世界ランキング2位のラファエル・ナダル(スペイン)と69位のキャメロン・ノリー(イギリス)の初対戦。ともに左打ち。【写真…

世界ランキング2位のラファエル・ナダル(スペイン)と69位のキャメロン・ノリー(イギリス)の初対戦。ともに左打ち。【写真】ナダルとノリ―の比較表

これまでに「全豪オープン」でナダルを破った最もランキングの低い選手は、2016年1回戦での当時45位だったフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)。ベルダスコも左打ちの選手である。

ナダルは左打ちの選手にとても分が良く、コート上で最後に負けたのは2017年「ATP1000 モントリオール」のデニス・シャポバロフ(カナダ)戦。グランドスラムでは左打ち選手に対し30勝3敗、通算では103勝14敗。ノリーはグランドスラムで左打ちの選手と対戦するのはこれが初めてで、通算では8勝7敗だ。

ナダルはこれまで48回、グランドスラムで4回戦に進出しており、これはロジャー・フェデラー(スイス)の67回、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の53回に次ぐ、テニスのオープン化以降歴代3位。ナダルはこれが61回目のグランドスラム出場だ。

「全豪オープン」では13回、4回戦に進出しており、これはフェデラーの18回に次ぐ歴代2位タイだったが、並んでいたジョコビッチは昨日一足先に14回目の4回戦進出を決めた。ナダルはこれが16回目の「全豪オープン」出場。

今大会1回戦では世界56位のラスロ・ジェレ(セルビア)に、2回戦では世界177位、予選勝者のマイケル・モー(アメリカ)に、どちらもストレートで難なく勝利した。

ナダルはグランドスラムシングルスで20回優勝しており、フェデラーと並んで男子の歴代1位。女子では3人の選手が20回以上優勝している。マーガレット・コート(オーストラリア)24回、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)23回、シュテフィ・グラフ(ドイツ)22回だ。

男子のグランドスラム優勝経験者は5人出場していたが、マリン・チリッチ(クロアチア)が初戦で、スタン・ワウリンカ(スイス)が2回戦で敗退し、現在勝ち残っているのはナダル、ジョコビッチ、ドミニク・ティーム(オーストリア)の3人。

今回優勝すればナダルはテニスのオープン化以降初めて、すべてのグランドスラム大会で2度以上優勝を遂げた選手となる。

ナダルは30歳以降でのグランドスラム優勝6回という最多記録を持っている。30歳になったのは2016年6月3日で、その後「全仏オープン」2017-20年、「全米オープン」2017年と2019年に優勝を遂げている。

昨年の「全豪オープン」では準々決勝でティームに4セットで敗退した。ナダルのここでの最高成績は2009年の優勝で、以後2012年、2014年、2017年、2019年に決勝に進出したがいずれも敗退。2012年と2019年の優勝者はジョコビッチで、中でも2012年の決勝はグランドスラム決勝で最長となる5時間53分の激闘だった。2014年の優勝者はワウリンカ、2017年はフェデラー。

2020年、ナダルは「全仏オープン」で自身の持つ大会最多記録を伸ばす13回目の優勝を達成。「全米オープン」には新型コロナウイルスの影響を考慮して出場しなかった。2月に「ATP500 アカプルコ」で優勝している。

今大会前には国別対抗戦「ATPカップ」に出場予定だったが、背中の張りのためプレーを見合わせた。そのため今大会1回戦が今季初の実戦の舞台となった。

通算86回の優勝は、ジミー・コナーズ(アメリカ)の109回、フェデラーの103回、イワン・レンドル(アメリカ)の95回に次ぐ歴代4位。

トップ10連続在位週では、昨年11月にそれまで歴代1位だったコナーズ(789週)を抜き去り、現在803週で記録更新を続けている。

一方25歳のノリーはこれが3回目の「全豪オープン」出場で、グランドスラムは13回目。

1回戦では第30シードだったダニエル・エバンズ(イギリス)を6-4、4-6、6-4、7-5で下し、「全豪オープン」での初勝利を挙げた。2回戦では予選勝者のRoman Safiullin (ロシア)に3-6、7-5、6-3、7-6(3)で勝利し、3回戦進出を決めた。これまでにも1度グランドスラムで3回戦に進出したことがあるが、その昨年の「全米オープン」では1回戦で第9シードだったディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)をフルセットの末に破っている。

昨年の「全豪オープン」では1回戦でピエール ユーグ・エルベール(フランス)にフルセットで敗れた。ノリーがここでフルセットを戦ったのはそれが初めてだった。2019年の初出場時にはやはり1回戦でテイラー・フリッツ(アメリカ)に敗退。

2020年の「全仏オープン」では1回戦敗退。「ATP500 サンクトペテルブルク」で準々決勝に進出したのが最高成績だった。

2021年最初の「ATP250 デルレイピーチ」に出場し、準決勝に進出している。今大会前哨戦の「ATP250 メルボルン2」にも出場したが、初戦敗退だった。

ノリーはこれまでにトップ5選手に勝ったことはない。

5セットフルセットでの戦績は2勝4敗だが、2勝はいずれも2セットを先取されてからの逆転勝ちである。

2019年3月に初めてトップ50入りし、キャリアハイは同年5月の41位。

ノリーはテキサス・クリスチャン大学の選手として活躍し、2014年から2017年の間に77勝20敗という成績を上げた。

イギリス人の両親のもとで南アフリカのヨハネスブルクで生まれ、ニュージーランドで育ったが、16歳の時に国籍をニュージーランドからイギリスに変更した。

珍しい左打ち同士の対戦。ナダルは2試合連続ストレート勝利の勢いそのままに、相性の良さを発揮できるか。

(テニスデイリー編集部)

※写真はナダル(左)とノリ―(右)