今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で“台風の目”となりそうなのがイスラエル代表だ。昨年9月の予選ではイギリス、パキスタン、前回大会出場のブラジルと同じ「4組」を勝ち抜き、本大会初出場を決めた。MLB公式サイトは、本大会では多…

今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で“台風の目”となりそうなのがイスラエル代表だ。昨年9月の予選ではイギリス、パキスタン、前回大会出場のブラジルと同じ「4組」を勝ち抜き、本大会初出場を決めた。MLB公式サイトは、本大会では多くのメジャーリーガーがイスラエル代表として参戦する可能性があると分析。1次ラウンドでは韓国らと同じA組に入ったが、サプライズを起こすかもしれない。

■MLB公式サイトが特集、初出場のイスラエルもメジャーリーガー招集で戦力充実?

 今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で“台風の目”となりそうなのがイスラエル代表だ。昨年9月の予選ではイギリス、パキスタン、前回大会出場のブラジルと同じ「4組」を勝ち抜き、本大会初出場を決めた。MLB公式サイトは、本大会では多くのメジャーリーガーがイスラエル代表として参戦する可能性があると分析。1次ラウンドでは韓国らと同じA組に入ったが、サプライズを起こすかもしれない。

 MLB公式サイトの戦力分析では、イスラエル代表のピーター・カーツ監督がすでに15選手の招集を決めたと紹介。その中には、昨季メジャーデビューを果たしたメッツのタイ・ケリーが含まれているという。28歳の三塁手は昨年、39試合出場で打率.241の成績を残している。

 その他に現在FAの選手も含まれており、サム・フルド外野手(前アスレチックス)、アイク・デービス内野手(前ヤンキース)、ジェイソン・マーキー投手(前レッズ)らメジャー経験の豊富なプレーヤーもいる。守備に定評のあるフルドはメジャー通算227盗塁を誇り、デービスは2012年にメッツで32本塁打を放った強打者。38歳の右腕マーキーはメジャー通算377試合登板で124勝(118敗)をマークしている。また、現在マイナーリーグ所属の選手の中には、元レッドソックスのライアン・ラバーンウェイ捕手(アスレチックス傘下)らの名前もある。

 さらに、記事ではドジャースの若手外野手のジョク・ピーダーソン、インディアンスのジェイソン・キプニス内野手、マリナーズのダニー・バレンシア内野手、FAのクレイグ・ブレスロー投手らもチームに加わる可能性があると指摘している。

■オランダとチャイニーズ・タイペイも強敵、韓国は軸となるメジャー組の野手を招集できず!?

 ピーダーソンはパンチ力のある打撃で15年は26本塁打、昨年は25本塁打を放った売り出し中の24歳で、キプニスは昨季ワールドシリーズ進出を果たしたインディアンスの不動のレギュラー二塁手。また、バレンシアは昨季アスレチックスで主に三塁手・右翼手として130試合に出場して打率.287、17本塁打をマークし、今季からマリナーズでプレーする。ブレスローはメジャー通算539試合登板を誇るベテラン左腕で、2013年には上原、田澤とともにレッドソックスのブルペンを支え、ワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。

 記事では「イスラエルの市民権(を得る)資格がある選手は、たとえ市民権を持っていなくても、WBCで代表チームに入る資格がある」と説明。ここに名前の挙がった選手が代表入りすれば、レベルは確実に一段階上がる。

 イスラエルは1次ラウンド初戦で韓国と対戦後、チャイニーズ・タイペイ、オランダに挑むことになっている。オランダもメジャーリーガーを多く招集しており、野球熱の高いチャイニーズ・タイペイを含めて実力のある国ばかり。イスラエルがしっかりと選手を揃えてくれば、状況は混沌としてくる。

 一方で、悲願の初優勝を狙う同組の“本命”韓国は投手陣に故障者が続出していると報じられており、メジャーリーガーでは秋信守(レンジャーズ)や金賢洙(オリオールズ)が球団からの出場許可がおりない可能性があり、飲酒運転で事故を起こして現場から“逃走”するという不祥事が批判を浴びた姜正浩(パイレーツ)はメンバー外となった。大きな戦力ダウンとなることは確かだ。韓国開催のA組で“番狂わせ”が起き、韓国が2次ラウンドの舞台となる東京ドームに来られないということも、あるのだろうか。