、全ての活動を停止するということではない」と、「クラスター認定=クラブの活動停止」ではないことを語った。

また、専門家チームの座長を務める賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部・感染症学教室特任教授)も「ガンバの件に関しては、今後感染の疫学の専門の先生と大阪の専門家の先生が合同で現地で保健所の方と協力して事例をしっかりと解析していくことになっている」と、詳しい調査をスタートしていくとコメント。「5名が陽性となったが、本当に同じウイルスなのかということを解析する必要がある。遺伝子レベルのゲノム解析も必要」とし遺伝子解析が必要になるとコメント。「チームの中の行動で移ったのか、他のところで移って持ち込んだのかということがよりわかってくる」と、チームとしての活動中に感染が広がったのかどうかを調査する必要があると語った。