ヤンキースのエース右腕の去就に開幕前から注目が集まっている。■オプトアウトの権利持つ右腕についての議論やまず、「エースに求めるすべてを兼ね備えてる」 ヤンキースのエース右腕の去就に開幕前から注目が集まっている。2014年から7年総額1億55…

ヤンキースのエース右腕の去就に開幕前から注目が集まっている。

■オプトアウトの権利持つ右腕についての議論やまず、「エースに求めるすべてを兼ね備えてる」

 ヤンキースのエース右腕の去就に開幕前から注目が集まっている。2014年から7年総額1億5500万ドル(約178億円)の大型契約を結んでいる田中将大投手は、今季終了後に契約を破棄してFAになれるオプトアウトの権利を保持。そのため、ヤンキースがどのような動きに出るのか、予測する記事が目立つ。

 開幕前に契約延長交渉を行うといったものや、田中をトレードに出して代わりに若手有望株を獲得するといったものまで、その内容は様々。田中がFAになる前に、何らかの手を打たなくてはいけないとする意見が多い。そんな中、米スポーツサイト「エリート・スポーツNY」では、かつてのエース左腕CC・サバシアの例を挙げ、ヤンキースに熟考を促している。

 記事では、今季で加入4年目を迎える日本人右腕について「ニューヨーク・ヤンキースのマサヒロ・タナカは球団がエースに求めるすべてを兼ね備えている」と絶賛。田中は昨季、31試合に登板して199回2/3を投げ、14勝4敗、リーグ3位の防御率3.07、同5位のWHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)1.08をマーク。先発ローテーションの大黒柱としての立場を確立した。

「昨シーズン、この右腕は199回2/3を投げた。(ヤンキースでは)2014年のヒロキ・クロダ以降、最も多い。アメリカンリーグ所属の先発投手中、防御率は3位(3.07)だった。多くの人は、(GMの)ブライアン・キャッシュマンがアロルディス・チャプマンと同様の契約を結ぶと考えている。有望株のために、田中をデッドラインでトレードに出し、来オフシーズンに再契約を行うのだ」

 ヤンキースは昨季、シーズン終了後に契約満了となるチャプマンを7月のトレード期限前にカブスに放出。代わりに若手有望株を獲得した。そして、シーズン終了後にFAとなったチャプマンと5年総額8600万ドル(約98億5500万円)で再契約。田中についても、同じような方法を取るのではないかとの声が多いという。

■田中がFAになればダルビッシュらと共に「市場の目玉」に

「マサヒロ・タナカが2016年のパファーマンスを再現し、ニューヨークの”Hiro”(ヒーロー)であり続けたとしよう。彼は残りの3年契約を破棄し、今以上の年俸と、恐らくは6年以上の契約をヤンキースに求めるだろう」

 記事では、田中がシーズン途中にトレードされずに2年連続で好成績を残せば契約を破棄する可能性が高いと指摘しつつ「単に彼が健康に1年を過ごし、まあまあの成績を残した場合でも、田中はオプトアウトの可能性がある」とも予想。エース級の働きではなくても、まずまずの成績であれば、オプトアウトすることになるというのだ。

 そして、ここで例として挙げられているのが、オプトアウトではなく契約延長を選択したサバシアだ。09年にヤンキースと7年契約を結び、3年目終了時点でオプトアウトの権利を持っていたサバシアは、3年間で59勝23敗、防御率3.18を記録。しかし、契約破棄は選択せずにヤンキースと条件を見直して5年契約を結び直し、5年間で47勝45敗、防御率4.25の成績を残した。そして、一定の条件を満たせば自動更新されるべスティングオプションで今季も残留となった。

 特集はこのことを紹介しつつ、「タナカは最初の3シーズンで39勝16敗、防御率3.12を記録している。サバシアのように、延長契約は30代半ばまで続き、最終的な年俸は2500万ドル(約28億6500万円)以上になるだろう」と分析。今年11月に29歳となる田中も契約延長となれば、現在の年俸(1年平均約2214万ドル=約25億3700万円)よりも高い額で6年程度の期間の再契約になると分析している。

「ヤンキースはタナカを頼りにしている」

 記事ではこのように言及。サバシアが今季終了後に契約満了となり、ピネダもFAとなるだけに、田中を2018年もチームに残せるかは大きな課題となる。「田中が球団を去れば、彼はユウ・ダルビッシュ、ジェイク・アリエッタ、ジョニー・クエトが目玉となる(FA)市場に加わることになる」。オフにFAとなれば、レンジャーズとの6年契約が満了するダルビッシュらとともに争奪戦となることは確実だが、田中はどのような決断を下すのか。シーズン終了までのヤンキースの動きにも大きな注目が集まるところだ。