同郷・同高校出身対決は激闘の末後輩のテイタムに軍配 アメリカ時間2月28日に行われたボストン・セルティックスとワシント…

同郷・同高校出身対決は激闘の末後輩のテイタムに軍配
アメリカ時間2月28日に行われたボストン・セルティックスとワシントン・ウィザーズの一戦は、第4Q残り46秒にブラッドリー・ビールが軽やかにレイアップを決めた時点でウィザーズが110-105とリードを奪っていた。ビールの活躍はこの日も光を放っており、ウィザーズがこのまま押し切りそうな展開だったが、セルティックスが厳しいディフェンスとジェイソン・テイタムの3連続レイアップで残る時間帯に6-0のラン。終わってみれば111-110でセルティックスがこの試合をモノにしていた。テイタムは残り1分33秒のフォールアウェイ・ジャンパーを含めると4連続ゴールでこの試合を締めくくる、殊勲の活躍だった。
最終局面は、テイタム対ビールのマッチアップがあらゆる意味でカギだった。両者はともにチームのエースであり、オールスターのスターターにも選ばれている。それだけでなく二人は同じミズーリ州セントルイス出身で、シャミネードカレッジ・プレパラトリー・スクールというカトリック系の中高一貫校を出た先輩と後輩同士という間柄。この日は5歳年下で3月3日で23歳になるテイタムが31得点(FG12/22、3P 3/10、FT4/4)、8リバウンド、3アシスト、3スティールに対し、先輩で現在27歳のビールが46得点(FG16/29、3P 3/6、FT11/12)と、どちらも個人的なスタッツでは素晴らしかったが、終盤は二人の意地がぶつかり合う激しい展開となった。
勝負を分けたのは110-109でウィザーズがリードしていた残り15秒に、テイタムが難しいレイアップを沈めた後のインバウンドプレー。ベースライン際でボールを受けたビールはファウルを誘うためにしっかりボールを保持してピヴォットしていたが、そこにテイタムとジャボンテ・グリーンがトラップを仕掛けた際、ビールが足を滑らせベースラインを越えてしまった。
ボールはセルティックスへ。ベースラインからインバウンド・パスを入れたテイタムはコートに入って左ウイングでボールを受けなおす。マッチアップはビール。テイタムはベースライン側に鋭いスピンムーブでアタックし、空中でダブルパンプを使ってビールと八村 塁を――そう、八村を!!――きわどくかわしてこれも難しいレイアップを流し込んだのだ。
タイムアウト明けの残り4.7秒、サイドラインでのインバウンドプレーでボールを受けたのはやはりビール。マッチアップは攻守を入れ替えて後輩のテイタムが当たっていた。ビールは右コーナーでボールを受けたがテイタムがゴールとの間に立ちはだかり、さらにはシェミ・オジェイもクローズアウトしてきてダブルチームに合ってしまう。それでも何とかリリースしたスリーは惜しくもゴールにはじかれ、勝負がついた。
オールスターでは同じチームになりたい(テイタム)
何もこの試合で復調しなくても…笑(ビール)
試合後の会見では、近しい関係にある二人がお互いに関しての素直な思いを明かすコメントが聞かれた。勝利を手にしたテイタムは安堵の表情を浮かべながら、ビールとマッチアップした最後の流れを以下のように解説した。「ボールは彼(ビール)に行くだろうから、僕がつきたいと思っていました。それであのとおりうまくヘルプも来てくれてトラップを仕掛けられました。彼はNBAの得点王ですからね。しかも最近はバリバリ活躍していましたし」。

一方のビールはさすがに元気がなく、悔しさをにじませる辛辣な表現も使って最後のシーンを説明していたが、テイタムに関する話題をふられると少し落ち着きを取り戻した様子で話し始めた。以下のような内容だ。
「彼は特別なタレントです。皆さんがご存じのように僕らはお互いに張りあい、応援しあっていますが、オールスターに選ばれるだけのことはありますね。特別なタレントです」。さらにビールは近しいからこその表現で弟分の活躍を祝福していた。「僕らとの試合で活躍というのはムカつきますね、ここ2-3試合は不調続きだったのに…。でも僕とやるときにはいつも力を入れてくるので。その意味では、この活躍でちょっとしたスランプを乗り越えられたことをファンとしてうれしく思います。でも、何も僕らのときでなくてもいいのに」。この流れでのビールは柔和な表情を浮かべていた。

上記の和訳内容に関して二人がそれぞれに発した英語表現の流れは以下のようなものだった。
☆ジェイソン・テイタム
“We knew the ball was going to him and I wanted to guard him. And you know we did a great job of helping, you know getting that trap. I mean he’s the leading score of the NBA. He’s been you know on a tear lately so….”
☆ブラッドリー・ビール
“He’s a special talent. Everybody knows our relationship, you know everybody knows we compete, you know, we pull for each other so…, he’s an All-Star for a reason. You know he’s a special talent and I’m pissed off he actually had to get going against us tonight. He’s struggling a few times coming into the game tonight but you know he always picks up his energy when he plays me so in that regard, I was happy for him you know from just a fan aspect of him being able to get himself going and get out of his little slump or whatever. But I did hate it was against us.”
テイタムはビールとともにスターターに選ばれているオールスターについて、できれば同じチームになりたいという思いも言葉にしていた。ビールは会見の冒頭で必ず神に対する賛美を表すのだが、非常に悔しい敗北を喫したこの日もそれは変わらない。二人の姿勢から、最高峰の舞台における友情とプロフェッショナリズムが伝わり、オールスターと次のマッチアップが楽しみになる会見だった。
文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)