気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。2017年1月24日付●「日本の貿易不公平」トラン…
気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2017年1月24日付
●「日本の貿易不公平」トランプ大統領、脱TPP大統領令へ(読売・1面)
●MRJ5度目の延期、三菱重社長「勉強不足」納入20年半ば、開発費3割増(読売・10面)
●ペンス副大統領就任、トヨタ社長「心強い」(読売・11面)
●万一の事故録画機能アップ、長時間、小型化、高画質(読売・15面)
●スマホ発火バッテリーに欠陥、サムスン発表(朝日・8面)
●東芝融資主力銀行が継続(産経・11面)
●春闘トランプ氏の影,車業界警戒、労使に温度差(東京・1面)
●自動車株、軒並み下落、トランプ大統領に警戒感(東京・7面)
●自動運転自由に公道実験、特区活用まず羽田空港周辺(日経・5面)
●トヨタ株を追加取得、住友鉱山、電池の供給増狙う(日経・11面)
●主力3モデルの営業利益率、ホンダ「7%台に回復」車台共有化で採算改善(日経・15面)
ひとくちコメント
連日、トランプ米大統領の一挙手一投足に振り回されているが、メキシコに新工場を計画しているトヨタ自動車ばかりではなく、ついに、日本との自動車貿易に批判の矛先を向けてきた。
トランプ氏が米の主要企業の経営者らと会談し、大胆な規制緩和や減税策を進める方針を表明する一方で、日本との自動車貿易を「不公平だ」と名指しで批判。貿易赤字の解消に向けて協議する姿勢を示したという。きょうの産経が1面トップ、日経など各紙も「日米の車貿易『不公平』、赤字解消へ協議」などと大きく取り上げている。
それによると、トランプ氏は会合で「日本は、米国が日本国内で車を売ることを不可能にしている」と主張。一方で「日本は見たこともないような大きな船で、何十万台もの車を米国に運んで売っている。これは公平ではない」と述べたそうだ。
説明するまでもないが、日本でアメ車を売るにしても輸入関税はゼロ。だが、日本車を米国へ輸出して販売するには2.5%かかる。むしろ不公平なのは米国の方で、米側に不利になるような制度は設けていない。あえていえば、燃費などの日本の環境規制ぐらいだろう。
何を指して不公平なのかと問いたいたいところだが,日本でアメ車が売れないのは道路事情やユーザーに好まれるような車種が見当たらないからである。トランプ氏と企業経営者の会合には、日本市場から撤退したばかりのあのフォードモーターのCEOも出席していたそうだ。
そんな中、トランプ大統領はホワイトハウスで環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱に関する大統領令に署名したとのニュースも流れている。日米など12カ国が2016年2月に署名したTPPは米の参加が前提で、発効の見通しがたたなくなる。
「米国第一」を標榜するトランプ大統領の就任後、「離脱」は予想されていたとはいえ、TPPの実現にとりわけ熱心な安倍首相は早くも苦しい対応を迫られることになった。
MRJ 《撮影 石田真一》