比メディアが2019年11月のWBSS決勝を回想  ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)と元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)が対戦したワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)…

比メディアが2019年11月のWBSS決勝を回想

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)と元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)が対戦したワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝から1年3か月が経過した。2019年の「年間最高試合」として脚光を浴びた名勝負。38歳のレジェンドの健在ぶりを、フィリピンメディアが「モンスターを限界まで追い詰めた」と改めてつづっている。

「WBSSにおけるノニト・ドネアの素晴らしい5つの事実」と記事を掲載したのは、フィリピンのボクシング専門メディア「フィルボクシング」だった。

 WBSS参戦直前までフェザー級で戦っていたドネアが、バンタム級に下げても減量を苦にしなかったことや、WBSS参戦で「20歳若返った」というドネア自身の発言を紹介。記事の最後に注目したのは「モンスターを限界まで追い詰めた」という井上との頂上決戦だった。

「WBSSで合計のファイト時間が5分29秒だったザ・モンスター・イノウエはファイナルの時点で超常現象だった。いくつかのブックメーカーで10対1という圧倒的な掛け率で、イノウエは大本命だった。だが、埼玉のモハメド・アリ杯(WBSS)決勝ではケニーの言葉が証明された。ドネアはキャリアの終焉かもしれないが、無敗で10歳も若い相手を限界まで追い詰めたのだ」

井上を追い込んだ戦いぶりを評価「最後のゴングを聞くまで…」

 記事では、ドネアのトレーナーのケニー・アダムス氏が「私はボクシング界にあまりに長く身を置いている。私が手掛けた全てのチャンピオンの中で、最も激しい努力を積む男なんだ」と話していたことを掲載。ドネアの日々の研鑽が健在ぶりに繋がったようだ。

「イノウエの惑星で最も恐ろしいファイターの一人という評判は、9ラウンドにドネアがセンセーショナルな右カウンターを見舞った際、危機的状況を迎えた。キャリアで初めて対戦相手によろめいたのだ」

 さらに「ドネアは11回にボディショットを受けて膝をついたが、最後のゴングを聞くまで、勇敢に耐えたのだ」とドネアの奮闘ぶりを評価。無敵のモンスターと伝説の死闘を演じた“フィリピンの閃光”の偉大さが母国で改めて評価されている。(THE ANSWER編集部)