3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシックで世界一奪還を目指す侍ジャパン日本代表27選手が24日に発表された。抑えは実績十分で滑りやすいWBC公式球に慣れた上原、田沢らが有力候補に挙がっていたが、可能性は消滅。国内組の中でやりくりするこ…

3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシックで世界一奪還を目指す侍ジャパン日本代表27選手が24日に発表された。抑えは実績十分で滑りやすいWBC公式球に慣れた上原、田沢らが有力候補に挙がっていたが、可能性は消滅。国内組の中でやりくりすることになった。

■小久保監督は日替わり起用を示唆「状態がいい選手を使う方向」

 3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシックで世界一奪還を目指す侍ジャパン日本代表27選手が24日に発表された。

 日本人メジャーリーガーはアストロズ・青木宣親外野手のみ。ヤンキース・田中将大、レンジャーズ・ダルビッシュ有、カブス・上原浩治、マーリンズ・田沢純一ら、メジャー投手陣の招集は見送られた。抑えは実績十分で滑りやすいWBC公式球に慣れた上原、田沢らが有力候補に挙がっていたが、可能性は消滅。国内組の中でやりくりすることになった。

 会見に臨んだ小久保監督は、気になる守護神問題について「経験でいくと平野(佳寿)と松井(裕樹)ということになると思うんですけど、その時の状態がいい投手を使うという方向でいくと思います」と話し、日替わり、もしくは大会期間中に状態のいい選手を守護神として固定する“2009年方式”を示唆した。その中で守護神として抜擢される可能性があるのは誰かーー。

 まず、監督に経験を認められているのが、楽天・松井裕樹投手だ。抑え2年目の昨季は2年連続大台超えとなる30セーブをマーク。縦の大きなスライダーを武器に62回1/3で75三振を奪うなど決め球のキレ味は十分。それでも昨年の世界野球プレミア12では2点リードの9回無死満塁という厳しい状況から救援し、押し出し四球を献上した。まだ若い左腕には酷な場面だったとはいえ、プレミア12では4試合救援で1勝1セーブ、防御率6.00。今大会直前の実戦でいかに不安を払拭するかが鍵となりそうだ。

 滑り込みで代表入りしたオリックスの平野佳寿投手も実績を買われている1人。14年に40セーブを挙げてセーブ王に輝くと、昨季はチーム戦績が伸びない中で4勝4敗30セーブ、防御率1.92と安定した投球を見せた。通算127セーブは代表最多を誇り、経験と実績を考え合わせても、守護神抜擢の可能性は高い。

■経験ならば松井、平野…2009年のダルビッシュのような“ウルトラC”も!?

 日本ハムの増井浩俊投手も有力候補だ。昨季チームでは不振のため抑えから先発転向し、10勝10セーブをマーク。今季は抑えへの再転向を直訴し、オフから調整を進めている。プレミア12では4試合救援で防御率6.75。昨年11月11日のメキシコとの強化試合では2番手として3回2安打1失点と、第2先発としての能力もある。先発、中継ぎ、抑えと一人三役をこなせる万能型投手で、侍ジャパンの秘密兵器となりうる存在だ。

 ヤクルト秋吉亮投手は昨季途中のオンドルセクの退団を受け、19セーブをマーク。救援失敗は2度だけと安定した投球を披露した。昨年11月11日のメキシコ戦では9回から1回1安打無失点。13日のオランダ戦でも同点の9回から救援し、1イニング1安打無失点と滑りやすいWBC公式球にも対応している。

 また、西武のサブマリン牧田和久投手は13年の第3回大会で抑えを任され、3試合1勝1セーブ、防御率0.00。日米野球2014など国際試合の経験も十分だ。昨季は中継ぎで25ホールド。世界的に希少な下手投げは、相手にとって嫌な存在に違いない。

 そして、抑えの“ジョーカー”となりそうなのが大谷翔平だ。日本最速165キロの豪速球、フォーク、スライダーは切れ味十分。09年の第2回大会では球団OBで共に自主トレを行ったダルビッシュが抑えにまわり、胴上げ投手となったのが記憶に新しい。3月7日のキューバとの開幕戦先発が有力視されているが、昨年の春季キャンプでは権藤投手コーチが守護神候補に挙げていた。もし実現すれば、これ以上ない“ウルトラC”となりそうだ。

 3月7日から始まるWBCに照準を合わせ、しっかり状態を上げて来られるのは誰か? 侍ジャパンのクローザーに注目だ。