中央競馬における今年最初のGIフェブラリーS(東京・ダート1600m)が2月21日に行なわれる。 昨年覇者のモズアスコ…

 中央競馬における今年最初のGIフェブラリーS(東京・ダート1600m)が2月21日に行なわれる。

 昨年覇者のモズアスコットや、2017年の勝ち馬で、年末のGIチャンピオンズC(12月6日/中京・ダート1800m)でも2着と奮闘したゴールドドリームなどの実績馬が引退。さらに、昨年2着馬の実力馬ケイティブレイブらが休養中とあって、今年のレースはここ数年とは顔ぶれがかなり変わった印象がある。

 それについては、スポーツ報知の坂本達洋記者も同意してこう語る。

「ダート界は世代交代が遅い傾向がありますが、実績馬であるゴールドドリームが引退し、クリソベリルも故障中とあって、確かに今年はメンバーの入れ替わりが激しいかもしれません。おかげで"大物不在"といった状況で、例年以上に混戦ムードと言えるでしょう。

 なにしろ、前哨戦のGIII根岸S(1月31日/東京・ダート1400m)を勝ったレッドルゼル(牡5歳)が人気を集めそうで、一昨年の勝者であるインティ(牡7歳)や、昨年の地方交流GIのマイルCS南部杯(10月12日/盛岡・ダート1600m)を制したアルクトス(牡6歳)らGI馬も、絶対的な存在にはなっていませんからね」

 そうして、坂本記者は「勢いのある馬と、展開利のある馬を狙うべき」と言って、ワンダーリーデル(牡8歳)を推奨馬に挙げる。8歳馬ながら、前走の根岸Sでは強烈な末脚を繰り出して奮闘している。

「休み明けとなる前走の根岸Sをアタマ差の2着と好走して、正直驚きました。もともと休み明けよりもひと叩きしてからのほうが走るタイプで、今回コンビ復活となる横山典弘騎手も以前、『賢い馬なので、1回使うとガラッと変わるからね』と話していましたから。

 昨年のレースでも4着と善戦。大崩れしないのは力がある証拠で、叩いてからの一戦が勝負なのは間違いありません。一昨年にはGIII武蔵野S(東京・ダート1600m)を快勝。東京のマイルは十分にこなせる条件ですから、一発あってもおかしくないですよ」

 一方、デイリー馬三郎の吉田順一記者は、まずは「この時期特有の馬場状態に目を配る必要がある」と指摘する。

「というのも、競馬開催日前に最低気温がかなり下がる予想で、この時期のダート戦を難しくさせる凍結防止剤(塩化ナトリウム/砂の凍結を防ぐもの)を散布する可能性が高いからです。そうすると、通常の馬場状態とは違った変化が見られます。

 つまり、良馬場でも砂質が締まって時計が速くなったり、逆にやや重や重馬場でも力の要る馬場になって時計が遅くなったりします。いずれにせよ、そうした馬場傾向の変化を読むためにも、ダートの含水率と凍結防止剤の散布状況は事前にチェックしておくべきでしょう」

 そこで、吉田記者は「締まった砂質、良馬場に回復しても凍結防止剤を散布した状況下なら、エアアルマス(牡6歳)を狙いたい」という。

「昨秋、GIIIみやこS(4着。11月8日/阪神・ダート1800m)では勝ったクリンチャーにいい目標にされ、ねじ伏せられました。続くチャンピオンズC(10着)では4番枠から積極的に運んで逃げる形となりましたが、速めのラップを刻んだうえ、2角からインティに張りつかれる苦しい展開を強いられて、馬群に沈んでしまいました。

 この2戦の結果を踏まえて、陣営は『(好位で)タメる競馬も考えている』とのこと。キックバックのリスクはありますが、この馬は一瞬のいい脚が使えるタイプで、その武器を生かすなら、その選択もアリでしょう。ロスなく回って、極限まで脚を使わずに直線を向くことができれば、一発の可能性も。

 鞍上は今年も好調な松山弘平騎手。先週の土日は東京の重賞に騎乗して、5番人気、7番人気の馬をいずれも2着へと導きました。その手腕にも期待したいところです」



フェブラリーSでの大駆けが期待されるエアアルマス

 エアアルマスについては、坂本記者も注目しているそうだ。

「インティがハナを主張しそうななかで、好位で前を見ながら運べる先行馬もマークしておきたいです。骨折明けの2戦は振るいませんでしたが、昨年は年明けにGII東海S(京都・ダート1800m)を制覇。その実績は軽視できません。

 前走のチャンピオンズCは厳しい展開で、10着に沈むのもやむを得ませんでした。ワンターンの東京なら、もう少しペースは楽になるはずで、巻き返しは十分に見込めます。人気を落している今なら、馬券的な妙味も大きいかと思います」

 さて、吉田記者は力の要る馬場になった場合、凍結防止剤を散布して馬場が乾き切らなかった時、あるいはまったく散布しなかった時は、「ソリストサンダー(牡6歳)が面白い」と言って、同馬を穴馬候補に推す。

「寝気味のつなぎは通常より少し短いぐらいですが、クッションがあり、上質のスピード持久力をもたらしています。腹袋のあるシルエットで、スタミナも豊富。かき込みの利いたフットワークで、パワーも兼備しています。

 前走のオープン特別・門司S(1月17日/小倉・ダート1700m)では、斤量58kgを背負って、早め早めに動いて4角手前で先頭へ。一旦は2着馬に前へ出られながらも、差し返して勝利を飾りました。そこに、今の充実ぶりが表われています。

 2走前の武蔵野S(11月14日)では、外を回る形で勝ったサンライズノヴァ(牡7歳)にコンマ1秒差の2着。今回、当時2kg差あった斤量差がなくなることを考えると、逆転への疑問はあるかもしれませんが、枠順や発馬次第ではその可能性もゼロではないと見ます。その時とは違った競馬で、距離ロスなく運べれば、そのチャンスはさらに増すかと。とにかく、パワーのいる設定で狙いたい1頭です」

 昨秋のGIシリーズは、1番人気が強さを見せつけた。ただし、ダートGIのチャンピオンズCだけはその傾向に反して、波乱の展開となった。となれば、フェブラリーSも"荒れる"可能性は大いにある。それを演出する馬がここに挙げた3頭であってもおかしくない。