エンゼルス大谷翔平投手(26)が年俸調停を回避し、2年850万ドル(8億9250万円)で合意したと9日、球団が発表した…
エンゼルス大谷翔平投手(26)が年俸調停を回避し、2年850万ドル(8億9250万円)で合意したと9日、球団が発表した。米メディアによると、年俸は推定で今季300万ドル(3億1500万円)、来季550万ドル(5億7750万円)。
投打二刀流の挑戦で大きな注目を集めた大谷の年俸は、メジャー1年目が54.5万ドル(5720万円)。2年目は65万ドル(6825万円)、3年目は70万ドル(7350万円)にとどまっていた。メジャー通算成績は打者が254試合、打率.269、47本塁打、147打点。投手は12試合4勝3敗、防御率4.39。
メジャー3年目を終えて年俸調停の権利を獲得した大谷の希望額は年俸330万ドル(3億4650万円)だった。球団提示額は250万ドル(2億6250万円)で80万ドル(8400万円)の開きがあり、年俸調停を申請した。週明けにも予定されていた調停委員会の前に双方で話し合い、結果的に大谷は希望額の倍以上を手にした形だ。
契約更改交渉が決裂した場合に申請する「年俸調停」。メジャーでは選手側の当然の権利として、毎年100人以上が申請している。一方、日本では年俸調停までいった例が極めて少ない。外国人選手を含めて全7件、うち日本人選手は5人いる。
【年俸調停を行った日本人選手】
◆90年オフ 落合博満(中日)
選手希望額 2億7000万円
球団提示額 2億2000万円
調停額 2億2000万円
◆92年オフ 高木豊(横浜)
選手希望額 1億263万円
球団提示額 9330万円
調停額 9840万円
◆95年オフ 野村貴仁(オリックス)
選手希望額 6500万円
球団提示額 3900万円
調停額 3900万円
◆00年オフ 下柳剛(日本ハム)
選手希望額 1億5000万円
球団提示額 1億3750万円
調停額 1億4000万円
◆10年オフ 涌井秀章(西武)
選手希望額 2億7000万円
球団提示額 2億2000万円
調停額 2億5300万円
球団提示より増額を勝ち取ったのは高木、下柳、涌井の3人。それよりも注目すべきは5人全員が数年後にチームを退団していること。落合と涌井はFAだったが、野村と下柳はトレードで放出された。高木は調停の翌年オフ、若返りを理由に球団から自由契約を言い渡され、日本ハムへ移籍した。
「驚いたけど、やっぱりなという気持ちもありました。もめようと思って、もめたわけではない。選手の権利として言うべきことを言ったまで。口やかましい選手はいなくなるもんですよ。解雇の原因になったのは間違いない」と高木は振り返っている。
「ゴネていいことはほとんどない。球団とモメると、成績が悪かった時に大幅に年俸を下げられたり、トレードに出されたり、クビを切られやすい。実際そういう選手を何度も見てきました」とはある球界関係者の話だ。
プロが評価されるのはお金だけ。だがお金でもめると、球団からは厄介払いのように扱われ、世間からも悪いイメージでみられがち。かといって、調停までして大幅アップした例は、日本球界では1度もない。
調停申請をきっかけに破格条件も引き出せる、夢のあるメジャーと違い、プロ野球の銭闘はもめても「ゴネ損」にしかならない。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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