「日本人が最もクリエイティブ」と言われているフリースタイルフットボール。サッカーから派生したアーバンスポーツで、リフティングやドリブルで“魅せる”ことが醍醐味となっている。

2019年には、世界一魅せるフリースタイラーを決める「フリースタイルフットボール沖縄オープン」が開催。その大会で優勝を果たしたのが、Ko-sukeだ。彼は同年に全国大会で優勝しており、現役の日本王者でもある(2020年大会は延期)。

出典:Ball Beat

“世界一魅せる日本王者”は、ボールやシューズ、服装などにこだわりを持っている。今回は、そんなKo-sukeのギア選びのポイントを紹介。これからフリースタイルフットボールを始める初心者や、上達を目指す中級者に参考にしていただきたい。

スタイルや好みに合わせたボールを選ぶ

ボールは大きく分けると、「サッカーボール」と「フリースタイルフットボール専用ボール」の2つがある。

サッカーボールは、サッカー用に作られているため、蹴った時の反発力が高い。不必要な摩擦がなく、真球性も高い(丸に近い)ので、良い意味で癖がない。ゆえに、ボールを安定してコントロールできる。

一方で、やりたい技やスタイルによっては、不自由が生じることもある。挟む技(クラッチ、ブロック)をやるには滑りが良すぎたり、跨ぐ技(エアームーブ)をやるには反発力が高すぎたり……。そこでおすすめなのが、フリースタイルフットボール専用ボールだ。

専用ボールは、グリップが効いていて滑りにくかったり、軽量化されていたりと、様々なメリットがある。

今回は、Ko-sukeが実際に使用した3つのブランドを紹介する。

■「5号球」と「4.5号球」の違い

サッカーボールのサイズは5号(小学生向けの4号もあるが、大会によっては使用不可のため省略)。専用ボールにも5号はあるが、少し小さめな4.5号が多い。

5号は4.5号より大きいため、ボールコントロールがしやすい。サッカー出身者にとっては馴染みのあるサイズなので、取りかかりやすさがある。

一方で、4.5号は小さい分だけ跨ぎやすくなる。これは、比較的体型の小さい日本人にとってはメリットになる。また、小さい分だけ少し軽いという特徴がある。

URBANBALL(アーバンボール)

まずは、サッカーボールと同じ5号のURBANBALL。ラバー素材でグリップが強く、ある程度使っても強度が維持される。また、デザインがシンプルで使いやすい。ボールを挟む技を多くやりたいなど、強いグリップを必要とする人におすすめ。


Suguru Saito / Red Bull Content Pool

■URBANBALLの特徴

・5号球
・グリップが強く、滑らない
・デザインがシンプル

MONTA(モンタ)

クールなデニム生地のMONTAは、4.5号球。グリップによる摩擦は、通常のサッカーボールよりも少し感じられる程度であり、控えめで癖がない。また、ボールのタッチ感(重量感)が軽く、ボールを跨ぐ技を中心にやりたい人などにおすすめ。


Jason Halayko / Red Bull Content Pool

■MONTAの特徴

・4.5号球
・グリップは控えめで癖がない
・タッチ感が軽い

TACHIKARA(タチカラ)

日本生まれのTACHIKARAは、4.5号球。グリップの強さは、URBANBALLとMONTAの間くらい。デザインが豊富なので、好みやスタイルに合わせたチョイスができる。


Samo Vidic /Red Bull Content Pool

■TACHIKARAの特徴

・4.5号球
・グリップの強さが中程度
・デザインが豊富

今回紹介した3つのブランドの中で、Ko-sukeが最もおすすめするのはTACHIKARA。

様々なジャンルの技を組み合わせ、かつハードな動きが多いKo-sukeは、ボールに適度なグリップと跨ぎやすさを求めている。また、パフォーマンスやメディア出演が多いため、目を引くデザインを重視している。

Ko-sukeが現在使っているモデルは「Ball Beat × TACHIKARA CUSTOM FOOTBALL “Amazon Orange”」。フリースタイルフットボールカンパニーであるBall BeatとTACHIKARAのコラボボールだ。


写真提供:Ball Beat

オレンジを基調としたデザインは、視認性が高い。ボールの動きを目で追いやすく、暗い場所でも練習しやすい。さらに、自分だけでなく見る人への伝わりやすさもあり、おすすめできる。

機能性の高いスニーカーを選ぶ

フリースタイルフットボールで良く使われるシューズは、大きく分けると「フットサルシューズ」と「機能性の高いスニーカー」の2つがある。

フットサルシューズは、フットサル用に作られているため、ボールタッチの安定が図れる。フリースタイルフットボールをする上でも、妨げとなる要素が少ない。

靴底が平らなので、ソール系の技にも対応可能。トゥーガード(つま先を守るガード)が浅いものが多く、リフティングの邪魔にならない。スポーティーな見た目もかっこいい。

一方で、機能性の高いスニーカーは、カジュアルなかっこよさや高い機能性を備える。Ko-sukeが使用しているスニーカーは、残念ながら廃盤となってしまったが、その特徴をぜひ参考にしていただきたい。

まず機能面では、とにかく軽い。また、靴底に適度な厚みがあり、ソール系やインサイドストール(クリッパー)系の技がやりやすい。フリースタイルフットボールは靴底のすり減りが激しいが、耐久性も備えているという。

また、見た目については、色が「真っ白」の物をチョイスしている。膨張色のシューズは、足の動きや技を大きく、見やすくしてくれる。靴底だけでも白いものを選ぶことをおすすめする。

ちなみに、機能性を無視してかっこ良さを求める選択肢もある。ただ、難易度は上がるため、高いスキルが必要とされる。

■Ko-sukeのシューズの特徴

・とにかく軽い
・靴底に適度な厚みがある
→ソール/インサイドストール系の技のやりやすさと、耐久性を備えている
・膨張色(真っ白)が技の見栄えに好影響

服装はこだわりが最も色濃く出る

極端にいうと、服装が何でもフリースタイルフットボールはできる。ただ服装は、その人のこだわりが最も色濃く出るポイントでもある。あえてカジュアルにしたり、スポーティーにしたり……。スタイルによってカスタマイズするのも、表現方法の一つだ。

あえておすすめするなら、服装においても、機能性と見た目を両立すること。

Ko-sukeは、大会では上がTシャツ、下がストレッチ性素材のジーンズのことが多い。これはスキルを発揮するために、機能性に重きを置いているからだ。その一方で、パフォーマンスや動画では、機能性よりも見栄えにこだわることもある。


Photo by Kazuki Takano

初心者はギア選びで大きく左右される

今回は、ボール、シューズ、服装という3つのギア選びのポイントを紹介した。それぞれの共通のポイントは、自分に合った機能性と見た目を両立することだ。

フリースタイルフットボールは、ボールさえあればすぐに始められる。ただ、手軽にできる反面、ギアへの依存度は意外と高い。上級者になれば慣れの世界に入ってくるが、初心者や中級者にとってギア選びは重要である。

いろいろなものを試したり、自分がどうありたいかを追求して、最適なギアを見つけていただきたい。

文・Tanaka Hiromu

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