デスタニー・アイアバ(オーストラリア)の全豪オープン(1月16~29日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)は、たった92分間しかもたなかった。しかしその間に彼女は、かけがえのない経験を積み、グランドスラム大会の本戦でプレーした初…
デスタニー・アイアバ(オーストラリア)の全豪オープン(1月16~29日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)は、たった92分間しかもたなかった。しかしその間に彼女は、かけがえのない経験を積み、グランドスラム大会の本戦でプレーした初の21世紀生まれの選手として歴史に名を刻んだのである。
アイアバは、モナ・バートル(ドイツ)に対する3-6 6-7(4)の敗戦から、本人よれば「生涯残るような経験」を引き出した。また彼女はコートに入る数日前に、女子テニス界でもっとも高名な人物からアドバイスを受け取っていたという。
彼女は今、ふたたびこの場所に戻って来ることを予期している。
「これは、私にとって最初で最後の機会ではないわ」
今季最初のグランドスラム大会にワイルドカード(主催者推薦)で出場した16歳の高校生、アイアバは言った。
「これからたくさんの機会がやってくるから」
先週、アイアバは、グランドスラムで22回優勝した偉人であり、自分のキャリアのインスピレーションでもあったセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と短い練習セッションを行う機会に恵まれた。
5歳のときから憧れていたアイドルとの経験を「人生最高の日のひとつ」と表現したアイアバは、セレナがよいアドバイスを与えてくれた、と明かした。
「セレナは私に夢は大きく持つように、と言ったの。そうすれば大きなことをやってのけられる、と」。そうアイアバは言った。「彼女はとてもいい人だった。彼女とラリーをすることができたのは、本当にいい経験だったわ」。
アイアバは1回戦を、コート2の騒がしい何百人というファンの前で戦った。
「私を応援してくれる多くの観客たちの前でプレーすることは、とても楽しかった」とアイアバ。
「私は何も驚かないわ。コート上で冷静さを保つ方法を学んだのだと思う。前ほど急ぐようなこともなくなったし。言うまでもなく、今日は負けてしまったけど、今年の残りと、そこで私を待っているものを楽しみにしているわ」
この試合が終わった少しあとに彼女を待っていたのは、1回戦敗退者に与えられる“3万7500ドル”の賞金だった。敗戦を祝う予定はなかったアイアバは、「そのことに気持ちを集中させたくないし、満足する気もない」と言った。(C)AP