ヤンキース田中将大投手が23日に自身のツイッターで、3月に開催されるWBCへの不参加を報告したが、これを受けて地元紙「ニューヨーク・ポスト」電子版は「ヤンキースは喜ぶべき」と“エース”を称えている。■田中が言う「色々な状況」の代表例を3つ挙…

ヤンキース田中将大投手が23日に自身のツイッターで、3月に開催されるWBCへの不参加を報告したが、これを受けて地元紙「ニューヨーク・ポスト」電子版は「ヤンキースは喜ぶべき」と“エース”を称えている。

■田中が言う「色々な状況」の代表例を3つ挙げる

 ヤンキース田中将大投手が23日に自身のツイッターで、3月に開催されるWBCへの不参加を報告したが、これを受けて地元紙「ニューヨーク・ポスト」電子版は「ヤンキースは喜ぶべき」と“エース”を称えている。

 今季ヤンキースの先発ローテーションの軸となる田中が、WBCへの不参加を正式表明したことは、ニューヨークの街にとって朗報となったようだ。「ヤンキースはタナカの警戒心を喜ぶべき」と題した記事では、「タナカが当然の決断を正式発表した」とリポートした。

 記事では、田中が「色々な状況を踏まえて」と綴ったことに注目。「色々な状況」の代表例3つを挙げている。1つ目は、参加した場合に発生する移動距離の長さだ。日本はWBCで1次リーグ、2次リーグともに東京が舞台となる。初戦は3月7日のキューバ戦だが、WBC出場となった場合、田中は一度2月中旬にフロリダ州タンパでヤンキースのスプリングトレーニングに参加し、1か月も経たずに日本へとんぼ返りしなくてはならない。この移動スケジュールが日本人メジャーリーガーにとっては「トリッキーだ」としている。

■細心の注意を払ってきた右ひじ靱帯

 2つ目は、田中の右ひじ靱帯だ。メジャー移籍1年目の2014年に部分断裂が発見されて以来、田中と「ヤンキースは右ひじを細心の注意を払ってきた」。だが、開幕前にWBCのような熱戦で投げることは「細心の注意から逸脱する」とし、これまでの流れに配慮すれば不参加が妥当だとした。

 最後に、今年が田中にとってフリーエージェント(FA)直前の年になる可能性があることを指摘。今季終了後に契約をオプトアウト(破棄)する権利を持っているため、今季の成績は自分の未来を大きく左右するものとなりかねない。そこはやはり好成績を残すことに集中するべきだと考えるのが一般的だろう。

 球団関係者や地元メディア、ファンの間では、田中がWBCに出ないことは“当然”と認識されていたようだが、ようやく正式発表されたことで「(決断が)心地よく耳に響くだろう」とホッと胸をなで下ろす形になった。今季に集中する環境を整えた田中が、どんなパフォーマンスを披露してくれるのか、ニューヨークのファンはもちろん日本のファンも楽しみにしている。