「西のクラシック登竜門」となるGIIIきさらぎ賞(中京・芝2000m)が2月7日に行なわれる。 古くはスペシャルウィーク…
「西のクラシック登竜門」となるGIIIきさらぎ賞(中京・芝2000m)が2月7日に行なわれる。
古くはスペシャルウィーク、ナリタトップロード、ネオユニヴァース、近年でもサトノダイヤモンドなど、歴代の勝ち馬からはクラシックでの活躍馬が数多く出ている。とはいえ、過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は3勝、2着2回、3着1回、着外4回。際立った成績を残しているわけではない。
しかも、ここ4年は未勝利。"荒れる"傾向が強くなっているレースと言える。加えて、中京競馬場で行なわれた今年の重賞はすべて、1番人気が馬券圏内(3着以内)から外れており、波乱ムードは一段と高まっている。
さて、すでに触れているとおり、今年は例年の京都(芝1800m)ではなく、中京(芝2000m)が舞台となる。それによって、普段とは違う変化が見られるという。そして、その"変化"が「馬券攻略のカギになる」と日刊スポーツの松田直樹記者が語る。
「2000年以降の数字で見ても、関東馬はその21回の施行において、たったの17頭しか参戦していません。それが今年は、関東馬が5頭も出走するんです。これは(京都よりも美浦から近い)中京開催になったこと、それに付随した変化であることは明らかです。
なお、過去21回のレースに出走した関東馬17頭の成績は2勝、2着2回、3着2回。実はかなりの好結果を残しています。このデータは見逃せず、出走馬が増えた今年はなおさら、関東馬に注目すべきだと思います」
そこで、松田記者が穴馬候補に挙げたのは、関東馬のジャンカルド(牡3歳)。「この馬こそ、きさらぎ賞の中京移設を最も味方にしそう」と言って、胸躍らせる。
「昨秋の新馬戦(9月27日/中山・芝2000m)でデビュー勝ちし、年末の1勝クラス・葉牡丹賞(12月5日/中山・芝2000m)で2着。デビュー3戦目の今回、初めての左回りとなりますが、この舞台替わりが大きな追い風になると見ています。
なにしろ、同馬を管理する武井亮調教師が『右手前が好きな馬。最後の直線を右手前で走れる左回りはいい』とコース替わりを歓迎。これまでの以上の走りを見せられるのではないでしょうか」
単に左回りであれば、輸送のない東京競馬場のレースに参戦すればいいと思うが、松田記者によれば、中京競馬場だからこその利点もあるという。
「今の中京は馬場が荒れていて、時計のかかるタフな馬場。そして、ジャンカルドは過去2戦、やや重の馬場で好走しています。切れ味勝負よりも、ロングスパート戦となりそうな馬場が味方になるのではないか、と踏んでいます。
武井調教師も、『ヨーイドンの競馬は向いていないけど、中京は(馬場が)荒れている分、都合がいい。最終追い切りも、今までの中では一番折り合えた。1週前の稽古では行きたがっていたけど、それが"ガス抜き"になっていたのかな。先週末の坂路もリズムよくいけた。皐月賞を意識しているので、ここで結果を』と色気を見せています。一発あっても不思議ではありません」

きさらぎ賞で重賞制覇を狙うジャンカルド
ジャンカルドについては、デイリースポーツの大西修平記者も気になっているという。
「前走は勝ち馬から4馬身差の2着。マイペースの逃げ切りを許してしまいましたが、これは後続馬を意識するあまりの結果。仕掛けのタイミングが合わなかったもので、悲観する必要はありません。新馬戦とは一転、しっかりとスタートを決めて、2番手で折り合って競馬ができたことは収穫でした。
デビュー2戦がやや重の馬場状態でのレースでしたから、今の中京の力のいる馬場も合いそうです。併せ馬だった1週前追い切りは、序盤に折り合いを欠く場面がありましたが、強めに追ったこともあって、ガスが抜け、単走だった最終追い切りではスムーズな走りを見せました。
手前を頻繁に変えていたデビュー2戦の内容から、左回りがプラスに出る可能性も大。うまく発馬を決めてリズムよく運べれば、重賞制覇のチャンスも十分にあると思います」
松田記者と大西記者は、このジャンカルドの他にも推奨馬がいるという。松田記者は、人気落ちの関東馬をオススメする。
「ドゥラモンド(牡3歳)です。新馬戦(7月11日/福島・芝1800m)→1勝クラスのアスター賞(9月12日/中山・芝1600m)と連勝後、GI朝日杯フューチュリティS(12月20日/阪神・芝1600m)に挑みましたが、7着という結果に終わりました。課題の発馬は改善されていましたが、休み明けに加えて、持ち時計がない同馬にとっては、レコード決着となったレースはさすがに厳しかったと思います。
ジャンカルド同様、デビュー2戦がやや重の競馬で、どちらかといえばタフな消耗戦で持ち味が生きるタイプ。間隔の詰まる今回は上積みも見込めます。
同馬を管理する手塚貴久調教師も、『予定どおりにきているし、荒れた馬場もよさそう。何も言うことはない。あとは、前半の折り合いをジョッキーが気をつけてくれれば、距離は持つ』と自信の表情を浮かべていました。馬力が求められる中京・芝での巻き返しに期待が膨らみます」
一方、大西記者が推すのは、先行力があるタガノカイ(牡3歳)だ。
「前走の1勝クラス(1月5日/中京・芝2000m)では、今回と同じ条件での逃げ切り勝ち。現状はハナに立って揉まれない形がベストの印象で、強力な同型不在のここは、再び自分の形で運べそうです。
荒れた馬場もこなせるパワフルな走りが持ち味で、開催の進んだ今の中京コースも合うのでは。同馬を管理する宮徹調教師が『スピードの持久力がある』と話すとおり、序盤はゆったりと入って、自分のリズムで徐々に加速していく競馬ができれば、そう簡単には止まらないはずです。
父が2013年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(イギリス・芝2400m)の勝ち馬ノヴェリスト。母父がホワイトマズルで、スタミナを兼ね備えた血統であるのも頼もしい限りです。
最終追い切りも、栗東坂路で古馬3勝クラスのタガノプレトリアを相手に先着するなど、動き、状態ともに申し分ありません。無理することなくハナに立って、スムーズに逃げることができれば、押し切りがあっても驚けませんよ」
はたして、中京の重賞レースは再び波乱の決着となるのか。もしそうなら、ここに挙げた馬たちがその立役者になってもおかしくない。