阪神競馬場に舞台が移る関西では今週、伝統の古馬重賞、GII京都記念(2月14日/阪神・芝2200m)が行なわれる。 過…
阪神競馬場に舞台が移る関西では今週、伝統の古馬重賞、GII京都記念(2月14日/阪神・芝2200m)が行なわれる。
過去10年で1番人気は2勝、2着2回と、やや精彩を欠いている。昨年こそ、クロノジェネシスが人気に応えて快勝したものの、レイデオロ、マカヒキ、ハープスター、ジェンティルドンナといったそうそうたる顔ぶれが断然の人気を裏切って苦杯をなめている。
今年は阪神開催ゆえ、過去の傾向は関係しないかもしれないが、頭に入れておきたい事実である。
「ただ、その割には"大荒れ"もないんですよね。ここ10年で7番人気以下は一度も馬券に絡んだことがありません」と語るのは、日刊スポーツの太田尚樹記者である。
しかしながら「今年は様相が違う」と言って、こう続ける。
「何より、京都競馬場が改装中で開幕週の阪神競馬場での開催されること。そして、メンバーを見ても確たる軸馬が不在であること。かなり難解なレースになったと思います。
出走予定11頭中10頭が、前走で馬券圏外に沈んでいます。人気を集めそうなラヴズオンリーユー(牝5歳)にしてもGI有馬記念(12月27日/中山・芝2500m)で10着、ワグネリアン(牡6歳)にしても昨夏のGI宝塚記念(阪神・芝2200m)以来で、同レースでは13着と大敗を喫しています。そのワグネリアン同様、休み明けの馬も多く、例年よりも荒れる要素はたっぷりとあります」
デイリー馬三郎の木村拓人記者も、今年の人気どころは信頼を置けないという。
「まともならワグネリアンでしょうけど、ピーク時にはまだ遠く、ラヴズオンリーユーもオークスを勝っているとはいえ、本質的に2200mの距離は長く、昨年後半のダメージが残る、阪神のタフな芝もマイナスでしょう。
ステイフーリッシュ(牡6歳)も人気では買いたいタイプではないですし、だからといって、とんでもない穴馬には食指が動かず......。そう思うと、出走予定だったセンテリュオ(牝6歳)が急きょ回避して、引退してしまったのが痛いですね......」
そうした状況にあって、太田記者は5歳にして重賞初挑戦となるダンスディライト(牡5歳)を推奨馬に挙げる。
「前走で唯一馬券に絡んでいるのがこの馬。3勝クラスのオリオンS(12月13日/阪神・芝2200m)とはいえ、好メンバーがそろった一戦で、そこを勝ち切って弾みをつけました。追い込み一辺倒で、なかなか勝ち切れない競馬が続いていましたが、その前走では好位で流れに乗れたのも収穫でした。
調教でも好時計を出せるようになり、同馬を管理する松永幹夫調教師も『今までは調教で動くイメージがなかったけど、緩かった馬が少しずつよくなっている様子』と成長を実感しているようでした。
GI2勝のダンスインザムードを母に持つ良血馬が、いよいよ開花した印象。昇級して、いきなりGII戦に挑んできたのも、期待の表れと見ます。全4勝を阪神で挙げているコース巧者ですから、阪神開催となったことも歓迎のクチでしょう」
太田記者はもう1頭、気になる良血馬がいるという。
「ジナンボー(牡6歳)です。こちらも、三冠牝馬のアパパネを母に持つ超良血馬。前走のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)では7着に敗れましたが、先着された6頭中5頭がGI馬でした。
2走前のGIII新潟記念(新潟・芝2000m)では外差し有利の馬場で、向正面先頭からアタマ差の2着に踏ん張っており、今回のメンバーなら互角以上にやれていいと思います。自在に立ち回れるのも強みです」

京都記念での大駆けが期待されるジナンボー
ジナンボーについては、木村記者もオススメする。
「2200mはこの馬には少しだけ長い印象がありますが、今の阪神の馬場はこの馬向き。ディープインパクト産駒ながら、母父キングカメハメハっぽいタイプで、キレというよりは、馬力型に近いタイプですから。
前走の天皇賞・秋は、決して得意な馬場条件ではありませんでした。それでいて、あれだけやれた内容を考えれば、このメンバーに入ったら上位でやれる目算が立ちます。折り合いに少し難があって、アテにしづらい面もありますが、鞍上の岩田康誠騎手がうまくエスコートしてくれることを期待しています」
木村記者ももう1頭、注視したい馬がいるという。
「モズベッロ(牡5歳)です。言い方は悪いですが、もともと見映えのしない馬で、昨年末の有馬記念のパドックでは『どこをどうやっても厳しいだろう』という見立てで、実際に15着惨敗。前走のGIIアメリカジョッキークラブC(1月24日/中山・芝2200m)においても、お世辞にもいいとは言えない、良化途上の状態でした。
それでも、5着と善戦。見た目以上に走るタイプなんだと思います。使いながらよくなっているはずで、上積みは十分に見込めます。さらに、タフな馬場であれば、この馬にとってはプラス。当然、騎乗する三浦皇成騎手も色気を持って関東から乗りにいくわけですから、楽しみです」
波乱ムードが充満していながら、穴党記者でさえ"穴馬"選択に迷うほどの難解な一戦。過去に例がないほどの"大荒れ"となるのか、必見である。