2021年ブレイクするのはこの選手だ!(セ・リーグ編) 昨年のセ・リーグは、ルーキーの森下暢仁(広島)が2ケタ勝利を挙げ…
2021年ブレイクするのはこの選手だ!(セ・リーグ編)
昨年のセ・リーグは、ルーキーの森下暢仁(広島)が2ケタ勝利を挙げて新人王を獲得し、高卒2年目の戸郷翔征(巨人)もローテーション投手としてチームのリーグ連覇に貢献。また、4年目の佐野恵太(DeNA)が不動の4番として首位打者に輝くなど、大きな飛躍を遂げてみせた。はたして、今季のセ・リーグでブレイクする選手は? 識者30人に聞いた。
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高卒1年目の昨年、プロ初打席初安打を記録したDeNA・森敬斗
森敬斗(DeNA/2年目/19歳)
「バッティングに柔らかさがあって、力強さも兼ね備えている。足も速いし、守備も安定している。とにかくポテンシャルが高く、一軍で使っていけばしっかり結果を残すと思う」(解説者/齊藤明雄氏)
「昨年、イースタンリーグの試合を見た時、打ったあとの第一歩のキレ、次の塁を狙う貪欲な姿勢に魅力を感じた。人的補償でジャイアンツから移籍してきた田中俊太が加わったショートのレギュラー争いは、大和、倉本寿彦、柴田竜拓と多士済々。それでも昨年、二軍監督として森を見てきた三浦大輔監督なら、近い将来、ベイスターズの『1番ショート』を任せられる森を我慢して起用し続けるのではないか。そして試合に出続けることさえできれば、森は一軍で結果を出すだけのポテンシャルを備えている」(ライター/石田雄太氏)
「俊足と強肩に加えて、バットコントロールがすばらしい。ベイスターズのショートは、若手選手の台頭が期待されるポジションでもある。三浦大輔監督が率いる新チームを象徴するような選手になってほしい」(ライター/白鳥純一氏)
「昨年はシーズン終盤に一軍昇格を果たし、プロ初安打もマーク。高卒2年目の今シーズンは、三浦新監督のもと一気にレギュラー奪取を狙いたい。走攻守で高いレベルを持ち、チームのキーマンになり得る存在」(ライター/佐々木享氏)

昨年ファームで本塁打、打点、最高出塁率の三冠を達成したDeNA・細川成也
細川成也(DeNA/5年目/22歳)
「昨シーズンはファームで本塁打、打点、最高出塁率の3冠を達成するなど、いよいよ機は熟しつつある。ルーキー時代から力強いバッティングは注目されていたが、その一方でボールの見極めが甘く、穴も多かった。しかし昨年はその課題をクリア。梶谷隆幸が抜けたことも細川にとっては大チャンス」(ライター/石塚隆氏)
「昨季ファーム3冠と二軍では格の違いを見せつけた。梶谷隆幸のFA移籍、ロペス退団で外野を守れる右の長距離砲は埋めるべきポイントになるが、それを担う選手が細川だと思う。ポジション争いは熾烈だが、勝ち抜くだけの素質は間違いなくある」(ライター/森大樹氏)
「昨年はイースタンリーグで3冠を達成。打率も.318でリーグ4位の成績を残した。思い切りのよさに確実性が備わってきた印象。梶谷隆幸が去って外野の一枠を狙えると思う」(ライター/高橋安幸氏)

