3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、韓国、オランダ、イスラエルとともに1次ラウンドA組(韓国)…

3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、韓国、オランダ、イスラエルとともに1次ラウンドA組(韓国)に入った台湾代表。前回大会(2013年)では2次ラウンド進出を果たしたが、今大会は選手の招集に苦しんでいる様子だ。

■前回大会では1次R突破、チェン&王建民は不在の見込みで「障害を抱えている」も…

 3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、韓国、オランダ、イスラエルとともに1次ラウンドA組(韓国)に入った台湾代表。前回大会(2013年)では2次ラウンド進出を果たしたが、今大会は選手の招集に苦しんでいる様子だ。MLB公式サイトも「いくつかの大きな障害を抱えている」と分析。それでも、自力はあるだけに、「13年の成功を再現するだろう」と予想している。

 元ヤンキースの王建民投手がエースに君臨した2013年の台湾代表は、母国開催の1次ラウンドでオランダ、オーストラリアに勝利した。韓国には敗れたものの、2勝1敗の三つ巴で当該チーム同士の対戦における得失点率で1位となり、オランダとともに2次ラウンドに進出。第2回大会(2009年)準優勝の韓国を敗退に追いやった。2次ラウンドでは日本と延長10回の死闘を演じたが、3-4で敗戦。キューバにも0-14で完敗し、準決勝進出はならなかった。

 MLB公式サイトは「チャイニーズ・タイペイは13年の成功を再現するだろう」と前向きなタイトルで記事を掲載。しかし、展望の中では「韓国での試合前に、同国はいくつかの大きな障害を抱えている」として「エースや将来有望なスラッガーが不在である。チャイニーズ・タイペイが2次ラウンドに進出するには、チーム一丸となる必要がある」と分析している。

「いくつかの大きな障害」とは何か。まず、マーリンズの陳偉殷(チェン・ウェイン)投手、元ヤンキースの王建民(ワン・チェンミン)投手は参加しない見込みだという。元中日の左腕チェンは昨夏に左肘を負傷しており、9月にロイヤルズから自由契約となった36歳の右腕・王建民は、今季もメジャーでプレーするために自身のトレーニングに集中することになりそう。大黒柱となるべき2人の不在は大きな痛手だ。

■「イスラエル、オランダ、韓国に対し、2勝を収めることはできる」

 さらに、記事によると、「台湾にある中華職業棒球大聯盟はワールドベースボールクラシック参加を拒否。代表チームへのサポートを否定した」という。「幸運にも、同連盟所属の4球団中3チームは選手がWBCに参加することを許可している。しかし、Lamigoモンキーズは連盟と同様の措置を講じた」とも言及しており、何人かの強打者も参加しない可能性が高いとしている。また、日本ハムから巨人にFA移籍した陽岱鋼外野手の出場も微妙な状況だ。

 ただ、前回大会で日本を苦しめるなど、野球熱の高い台湾の自力は確か。MLB公式サイトは「野球に関して立派な歴史を築いている。WBSCでは現在ランキング4位であり、多くの人が考えるよりも巨大な力を持っている」と指摘。有力選手が出場できなくても、穴を埋める実力者が出てくると見ているようだ。

 最後は「イスラエル、オランダ、韓国に対し、少なくとも2勝を収めることはできるだろう。しかし、スター選手不在では、MLB選手が多く在籍する他国を負かすことは困難だろう」と結論づけているが、果たしてどうなるか。2勝すれば、2位以内に入って2大会連続で1次ラウンドを突破できる可能性は高い。韓国や前評判の高いオランダを上回り、2次ラウンドの舞台である東京ドームにたどり着けるか、注目が集まる。