明白だった実力差、米メディア「アンダードッグを叩きのめす」 ボクシングのWBC&WBAスーパー世界スーパーミドル級タイトルマッチは27日(日本時間28日)、米フロリダ州のハードロックスタジアムで、パウンド・フォー・パウンド(PFP)最強のカ…

明白だった実力差、米メディア「アンダードッグを叩きのめす」

 ボクシングのWBC&WBAスーパー世界スーパーミドル級タイトルマッチは27日(日本時間28日)、米フロリダ州のハードロックスタジアムで、パウンド・フォー・パウンド(PFP)最強のカネロこと、サウル・アルバレス(メキシコ)が同級2位の指名挑戦者アヴニ・ユルドゥルム(トルコ)に3回終了TKO勝ち。WBAは2度目、WBCは初防衛に成功した。あまりに一方的な内容に、米メディアからはミスマッチを指摘する声が上がっている。

 実力差は明白だった。序盤から的確にパンチを当て優位に進めるカネロ。会場に集まった観衆を一気にヒートアップさせたのは3ラウンドだ。リング中央でワンツーを叩き込みダウンを奪った。ユルドゥルムはガードを上げていたが、その隙間からねじ込むように当てた右ストレート。何とか立ち上がったユルドゥルムは、驚いたような表情を浮かべている。

 このラウンド、ユルドゥルムは耐えきったが、戦意を喪失したのか4回のゴングを聞く前に棄権。カネロが貫録を見せつけ、ベルトを守った。

 ユルドゥルムは指名挑戦者とはいえ、2019年2月からブランクのあった世界的には無名な選手。戦前からカネロが圧倒的有利と見られていた。米スポーツ専門局「FOXスポーツ」は「カネロが(力の差が)際立つ世界タイトル防衛戦で、アンダードッグを叩きのめす」との見出しでレポートしている。

 まず両者の力の差を示すように、「彼(ユルドゥルム)は1回に、29発のパンチを打ち、そのうち1発しか着弾できなかった。対するカネロは16発を着弾」とデータを紹介。「そしてカネロのアッパーカットと残酷なボディショットに対して、全く対応できなかった。彼のコーナーはカネロを『コンフォートゾーンから追い出し』、積極的に攻撃すると約束していたが、それは真実から程遠かった」と厳しい視線を送っている。

セコンドの檄にも応えられず「試合に戻る気を全く見せず…」

 ユルドゥルムはカネロの前に何もできなかった。3回にダウンした後、なんとか終了のゴングを聞きコーナーに帰還。記事では「彼(ユルドゥルム)は3回のダウンを笑い飛ばしたが、椅子に座った時には、(試合が終わるのも)時間の問題のように見えた」と伝え、実際にコーナーでの陣営とのやり取りをこう伝えている。

「ユルドゥルムのコーナーは『もう1回やる! 何かやってみろ』と言った。『お前の世話をするためにここにいる。もしダメなら止めてやる』」「しかし彼(ユルドゥルム)は試合に戻る気を全く見せず、コーナーが試合を終わらせた。これで戦歴は21勝3敗となった」

 セコンドからの檄に応えることなく、ユルドゥルムは棄権を選択したようだ。

 米スポーツ専門局「ESPN」などに寄稿するダン・ラファエル記者も自身のツイッターで「指名制度の最悪な典型。ユルドゥルムが少なくとも頑張っていたのならいいが、彼は何もしなかった」と厳しく指摘している。(THE ANSWER編集部)