プロ初勝利を目指す高卒2年目のヤクルト・奥川恭伸
奥川恭伸(ヤクルト/2年目/19歳)
「昨シーズン終盤に一軍で投げた試合を見ましたが、十分やっていける力があることはわかりました。これまで桑田真澄(元巨人など)やダルビッシュ有(パドレス)が高卒2年目にブレイクして一気に球界のエースへと上り詰めましたが、奥川投手もその可能性は大いにあると思います」(解説者/西山秀二氏)
「ルーキーイヤーの昨年は大事に育てられた印象があったが、今年はローテーションの一角を担っても不思議ではない。ストレート、変化球とも一軍でやっていけるレベルにあると思う。ヤクルト先発陣は層も薄く、飛躍するチャンスは十分ある。シーズンを通して投げることができれば、2ケタ勝利も夢ではない」(野球専門誌記者)
「体も大きくなってきて、ボールに力強さが出てきた。もともと制球力に苦しむタイプではなく、洞察力にも長けており、しっかり試合をつくれるピッチャーだと思う。プロ初勝利はおろか、2ケタも期待できる」(在京球団番記者)

昨季ファームながらチームトップタイの4勝を挙げた阪神・西純矢
西純矢(阪神/2年目/19歳)
「創志学園(岡山)時代から見てきましたが、身体能力が高く、タフさも兼ね備えている。昨年はファームとはいえしっかり実戦経験が積めたし、それが今シーズンに生きてくるはず」(解説者/副島孔太氏)
「ストレートの速さに定評があったが、そこにキレが加わった印象がある。阪神の先発陣はストレートで勝負できる本格派が少ないだけに、チャンスは大いにある」(ライター/谷上史朗氏)

昨年、高卒1年目ながら14試合に出場した中日・石川昂弥
石川昂弥(中日/2年目/19歳)
「ルーキーイヤーの昨年、一軍の試合に出てプロのレベルの高さを痛感したと思うが、もともと野球センスが抜群で、ポテンシャルも高く、その経験を糧にレギュラー奪取の期待がかかる。プロの体づくりをしっかりして、ゲームに慣れていけば、すばらしい成績を残してくれると思う」(解説者/秦真司氏)
「バットを振れるというのが最大の特長で、ミート力もある。二軍で経験を積ませるという考えもあるが、レベルの高いところでプレーを続けていると、いつの間にかそこに馴染んでいるような気がする。首脳陣が我慢強く起用すれば、一気にチームの中心選手となる可能性はある」(在阪球団番記者)

