マンティス〈MANTIS〉のラケットはコストパフォーマンスの高さにありその実力…

マンティス〈MANTIS〉のラケットは
コストパフォーマンスの高さにあり
その実力をレビューしていこう!

2009年にイギリスで誕生したブランド「マンティス」、その創業者であるマーチン・アルドリッジ氏は、かつてイギリスの巨大ブランド(D社とS社)のプロダクトマネジャーを務めていた人物。ジョン・マッケンローやジェームス・ブレイク、トーマス・ベルディッチ、アメリ・モウレスモといったスーパースターと仕事をし、彼らのカスタムラケットを作っていたのだという。自身もツアー選手やコーチ経験もあったというのも、スターたちから信頼を勝ち取る要因になったのだろう。加えて、スポーツ科学のMBA資格を持っているという、とにかく多才な人物である。



左が創業者のマーチン氏、右はアンバサダーのグレッグ・ルゼドスキー氏


巨大ブランドでラケットを作っている中で、彼が抱いていた疑問が“ラケットは高すぎる”ということ。多くのメーカーは、さまざまなパーツを使うことで、価格を上げて利益を作り出す。それよりも、工夫を凝らすことで、さまざまな可能性を生み出すハイモジュラス・カーボンを使えば、質が良くて価格が抑えたラケットを作ることができる。そうして、マンティスのラケットは誕生した。打った人ならばわかるが、マンティスの特徴は、無垢の打球感。ボールからの情報をしっかり感じられる打球感は、多くの人が快感だと評している。



とはいえ、なかなか、マンティスを打つチャンスがないという人もいることだろう(気になる方は、WEBから試打ラケットのレンタルを申し込もう)。そこで、2回に分けて、テニスクラシック編集部の試打レポートをお伝えしていきたい。

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今回ご紹介するのは「マンティスPS III/CS III」シリーズの4ラケット。ラウンド形状のフレームでRA値(フレックス)は70もしくは69と硬め。面安定性が高くコントロールに優れたモデルというのが、カタログ上の紹介である。果たして実際の打ち味はどんなものか!?

--{まずは「マンティス300PS III」をレビュー!}--
マンティス〈MANTIS〉のラケットインプレ(1)

マンティス300PS III
●MANTIS 300 PS III
価格:オープン/フェイスサイズ:100平方インチ/ウエイト(Unstrung):300g/バランス(Unstrung):320mm/フレーム厚:22.5mm-25mm-23mm/レングス:27インチ/素材:ハイモジュラス・カーボン100%/フレックス(Unstrung):RA70/ストリングパターン:16×19/推奨テンション:48〜62ポンド/グリップサイズ:G2、G3 ※ソフトケース付き




編集部(川)インプレ!
自分の意図した飛びで
質のいいボールが打てるラケット

まず感じたのは、打球感がしっかりしているなぁということ。個人的には結構好きな部類である。そしてパワーに関しては、適度な飛びと言ったらおかしいかもしれないが、こちらの意図した飛びに表現しやすい。パワーを求める人にとっては、物足らないかもしれないが、適度な飛びでスピンもしっかりかかるのでかなり扱いやすいラケットだと言える。そう紹介すると、ボールの威力がなさそうだが、しっかりボールを潰しつつスピンがかけられるので、重たいボールが打てている感覚があった。
いわゆる黄金スペックのラケットだが、スイングウエイトはそれほど大きくないのかもしれない。それというのも、スイングの中で重いという感覚はなく、振り抜きやすいのだ。そこは長所と言えるだろう。また少しスイートエリアを外した時も、手元側ならばしっかり持ち上げられるし、面ブレもさほど感じない。よりパワーのあるボールを打ちたいという人は、この「マンティス300PS III」をぜひ体験してみてほしい。





編集部(広)
厚く捕らえつつスピンをかけると
相当いいボールが飛んでくれる

ラウンド形状で、RAが70ということもあり、スイングしていて“しっかりしているなぁ”と感じる。
ボールを捕らえていても、面の安定性が高く、300gと重量もあるので、さほど振らなくてもボールをツブして打つことができる。いいなと思うのは、ドッカン!と飛ぶわけではないところ。私の持ち球はフラット系なので、オーバーやネットのミスが多いのだが、ボールが持ち上がりやすいこと、さらに振った分、しっかり飛んでくれるラケットなので、いい具合にボールが収まってくれる。スピンもかけやすく、特にスライスはグイーンと伸びてくれる。厚く捕らえつつ、スピンをかけるというのが、このラケットの使い方なのだろう。サーブで厚めに捕らえると、かなりいいボールが飛んでくれた。300gという重さを苦にしないのなら、扱いやすいラケットと言えるだろう。





--{続いて「マンティス285PS III」をレビュー!}--
マンティス〈MANTIS〉のラケットインプレ(2)
マンティス285PS III
●MANTIS 285 PS III
価格:オープン/フェイスサイズ:100平方インチ/ウエイト(Unstrung):285g/バランス(Unstrung):325mm/フレーム厚:22.5mm-25mm-23mm/レングス:27インチ/素材:ハイモジュラス・カーボン100%/フレックス(Unstrung):RA70/ストリングパターン:16×19/推奨テンション:46〜60ポンド/グリップサイズ:G1、G2、G3 ※ソフトケース付き




