あのスーパースターはいま(5)後編 前編を読む>> イングランドのW杯デビュー最年少記録を打ち立て(1998年)、ワンダ…
あのスーパースターはいま(5)後編
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イングランドのW杯デビュー最年少記録を打ち立て(1998年)、ワンダーボーイと呼ばれたマイケル・オーウェンは、ちょっと変わったビジネスをしている。競馬好きが高じて、ついには厩舎のオーナーになったのだ。
オーウェンの厩舎は故郷のチェシャー州にある「マナーハウス・ステーブルス」。巨額の費用と長い時間をかけ、2007年には30頭だった競争馬も、現在は100頭に届くという。
「競馬はサッカー以上に神経をすり減らすスポーツだ。それだけにアドレナリンの出方がハンパない」
厩舎からはすでに多くの優勝馬が出ているのが、その中でも白眉はブラウンパンサーという馬だ。2014年にはアイリッシュセントレジャーで初のG1制覇を達成し、2015年にはドバイゴールドカップ(G2) を制している。
また、オーウェンは2017年、自らが騎手となってアスコット競馬場のチャリティーレースに出場している。それ以前は一度も騎手として競走馬に乗ったことがなかったにもかかわらず、数カ月間にわたって練習を重ね、体重を落とし、見事に2位を勝ち取った。やはり選手時代の体幹の強さがものを言ったのかもしれない。
レース後には、チャールズ皇太子とカミラ夫人から表彰された。「馬に乗ってこんなに速く走ったのは初めてだった」と、オーウェンは「BBC」のインタビューに答えている。
ちなみに、イングランドには競走馬のオーナーとなっている選手が意外に多い。先ごろ引退を発表したウェイン・ルーニーも、妻と共同名義で何頭かの競走馬を持っており、オーウェンの厩舎に預けている。
また、オーウェンは日本の競馬にも詳しく、ツィッターにはしばしば有馬記念やジャパンカップなどについてのコメントをしている。今後はもっと馬を増やし、施設を充実していきたいそうだ。

現役引退後、コンドーム販売の会社を設立したファウスティーノ・アスプリージャ(コロンビア)
続いてはホルヘ・カンポス。自らがデザインしたド派手な色と奇抜なデザインのユニホームでゴールを華やかせたメキシコ代表のGKだ。小柄ではあるが(170センチないとも言われていた)、身体能力が高く、どんなボールにもよく反応する。アグレッシブで、時にペナルティエリアから大きく飛び出してプレーした。
実際、彼はFWも兼任しており、1996年、LAギャラクシーでプレーしていた時には、試合途中にピッチ脇でユニホームを着替え、フィールドプレーヤーに変身したこともあった。
引退後は、テレビの解説者を務めるかたわら、トルタのチェーン店「スポルトルタス・カンポス」を経営している。トルタとはメキシコ風のバンズに具を挟んだサンドイッチでメキシコ人のソウルフードだ。
この店では、メニューにサッカー選手にちなんだ名前が付けられている。例えば「ペレ」ならチョリソー、ハム、ケシージョ(裂けるチーズ)のトルタ。「メッシ」は少し豪華にローストビーフ、ハム、レタス。「マラドーナ」はもも肉、ハム、チーズでボリューム満点だという。
W杯に3回の出場を果たしたオーストラリアのMFマーク・ブレッシアーノ。ティム・ケーヒルとともに長くオーストラリア代表を牽引し、W杯予選などで日本代表と何度も対戦したことは記憶に新しい。
ブレッシアーノは引退した後、メルボルンに住み、パートナーの女性とともに大麻農家をしている。もちろん違法なものではなく、きちんとライセンスを取った医療用に使う大麻だ。農場の名前は「グリーンホープ」という。
しかし、「農場を開くまでには長い道のりがあった」と、ブレッシアーノはイギリスの「ザ・サン」紙に語っている。カナダやアメリカ、ヨーロッパなど、大麻栽培が普及している国に何度も学びに行ったという。「引退し、サッカーができなくなって寂しかったが、ここでまた新たな情熱を見つけた」と、語っている。
最後はテクニック、スピード、身体能力、そして発想、すべてが規格外だったコロンビア代表のファウスティーノ・アスプリージャだ。長い足を自在に伸ばしてボールをコントリールすることから、オクトパスとも呼ばれた。
パルマやニューカッスルで活躍した彼は、引退した後も規格外だった。2014年にコンドーム会社「ティーノ・コンドネス」を立ち上げたのだ。設立当時、彼はコロンビアのラジオ「La FM」に次のように語っている。
「これはすごくクールなアイデアだと思う。無防備なティーンエイジャーを望まない妊娠からも助けることができる」
「ティーノ・コンドーネス」はサイズとフレーバーが豊富なことが売りだという。香りはイチゴやチョコなどたくさんあるが、アスプリージャのお勧めはグアバだ。
「子供の頃、家の庭にグアバの木があったんだが、すごくいい匂いだった。ロマンチックなシーンにはもってこいだと思うね」
昨年、コロナ禍の影響で世界でも有数のシェアを誇るマレーシアのコンドーム会社が倒産した。そのため、世界ではコンドームが不足する可能性があるという。そこでアスプリージャは各地で寄付活動を行ない、また、コンドームを1個買えばもう1個が無料になるというキャンペーンを始めた。
アスプリージャはツイッターで、コンドームでいっぱいの自宅リビングからこんなメッセージを送っている。
「うちには山のようなコンドームがあるが、さすがに自分ひとりじゃ使いきれない。だから半額にしました」