21歳のデニス・シャポバロフ(カナダ)と19歳のヤニク・シンネル(イタリア)という注目の若手同士の初対戦が実現。今大会の…

21歳のデニス・シャポバロフ(カナダ)と19歳のヤニク・シンネル(イタリア)という注目の若手同士の初対戦が実現。今大会の男子シングルスには、21歳以下の若手が彼らを含めて9人出場している。【写真】シャポバロフとシンネルの比較表

世界ランキング12位で第11シードのシャポバロフにとっては4度目の「全豪オープン」出場。前回大会ではマートン・フチョビッチ(ハンガリー)相手に1回戦負けを経験してしまったが、初の4回戦進出を目指す。14回目の出場となるグランドスラムでの最高成績は2020年「全米オープン」の準々決勝進出で、これはカナダ人男子選手として初の快挙だった。

2020年シーズンは、「ATP1000 ローマ」と「ATP500 サンクトペテルブルク」でベスト4、「ATP250 オークランド」、「ATP250 マルセイユ」、「全米オープン」でベスト8という成績を残している。9月にはキャリアハイの10位につけた。

今大会直前には国別対抗戦「ATPカップ」に出場したが、グループステージでノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)に敗れ、チームもグループステージ敗退。しかし、2019年の「デビスカップ」では、シングルスで3勝2敗、ダブルスで2勝1敗と健闘し、母国カナダを初の準優勝に導いている。

シャポバロフは左利きであり、今大会には彼を含めて17人のサウスポーが参加している。最後に「全豪オープン」を制した左利きの選手は、2009年のラファエル・ナダル(スペイン)だ。

一方、36位のシンネルは、今回が2回目の「全豪オープン」出場。初出場となった2019年は2回戦に進出。グランドスラム通算ではこれが5回目の出場で、2020年「全仏オープン」ではダビド・ゴファン(ベルギー)、ズベレフらを下してベスト8に勝ち進んだ。当時19歳56日で、これは2006年のジョコビッチ(19歳20日)以来となる大会最年少記録。ただし「全米オープン」では2019年・2020年の2年連続で1回戦敗退を喫している。

彼が最初に大きく注目されたのは2019年。「Next Gen ATPファイナルズ」でワイルドカード(主催者推薦枠)として出場しながら、フランシス・ティアフォー(アメリカ)やアレックス・デミノー(オーストラリア)を下して優勝。1年でランキングを553位から78位へと急上昇させ、同年のATPニューカマー賞を受賞した。

2020年シーズンは、前述の「全仏オープン」に加えて「ATP500 ロッテルダム」でベスト8、「ATP250 ケルン」でベスト4となり、「ATP250 ソフィア」でツアー初優勝を飾った。19歳での優勝は、2008年に18歳で「ATP250 デルレイビーチ」を制した錦織圭(日本/日清食品)以来の最年少記録。

さらに、今大会直前の「ATP250 メルボルン1」で自身2つ目のタイトルを獲得。19歳での2回優勝は、2006年のジョコビッチ、19歳での2大会連続優勝は、2005年のナダル以来の快挙となる。

シンネルは大物相手にも引けを取らず、トップ20相手の戦績は5勝8敗。グランドスラムにおいては2勝2敗と五分だ。先程述べたゴファン、ズベレフのほか、ガエル・モンフィス(フランス)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)を破っている。

5セットのフルセットはいずれも得意にしておらず、シャポバロフは4勝5敗、シンネルは0勝1敗。4勝したことのあるシャポバロフも2セットダウンからの逆転劇は1度しか経験していない。ハードコートでの勝率はシンネルの方が上。シンネルは65.8%(25勝13敗)なのに対し、シャポバロフは56%(84勝66敗)だ。

より勢いに乗っているのはシンネルだが、大舞台での経験はシャポバロフが上。さらに、右利きのシンネルにとって左利きの相手はやりやすくはないだろう。初対戦ゆえに何が起こるかわからず、目の離せない展開になりそうだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真はシャポバロフ(左)とシンネル(右)

(Getty Images)