今シーズンから背番号18となった中日・梅津晃大
梅津晃大(中日/3年目/24歳)
「ポテンシャルが高く、ハマった時のストレートは手がつけられないほどすばらしい。経験という部分で不安はあるが、言い換えればまだまだ伸びしろがあるということ。個人的にはリリーフで起用するのも面白いと思う。そうすることで視野が広がるし、投手として新たな発見を得られると思う」(解説者/吉見一起氏)
「持っているポテンシャルはこんなものじゃない。90%発揮することができれば、15勝はできると思う」(ライター/高木遊氏)
横川凱(巨人/3年目/20歳)
「高卒2年目の昨年、一軍の先発マウンドを経験。190センチの長身から投げ下ろす角度のあるストレート、マウンド度胸に大きな可能性を感じました。先発ローテーションに入っていけるだけの力はあると思いますし、左が手薄なジャイアンツにとっては希望の光となるでしょう」(解説者/鈴木尚広氏)
堀岡隼人(巨人/5年目/22歳)
「昨年ファームの試合を見て『こんなにたくましいボールを投げるのか』と驚かされました。一軍ではまだ本来の力を発揮できていない印象ですが、しっかり経験を積めば、今季はブレイクするのではないかと思います」(ライター/菊地高弘氏)
小幡竜平(阪神/3年目/20歳)
「掛布雅之以来となる高卒2年目以内での20安打以上をマーク。肩の強さと守備範囲の広さは抜群で、走塁も含めて身体能力の高さを感じさせるプレーを随所に見せた。守備に安定感と打撃の力強さが出てくれば、遊撃のレギュラーを狙える」(ライター/浜田哲男氏)
井上広大(阪神/2年目/19歳)
「高卒1年目の昨年、ファームとはいえ9本塁打、36打点は立派のひと言。打席での修正力があり、スイングの軌道もすばらしい。一軍での経験を積んでいけば、近い将来、阪神の中軸を担える選手になるだろう」(ライター/井上幸太氏)
佐藤輝明(阪神/1年目/21歳)
「恵まれた体からあの力強いスイングは、それだけでお客を呼べる。プロの変化球、制球力に最初は苦しむかもしれませんが、それを克服できるだけの可能性を秘めた選手だと思います。チームだけでなく、球界を引っ張っていく存在になってほしい」(解説者/森福允彦氏)
清水達也(中日/4年目/21歳)
「140キロ台後半のストレートでしっかり勝負ができ、カーブの精度も高く、緩急を使ったピッチングができる。また、空振りが取れるフォークがあるのも魅力。6回途中無失点だった昨年10月11日の巨人戦のような投球がコンスタントにできれば、2ケタ勝利も不可能ではない」(ライター/田口元義氏)
蝦名達夫(DeNA/2年目/23歳)
「昨シーズン、不動のリードオフマンとして奮闘した梶谷隆幸がFAで巨人に移籍し、外野のポジションがひとつ空いた。昨年、セ・リーグ首位打者の佐野恵太、65試合で20本塁打を放ったオースティンが両翼を占めそうで、センターのポジションを神里和毅らと争う格好になりそうだ。足、肩、守備力は神里にヒケを取らないし、実戦力、強靭な体力も魅力。なによりチーム待望の右打ちの大砲候補である。佐野のように使いながら育てる育成法で一本立ちしてほしい」(ライター/安倍昌彦氏)
中村奨成(広島/4年目/21歳)
「2017年夏の甲子園でさまざま記録を塗り替えるなど、あの衝撃はいまも忘れられない。勝負の4年目を迎えて、今年こそプロ入り前の見込みと現実との大きなギャップを乗り越えてくれるのではないかと期待している」(ライター/元永知宏氏)
田中法彦(広島/3年目/20歳)
「昨年ウエスタン・リーグで12セーブを挙げて、セーブ王に輝いた。身長173センチと上背はないが、躍動感のある投球フォームで力強い真っ直ぐを投げ込む。ソフトバンクの森唯斗のような投手になっていければ面白い。広島はリリーフ陣の強化が課題のひとつなので、今季は登板機会が一気に増える可能性がある」(ライター/田尻耕太郎氏)
高橋昂也(広島/5年目/22歳)
「2019年2月にトミー・ジョン手術を受け、昨年、実戦復帰を果たした。11月のフェニックスリーグでは144キロをマーク。高校時代から左打者の内角にフォークを投げて空振りを奪うなど、投球センスは抜群。リハビリ期間中にパワーアップし、高卒5年目の飛躍に期待」(ライター/中島大輔氏)
寺島成輝(ヤクルト/5年目/22歳)
「プロ入り後は暗中模索の状態が続いているが、昨シーズンは光明が差し込んだ。堂々とした雰囲気も戻り、今年は再び先発のポジションからスタート。プロ4年間で積み重ねた経験を今年こそ見せつけてくれるはず」(ライター/島村誠也氏)
廣岡大志(ヤクルト/6年目/23歳)
「プロ6年目、もうそろそろだろう......。毎年シーズン終盤に見せるポテンシャルの高さを、今年こそ年間を通じて発揮してほしい。あの夢のような豪快な一打。天性のスター性の開花はすぐそこに!」(ライター/長谷川晶一氏)
濱田太貴(ヤクルト/3年目/20歳)
「一軍レベルの投手の変化球への対応などまだ課題はあるが、スイングの力強さは現役選手のなかでトップクラス。世代交代が急務のチームにおいて、濱田の能力は魅力に溢れている。村上宗隆とともにヤクルト打線を牽引してほしい」(ライター/加来慶祐氏)
武岡龍世(ヤクルト/2年目/19歳)
「昨年は高卒ルーキーながら一軍で5試合に出場。菅野智之(巨人)からプロ初安打を放つなど、センスのよさを示した。2年目の今季は先輩・川端慎吾の自主トレに帯同し、さらなる飛躍が期待される」(ライター/永田遼太郎氏)