大坂なおみが、全豪オープンでグランドスラムタイトルホルダーとして、ふさわしい最高のスタートを切った。 全豪オープンで…
大坂なおみが、全豪オープンでグランドスラムタイトルホルダーとして、ふさわしい最高のスタートを切った。

全豪オープンで最高のスタートを切った大坂なおみ
1回戦からセンターコートにあたるロッド・レーバー・アリーナのオープニングマッチに組まれ、第2シードの大坂(WTAランキング3位、2月8日づけ/以下同)は、アナスタシア・パブリュチェンコワ(39位、ロシア)を、6-1、6-2で破り6年連続の2回戦進出を決めた。
2021年全豪オープンは、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日程が変更されて3週間遅れの開催となった。さらに、オーストラリアは、入国者全員に新型コロナウイルス感染症対策として14日間の検疫期間を課したため、大坂は入国後にアデレードで隔離生活を送った。
隔離後、アデレードでセリーナ・ウィリアムズとのエキシビションマッチを終えてメルボルンに移動。全豪オープンと同じ会場のメルボルンパークで開催された前哨戦に出場して3試合を勝ち抜き、ベスト4に進出。肩の違和感が再発したため準決勝を直前で棄権したが、過密日程だったことを考えるとその判断は賢明であった。
あくまで大坂は照準を全豪オープンに定めている。ただ、今回でグランドスラムの本戦出場回数が18回目になっても、1回戦前の緊張は変わることはないと言う。
「グランドスラムはいつも楽しみにしています。たぶん1回戦は、とてもナーバスになると思う。いつもそうなっているし。ここ数日間試合で自分のプレーができて、大きな自信を得ることができました。私が勝っても負けても、世界は回り続けますから、楽しむべきだし、自分ができる限りのことをトライしなきゃいけない」
29歳のパブリュチェンコワは、過去に全豪オープンで3度ベスト8に進出したことのある実力者だが、大坂はハイクオリティーなテニスをして、相手に試合の主導権をまったく渡さなかった。
大坂のファーストサーブでのポイント獲得率は81%と非常に高く、さらに得意とするフォアハンドのウィナー10本を含む合計18本のウィナーを決めた。
大坂自身は、昨年のオフシーズンに練習して向上してきたリターンに前哨戦から手ごたえを感じており、「さらに試合を重ねるごとによくなっていくはず」と自信を見せている。
1回戦は、相手に格の違いを見せつけるような68分の快勝だったが、前哨戦のプレーからさらにギアアップをして、隙を見せない引き締まったテニスを披露した。
さらに、全開のテニスではなく余力を残しつつのストレート勝ち。これは、まさにグランドスラム優勝を目指すトッププレーヤーの勝ち方であり、2週間の長丁場を勝ち抜くためには、理想的なスタートなのだ。
このスタートができたのは、大坂の心の成長と安定によるところが大きいのではないだろうか。
以前、大坂は自分にはまだ"チャンピオンたる心構え"が備わっていないと語ったことがあった。だが、すでにグランドスラムタイトルを3個獲得し、世界ナンバーワンにもなった経験から、それが身につきつつあるように思える。2019年に世界1位でありながら味わった苦い敗戦の屈辱も、大坂がまた真のチャンピオンになるための糧となっている。
今、大坂が自らのモチベーションを語る姿には、今後テニス史にその名を残すチャンピオンの風格が感じられるようになってきた。
「自分が現役である限り、できるだけいいプレーをしたいです。自分のテニスキャリアがものすごく長いとは思いませんけど、もちろんすべての大会で勝ちたい。みんながグランドスラムに向けてギアを上げていきますが、自分もそうでありたいです。現役の間は、いい時間を過ごしていきたいですね。それが私のモチベーションと言えるのではないでしょうか」
もはやランキングを追いかけたりはしない。自分ができる限りの力で毎試合を戦い、あくまでポイントを地道に積み重ねた先に到達できるのが世界ナンバーワンの座だと捉え、泰然自若の姿勢を貫いている。
2回戦で大坂は、キャロリン・ガルシア(43位、フランス)と初対戦する。サーブとフォアハンドストロークが強力な選手だが、パワーとスピード勝負なら、大坂の優位は揺らがない。
"チャンピオンたる心構え"を身につけつつある大坂なおみを倒すのは容易ではないだろう。