「継続性」を保ちつつ、マンツーマンディフェンスに取り組む 26日に2021シーズンのJリーグ開幕を控え、「DAZN」のパ…

「継続性」を保ちつつ、マンツーマンディフェンスに取り組む

 26日に2021シーズンのJリーグ開幕を控え、「DAZN」のパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」はJ1クラブのチーム戦力を総力特集。2020シーズンを12位で終え、さらなる高みを目指す北海道コンサドーレ札幌は、小野伸二選手が約1年半ぶりに復帰。9年ぶりにホームで迎える開幕戦は、三浦知良選手や中村俊輔選手らを擁する横浜FCを迎え撃つ。今季のヒーロー候補を通して、チームの注目ポイントを紹介する。(文=斉藤宏則)

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 いよいよ幕を開ける2021シーズン。北海道コンサドーレ札幌にとっては、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任して4シーズン目となるが、同監督は札幌就任初年度にいきなりチームをクラブ史上最高の4位に引き上げるなど、間違いなく札幌というチームを新たなステージへと導いている最中だ。

 今季は4チームがJ2に降格するレギュレーションとなっているが、「我々はもう、下を争うチームではないと思っている」と話しており、“エレベータークラブ”とも揶揄された過去の印象もかなり取り除かれたように感じる。指揮官はオーストリア帰国中に左大腿骨を骨折し手術を受けたことで来日が遅れるという心配なニュースもあったが、すでにチームに合流し例年通り開幕戦から熱くチームを指揮してくれそうだ。

 そうしたなかで今季の戦いをイメージしていきたいのだが、やはりまずは「継続性」というところがカギとなる。ここ数年の札幌は常に前年のチームをベースに編成作業を行ってきた。もちろん要所に補強は施すが、複数人の主軸がガラリと入れ替わることはない。戦術的にもペトロヴィッチ監督就任後は、球際での戦いやボール保持を意識した攻撃的なスタイルを継続。もっと言えば、ペトロヴィッチ監督の就任初年度のチームも、前任の四方田修平監督(現アシスタントコーチ)が構築したベースを生かしながら好成績を収めていた。そして今季も当然、昨季までのチームを土台に新たな戦いに挑むことになる。

 焦点となるのは戦術面だ。札幌は昨季途中からオールコートでマンツーマンディフェンスを行う戦術を取り入れている。「よりエキサイティングな試合を見せるため」(ペトロヴィッチ監督)であると同時にマンマークでの守備をすることで、位置的優位を生かすポジショナルなスタイルを取るチームと対峙しても、その長所を奪うことができる。今季もその戦術をより洗練させて継続することが想定されるが、そこで新戦力のなかからキーパーソンとして期待されるのが、ザスパクサツ群馬から加入したDF岡村大八とFC東京から加入したDF柳貴博だ。

アグレッシブな戦術を実現させるための肝は「対人守備」

 マンツーマンディフェンスの肝は、言うまでもなく文字通り直訳した「対人守備」だ。それぞれの選手がマークする相手を明確にし、責任を持ってその選手を封じることが求められる。今季から新たにそうした戦いをするにあたり、「自分の特徴は一対一での守備力」と岡村が言えば、「一対一のところでは絶対に負けない自信を持ってやっている」と柳も語る。

 この戦術では自陣ゴール前で相手と同人数での対応が求められる場面も出てくるし、誰かが相手の突破を許してしまえば、たちどころにピンチになるリスクも秘めている。対人プレーに自信を持つ彼らの加入は間違いなく戦術を強化してくれることだろう。

 昨季は現体制ワーストとなる58失点を喫してしまったが、彼らの加入により、その減少が見込めそうである。岡村は昨季のJ2で全42試合にフルタイム出場というタフガイ。柳は一昨季のモンテディオ山形、昨季のベガルタ仙台といった期限付き移籍先では左右のウイングでもプレーしており、最終ラインだけでなく両サイドの戦力アップも果たしてくれるはず。新天地での躍動が楽しみな2選手だと言える。

 チーム全体に話題を戻すと、昨年は上位進出を目論んでシーズンがスタートしたものの、最終的には12位に終わってしまった。そのため当然のことながら今季は、リベンジへの意欲はものすごく強まっているはずだ。前述したようにペトロヴィッチ監督就任1年目にリーグ4位。翌年はJリーグYBCルヴァンカップ準優勝と続けてクラブの歴史を塗り替えてきただけに、昨季も意欲は高かった。

 しかし、新戦術浸透に時間をかけたこともあって順位は振るわなかったが、戦術が着実に形となった終盤戦は成績が上向いていた。秋口には優勝した川崎フロンターレにアウェーで2-0と完勝するに至ったのである。今季も間違いなく、どの選手もタイトルあるいはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得を貪欲に追い求めていくはず。マンツーマンディフェンスというアグレッシブな戦術を武器に、この2021シーズンは札幌が日本サッカー界を北から熱くしていくかもしれない。(斉藤宏則・Hironori Saito)