オーストラリア・メルボルンで開幕した「全豪オープン」(本戦1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス1回戦に、アンディ・マレー(イギリス)、スタン・ワウリンカ(スイス)、錦織圭(日本/日清食品)、ロジャー・フェデラー(スイス)、マ…

 オーストラリア・メルボルンで開幕した「全豪オープン」(本戦1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス1回戦に、アンディ・マレー(イギリス)、スタン・ワウリンカ(スイス)、錦織圭(日本/日清食品)、ロジャー・フェデラー(スイス)、マリン・チリッチ(クロアチア)、トマーシュ・ベルディヒ(チェコ)らが登場し、いずれも2回戦へ進んだ。

 第1シードのマレーはここでの5度(2010、2011、2013、2015、2016年)の決勝のうち、最後の2度を含め4度、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れている。しかし昨年の、あのラストスパートにより、ジョコビッチを追い抜いて世界1位の座を手にしたとき、その長年の友人からマレーは何かを取り去ってしまったようだ。

 マレーは昨年、2度目のウィンブルドン優勝とリオ五輪金メダル獲得でテニス界の頂点を極めた殊勲を認められ、国家の功労者に与えられる叙勲制度においてエリザベス女王から勲爵士、ナイトの称号を授けられた。しかしマレーは、世界1位の座とナイトの称号が彼の何かを変えることはなく、これからも「同じプレッシャー、同じ期待に直面するだろう」と言った。

 だが、マレーはひとつだけ、何としても変えたいと思っていることがあるという。

 「僕はまだ一度もここで優勝したことがないんだ。それを今年変えられるように努めるつもりだ」とマレー。

 彼がいるドローのトップハーフには、第4シードのワウリンカ、第5シードの錦織、第7シードのマリン・チリッチ(クロアチア)、第10シードのベルディヒ、第17シードのフェデラーらがいる。

 1回戦でマレーはイリヤ・マーチェンコ(ウクライナ)を7-5 7-6(5) 6-2のストレートセットで破ったが、ワウリンカ、錦織、チリッチの3人はいずれも厳しい1回戦を戦った。フェデラーは、ナイトマッチでユルゲン・メルツァー(オーストリア)を7-5 3-6 6-2 6-2で倒し、6ヵ月ぶりのツアーレベルの公式戦を無事に勝利で飾った。

 全米チャンピオンのワウリンカは、マーガレット・コート・アリーナのナイトマッチで、世界35位のマルティン・クーリザン(スロバキア)と激しく競り合い、4-6 6-4 7-5 4-6 6-4のフルセットの末に、なんとか2回戦に駒を進めた。

 第5セットの第9ゲームでワウリンカは、クーリザンの打った柔らかなハーフボレーをスマッシュでとらえ、クーリザンの体に向かって打ち込んだ。ショットはフレームに当たってわずかにクーリザンの腹部を外し、ワウリンカは慌ててネットを越えて、クーリザンにケガはないか確かめた。それから彼はプレーに戻ってサービスをキープし、次のクーリザンのサービスゲームでブレークを果たして、3時間24分におよんだ試合に終止符を打った。

 一方、錦織はアンドレイ・クズネツォフ(ロシア)を7-5 1-6 6-4 7-6 (6) 6-2で倒すのに3時間半を必要とした。またチリッチもジャージー・ヤノビッチ(ポーランド)に対して2セットダウンから挽回し、4-6 4-6 6-2 6-2 6-3のフルセット、3時間4分を必要とした。対照的にベルディヒは、1セットしかプレーせずに試合を終えた。対戦相手のルカ・ヴァンニ(イタリア)が途中棄権したとき、ベルディヒは6-1でセットを取ったところだった。

 第14シードのニック・キリオス(オーストラリア)は昨年、上海でのやる気のないプレーをした罰として課せられた出場停止期間から戻り、ガスタン・エリアス(ポルトガル)を6-1 6-2 6-2と素早く破って、母国のグランドスラム大会の初戦を勝利で飾った。

 そのほか第12シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)、第19シードのジョン・イズナー(アメリカ)、第23シードのジャック・ソック(アメリカ)、第27シードのバーナード・トミック(オーストラリア)、第29シードのビクトル・トロイツキ(セルビア)、第31シードのサム・クエリー(アメリカ)らが2回戦に進んでいる。

 だが、第16シードのルカ・プイユ(フランス)が予選勝者のアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)に0-6 6-3 3-6 4-6で、第26シードのアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)がルーカス・ラッコ(スロバキア)に6-4 5-7 6-1 4-6 3-6で敗れた。(C)AP(テニスマガジン)