世界ランキング3位で「全米オープン」現王者ドミニク・ティーム(オーストリ…

世界ランキング3位で「全米オープン」現王者ドミニク・ティーム(オーストリア)の3回戦の相手はニック・キリオス(オーストラリア)。両者にとって2回目の対戦となる。【写真】キリオスとティームの比較表

前回対戦は、今から6年前の2015年「ATP250 ニース」2回戦。当時42位だったティームが4-3でリードしていた第1セット途中で、当時30位のキリオスが右ひじの負傷により棄権する形で幕を閉じた。その後、ティームは同大会でジョン・イズナー(アメリカ)らを下してツアー初優勝を飾っている。

ティームが「全豪オープン」で地元オーストラリアの選手と対戦するのはこれが4回目。2017年の2回戦でジョーダン・トンプソン、2020年の2回戦でアレックス・ボルトを下しているが、アレクセイ・ポプリンと顔を合わせた2019年の2回戦では2セットダウンで迎えた第3セット半ばに体調不良で棄権した。だが、グランドスラムにおける地元選手との対戦で勝てなかったのはその1試合だけだ(8勝1敗)。

ティームがこの試合に勝利して4回戦進出となれば、「全豪オープン」では4回目となり、母国の先輩トーマス・ムスターと並ぶ。1990年代に活躍した元世界1位のムスターはこの地で1989年、1994年、1996年、1997年に4回戦へと勝ち上がり、1989年と1997年にベスト4。また、グランドスラム全体で見るとティームは現時点でムスターと並んでオーストリア男子選手として4回戦進出歴代1位タイ(14回)。

グランドスラム28大会連続出場中のティームにとって「全豪オープン」出場はこれが8回目。2020年にはラファエル・ナダル(スペイン)やアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を破ってオーストリア人選手初の決勝に進んだが、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)にフルセットの末に敗れた。それが2018年、2019年の「全仏オープン」に続く3度目の決勝進出でいずれも準優勝に終わっていたが、2020年「全米オープン」で待望の優勝を成し遂げている。

今月初めには国別対抗戦「ATPカップ」に出場し、ブノワ・ペール(フランス)を下したが、マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)に敗れ、チームもグループステージ敗退に終わった。

今大会では1回戦でミカエル・ククシュキン(カザフスタン)に、2回戦でドミニク・コプファー(ドイツ)に、いずれもストレート勝ちを収めている。

一方のキリオスも、ティームと同じくこの試合に勝てば「全豪オープン」4度目の4回戦進出となる。昨年も同ラウンドへ勝ち進んだが、ナダルに4セットで敗れた。キリオスにとっては今回が8回目の地元開催のグランドスラムであり、通算では26回目の出場。

1回戦では予選から勝ち上がったフレデリコ フェレイラ・シルバ(ポルトガル)をストレートで下し、2回戦ではユーゴ・アンベール(フランス)に2度マッチポイントを握られながらもフルセットの末に競り勝った。

そのアンベール戦でも勝利を収めたように、5セットのフルセットには実は8勝2敗と非常に強いキリオス(ティームは10勝8敗)。ただし2つの黒星はいずれもここ「全豪オープン」で喫したもので、2014年の2回戦でペールに、2017年の2回戦でアンドレアス・セッピ(イタリア)に、どちらも2セットリードから逆転されている。

グランドスラムにおける最高成績は、いずれも19歳で出場した2014年「ウィンブルドン」、2015年「全豪オープン」でのベスト8。前者では144位で出場しながら4回戦で当時世界1位のナダルを撃破し、1992年の「ウィンブルドン」で世界1位だったジム・クーリエ(アメリカ)相手に大金星をあげた193位のアンドレイ・オルホフスキー(ロシア)以来となるグランドスラムでの大番狂わせを演じた。

そして2015年「全豪オープン」では、世界27位のイボ・カルロビッチ(クロアチア)らを破り、ブラッド・ドリューエット(オーストラリア)、パット・キャッシュ(オーストラリア)に続き「全豪オープン」ベスト8を10代で達成した3人目の地元選手となった。

ナダルを破ったことのあるキリオスだが、グランドスラムでのトップ5選手との対戦では実は7連敗中(1勝8敗)。ツアーレベルでは11勝17敗とそこまで悪くないが、この大舞台では4戦全敗のアンディ・マレー(イギリス)をはじめ、ロジャー・フェデラー(スイス)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)らに敗れている。

2020年シーズンは、新型コロナウイルスの影響を考慮して3月以降はツアーに参加しなかったため、前述の「全豪オープン」に加えて、「ATPカップ」と「ATP500 アカプルコ」の3大会に出場したのみ。今大会開幕前に約11ヶ月ぶりにプレーした「ATP250 メルボルン2」ではボルナ・チョリッチ(クロアチア)との3回戦で姿を消した。

今年の「全豪オープン」男子シングルスには2000年以降最多タイとなる13人の地元選手が出場したが、3回戦まで勝ち残ったのはキリオスとアレックス・デミノーの2人のみ。地元選手が優勝したのは、1976年大会のマーク・エドモンドソンが最後だ。

気分の上下が激しく、怪我も多いキリオスだが、「全豪オープン」はグランドスラムで最も相性のいい大会(16勝7敗)。「悪童」とも呼ばれる彼の試合はプレー以外の面でも何が起きるかわからないが、スタンドからの大歓声を受けて番狂わせを演じられるか。

(テニスデイリー編集部)

※写真はキリオス(左)とティーム(右)