今季終了後にレンジャーズとの6年契約が満了し、フリーエージェント(FA)となるダルビッシュ有投手。好成績を残せば大型契約を勝ち取ることは確実なだけに、トミー・ジョン手術からの復帰2年目を迎える右腕への注目はシーズン開幕前から高まっている。米…

今季終了後にレンジャーズとの6年契約が満了し、フリーエージェント(FA)となるダルビッシュ有投手。好成績を残せば大型契約を勝ち取ることは確実なだけに、トミー・ジョン手術からの復帰2年目を迎える右腕への注目はシーズン開幕前から高まっている。米スポーツ専門局ESPN(電子版)では、「2017年に最も重圧がかかるのは誰だ?」と題した特集記事を掲載。17組を挙げており、その中で日本人右腕の名前が登場する。

■「2017年に最も重圧がかかるのは」、米メディアの特集に名前が登場

 今季終了後にレンジャーズとの6年契約が満了し、フリーエージェント(FA)となるダルビッシュ有投手。好成績を残せば大型契約を勝ち取ることは確実なだけに、トミー・ジョン手術からの復帰2年目を迎える右腕への注目はシーズン開幕前から高まっている。米スポーツ専門局ESPN(電子版)では、「2017年に最も重圧がかかるのは誰だ?」と題した特集記事を掲載。17組を挙げており、その中で日本人右腕の名前が登場する。

 ダルビッシュは昨季、5月に復帰して17試合に先発し、7勝5敗、防御率3.41。右肩違和感での一時離脱はあったが、復帰初年度としては上々の数字を残した。2015年は全休となったが、5年間で通算100試合に登板し、46勝30敗、防御率3.29の成績をマークしている。

 そんな日本人右腕について、特集記事の寸評では「2012年シーズン前に結んだ契約は最終年を迎え、2015年にトミー・ジョン手術を受けてから初のフルシーズンとなる今季活躍すれば、ダルビッシュはFAとして大金を得ることになるだろう」と指摘。今シーズンの投球が今後の野球人生を左右することになりそうだ。

 ダルビッシュは2012年に日本ハムからポスティングシステム(入札制度)でレンジャーズに加入。当時は落札額に上限がなく、最高額を入札した球団に独占交渉権が与えられていた。そのため、落札額は約5170万ドル(現在のレートで約58億6000万円)と史上最高額を記録したが、逆に年俸は6年総額5600万ドル(約63億5000万円)と抑えられた。年平均933万ドル(約10億6000万円)という基本年俸は、メジャーのエース級の投手としてはかなりリーズナブルだ。

■活躍すればメジャートップクラスの年俸に? 世界一へ向けて「著しい活躍が必要」

 しかし、新たな契約では、ダルビッシュは現在のメジャートップクラスのスターターが手にしている年平均3000万ドル(約34億円)規模の契約を手にする可能性があるとされている。地元紙「ダラス・モーニング・ニュース」でレンジャーズ番を務めるエバン・グラント記者は、ダルビッシュの引き留めに必要な資金として「6年、総額2億ドル(約227億円)近く」と予測。球団公式サイトも、現在のメジャーのスーパーエース級の投手が年平均3000万ドルの大型契約を結んでいることから、「ダルビッシュがシーズンで成功を収めれば、市場でこのくらいの額を手にする可能性がある」とレポートしていた。

 もちろん、まずは今シーズン、レンジャーズを初の世界一に導くことが最大の目標になる。ESPNの記事でも「ローテーション後半に不安のあるレンジャーズとしては、ダルビッシュとハメルズの2人による著しい活躍が必要となってくる」と指摘。昨季のポストシーズンで炎上したダルビッシュ、左腕コール・ハメルズの「2枚看板」がフル稼働しなければ、チームの躍進もないとの見方だ。

 ダルビッシュの他には、昨季は不振だったデビッド・プライス投手(レッドソックス)、ブライス・ハーパー外野手(ナショナルズ)や、ブレークの翌シーズンとなるゲイリー・サンチェス捕手(ヤンキース)、同じように来オフにFAとなるジェイク・アリエッタ投手(カブス)らの名前が並んだ。

 サイ・ヤング賞に絡むような投球でレンジャーズを牽引し、オフには超大型契約を結ぶ―。ダルビッシュは「重圧」の中で、最高のシーズンを送れるだろうか。