編集部(川)
285gとは思えない飛び!
テニスが楽しくなるモデルだ

ボールが食いついて、ストリング全体がたわむというよりは、食いつきつつ、ボールをパンと弾き出すようなイメージ。「285g」にしては、弾きが強いように思う。300gを打った後というのもあると思うが、かなり操作性が高く、ボレーも打ちやすい。ただし、打球感はカチッ、カチッという感じ。300gと同等の面安定性がありながら、よりパワーを求める人に、適したモデルだと思う。実際、285gなら、しっかりスイングできるという人も多いはずだ。
テニスが楽しくなるモデルというのか、ある程度、スイングすることができれば、楽にボールを飛ばしてくれるのがいい。女性の中級者くらいの人でも、十分使用できるだろうし、300gは重くなってきたという男性の方にも使っていただきたいモデルだ。





編集部(広)
今回のシリーズでNo.1のラケット
テニスが楽しくなるモデルである

今回、打った中で一番良かったのはこれ!
かなり! バランスのいいラケットである。個人的には重いラケットのほうが好みで、「マンティス300PS III」も好き。とはいえ、こちらが特別飛ぶという感じではない。振り抜きがいいので、飛んでくれるのだ。また、打球感も柔らかく感じた。ボールを捕まえている時間が長くなるため、スピンもかけやすいし、コントロールも付けやすい。特に、バックハンドスライスはしっかり伸びてくれて、いいボールが打てるなと感じた。
打球感の柔らかさもあるので、ボレーもコントロールしやすい。低いボールもネットしにくいなというのは、個人的にもうれしかった。





--{軽量モデル1「マンティス265CS III」をレビュー!}--
マンティス〈MANTIS〉のラケットインプレ(3)
マンティス265CS III
●MANTIS 265 CS III
価格:オープン/フェイスサイズ:100平方インチ/ウエイト(Unstrung):265g/バランス(Unstrung):335mm/フレーム厚:22.5mm-25mm-23mm/レングス:27インチ/素材:ハイモジュラス・カーボン100%/フレックス(Unstrung):RA69/ストリングパターン:16×19/推奨テンション:46〜55ポンド/グリップサイズ:G1、G2 ※フルカバー付き





編集部(川)
軽いからといって飛ぶわけじゃない
しっかり振り抜くことで良さが出る

シリーズの中では、かなり打球感が柔らかいラケット。265gと軽い上、結構飛ぶ作りなんだろうなぁ、と思ったらこれが違う。しっかり振ることを促すラケットなのだ。とにかくしっかり振り切ることで、コート深くにいいボールが飛んでくれた。スピンに関しては、かけようとすると、ボールが短くなってしまった。打ち抜いていく方が、このラケットの良さが出せるのだと思う。
フレームもしっかりしているし、面ブレも少ない。そういう意味では、しっかりテニスをやっていた人で、重いラケットが苦しくなってきた人にいいラケットだと思う。






編集部(広)
ていねいに振って捕らえる…
フラット派の人にいいのでは!?

フラットが持ち球の人に適したラケットなんだと思う。265gと軽いラケットなので、普通に打っていてもヘッドが走る。とはいえ、ボールは高く出るわけではない。適度な高さでネットを超えていき、ベースライン手前で落ちる。そんな軌道が、一番いいボールだと思う。というのも、スピンをかけようとするとボールが暴れるというのか、ちょっとインパクトが不安定になってしまった。どちらかというと押すタイプのスイングなので、(川)のような軸スイングの人なら違うのかもしれない。とはいえ、ていねい振って、スイートエリアで捕らえると割り切って振っていくと、かなり気持ちよくラリーができた。軽いので、ネットプレーでも取り回しが楽。ナイロンマルチをローテンションで張ってみると、さらに良さが出るような気がする。






--{軽量モデル2「マンティス250CS III」をレビュー!}--
マンティス〈MANTIS〉のラケットインプレ(4)
マンティス250CS III
●MANTIS 250 CS III
価格:オープン/フェイスサイズ:100平方インチ/ウエイト(Unstrung):250g/バランス(Unstrung):345mm/フレーム厚:22.5mm-25mm-23mm/レングス:27インチ/素材:ハイモジュラス・カーボン100%/フレックス(Unstrung):RA69/ストリングパターン:16×19/推奨テンション:42〜53ポンド/グリップサイズ:G1、G2 ※フルカバー付き




編集部(川)
この軽さでこのしっかり感はおもしろい!
ボレーもいいので、ダブルス派の方にぜひ!!

250gは軽すぎるでしょ! と思ったら、意外としっかりとした打ち味でびっくり。この軽さだと、バイーン!と飛んでしまうラケットが多いが、これだけしっかりした打球感だとは。軽くてこういうラケットを求めているという人がいるのではないだろうか?
スピンに関しては普通というのか、かけにくいというわけではない。ボールが上がりやすくなっているので、ネットを怖がることなく打っていけると思う。ストロークも良かったが、ボレーも良かった。軽いので操作性はいいのだが、面だけ合わせれば飛んでくれるので、前衛アタックなんかの時に助かりそうだ。かつて、テニスをしっかりやっていたという、シルバープレーヤーに使ってみて、テニスの楽しさを感じらえるモデルである。





編集部(広)
250gとは思えない好バランス!
厚く捕らえるといいボールが飛んでいく

今回打ったシリーズは、みんなグロス感あるコスメが特徴。近年“てっかてか”のコスメは少なくなっているので、逆に新鮮に感じる。さて、打ってみた感想だが、個人的には「マンティス265CS III」よりも、こっちの方が気に入った。スペック上15g軽いというわけだが、打っていて、その差は感じない。弾きがよく、しっかり飛んでくれるので、ストロークもいいし、ボレーも打ちやすい。スピンをかけらないこともないが、ナチュラルなスピン程度で、フラット目なボールを打つ方が、楽しくテニスすることができる。サーブも同様で、スピンをかける意識よりも、厚く捕らえる方がいいボールが行く。「マンティス265CS III」が気になっている人は、ぜひ、こちらも試打してみるといいと思う。