オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の女子シングルス4回戦で、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が、暑さが苛酷になっていく中でサービスの調子に苦しみ、アンフォーストエラーを連発しなが…

 オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の女子シングルス4回戦で、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が、暑さが苛酷になっていく中でサービスの調子に苦しみ、アンフォーストエラーを連発しながらもバーボラ・ストリコバ(チェコ)を7-5 6-4で下して準々決勝へ進んだ。

 セレナはいくつかの重要な瞬間でツキにも恵まれていたが、第16シードのストリコバに対し、長いポイントでも踏ん張り続けることによって、そのツキを自ら生み出したとも言える。ストリコバは、この大会のこの時点までの対戦相手の誰よりも、セレナをより多くの長いラリーに引きずり込んだ。

 4度にわたるサービスブレーク(第1セットで3度)と46本のアンフォーストエラーにも関わらず、そして気まぐれなコードボール、8度目のセットポイントで第1セットに決着をつけた〈バランスを失いながら肩を丸めて打ったバックハンドをもって〉、セレナは勝利への道を見出した。

 この勝利のおかげでセレナは、オープン化後の単独最多記録である23度目のグランドスラム・タイトルを目指す道の上にとどまっている。もしそのタイトルにたどり着くことができたら、35歳のセレナはふたたび世界1位の座も取り戻すことになる。

 「自分の調子がベストではなかった日にも勝てるというのは、本当にいいことだと感じている。調子が悪くても勝てるというのは常にいいことよ。なぜってときどき、あるひとつのショットに頼っていて、それがうまくいかなかったら、じゃあどうするの? ということになるでしょう」とセレナ。「それをほぼ失いかけたというのに、それでも勝てたということは、ほかの部分もかなりよく機能しているということになるわ」。

 セレナは次の試合で第9シードのジョハンナ・コンタ(イギリス)と対戦する。コンタは2年連続でエカテリーナ・マカロワ(ロシア)を4回戦で倒した。

 2016年に準決勝に進出したコンタは、一度だけサービスゲームを落としたが、相手のサービスを4度ブレークした。

 「これは私にとって信じられないような経験だわ。彼女(セレナ)は私が子供のときに一ファンとしてプレーするのを見てきた選手の中で、いまだに現役でプレーしている数少ない選手のひとりなの」

 コンタはセレナについてこう言った。

 「これは素晴らしい栄誉であり、彼女とコートを分かち合うのが待ちどおしくて仕方がないわ」

 セレナの4回戦は4度連続のサービスブレークから始まり、セレナがキープして3-2とリードするまで、サービスでは2ポイントしか取れていなかった。第1セットには7度のサービスブレークがあり、セレナは勝負を分けるブレークを第11ゲームにやってのけた。

 セレナは第2セットの序盤にストリコバのサービスをブレークしてリードしたが、これをキープすれば勝利というゲームで、今度は自分がブレークされてしまう。しかし彼女は次のゲームですぐにブレークバックし、6度目のマッチポイントをものにして試合を終わらせた。

 「自分がプランBやオプション2を持っていると知るのはいいことよ。私は今日あまりいいサービスを打っていなかった。彼女は多くのリターンを返してきたわね」とセレナ。

 セレナのファーストサービスの確率は45%で、ダブルフォールトは4本だった。「向上させるべき何かがあるというのは常にいいことよ」。

 第2シードのセレナは全豪で2001年以来、11度目の準々決勝に駒を進めた。彼女が準々決勝で敗れたのは、そのうち3度だけだ。

 昨年の決勝でセレナを倒し、そして全米でセレナの186週連続世界1位を終わらせたアンジェリック・ケルバー(ドイツ)は、前夜の4回戦でココ・バンダウェイ(アメリカ)にストレートで敗れた。

 「プレッシャーが大好きよ。私は自分がプレッシャーにうまく対処していると感じている」と、全豪で6度優勝しているセレナは言う。「私は勝負が好き。正直言って、失うものは何もないわ。私は十分なだけ勝った。今の私とって、これからのすべてはボーナスみたいなものよ。気持ち的に少しリラックスして臨めるわ」。

 メルボルンでは気温差の激しい気候が続き、セレナが大会8日目のプレーを始めるためにロッド・レーバー・アリーナに入ったときは、気温は35度になっていた。(C)AP(テニスマガジン)