2021年ブレイクするのはこの選手だ!(パ・リーグ編) 昨シーズン、パ・リーグは栗原陵矢(ソフトバンク)が6年目のブレイ…

2021年ブレイクするのはこの選手だ!(パ・リーグ編)

 昨シーズン、パ・リーグは栗原陵矢(ソフトバンク)が6年目のブレイクを果たし、2年目の平良海馬(西武)が新人王を獲得。またルーキーの小深田大翔(楽天)も1年目からチームに欠かせない戦力となり、育成から支配下となった和田康士朗(ロッテ)も足のスペシャリストとして存在感を示すなど、新戦力の台頭が目立った。そこで今シーズン、飛躍が期待される選手は誰なのか? 解説者、ライター、記者など、識者30人に2021年ブレイク候補を挙げてもらった。



昨シーズン終盤に一軍昇格を果たしCSでも活躍したロッテ・藤原恭大

藤原恭大(ロッテ/3年目/20歳)

「もともと入団1年目でスタメンに抜擢されたように、センスは抜群。そこに強さと確実性が加わった。とにかく振れるというのは、それだけで大きな武器。近い将来、安田(尚憲)選手らとともにロッテを牽引していく存在になるはず。それだけに今年は1年を通して一軍でフルに戦ってほしい」(解説者/山本昌氏)

「昨シーズン終盤の活躍は、今季への布石か。バッティングだけでなく、走塁技術も身につけており、将来的にトリプルスリーの期待もかかる。あとは井口資仁監督が我慢強く起用できるかどうか」(ライター/石塚隆氏)

「昨年10月14日の楽天戦で涌井秀章から先頭打者本塁打を放ったように、出塁が求められる1番でも『甘い』と思えば初球から積極的にスイングできる姿勢に、飛躍の可能性を見た。守備、走塁の技術は折り紙つきで、レギュラーとして起用すれば間違いなくチームの戦力になるはず」(ライター/田口元義氏)

「ストレートに振り負けない力強さが出てきた。また、左腕の変化球を逆方向に運ぶなど、対応力も向上。CSでは大事な局面で盗塁を試みるなど、打撃だけでなく足でも攻める姿勢を貫いた」(ライター/浜田哲男氏)

「チームがコロナ禍に巻き込まれた昨年10月に一軍に昇格し、CSを含む28試合に出場。打率.260、3本塁打、得点圏打率.316の成績を残した。優勝争いを経験したことも大きな糧とし、今年の飛躍につなげそうな気がする」(ライター/島村誠也氏)



楽天期待のゴールデンルーキー・早川隆久

早川隆久(楽天/1年目/22歳)

「明確な目標を持って大学に進学し、そのとおり心身とも鍛えてプロの世界へと進んだ。大学4年間で習得したウイニングショットが、プロの世界でどこまで通用するのか期待したい。順調にいけば開幕ローテーション入りすると思います」(解説者/秦真司氏)

「最速155キロのストレートだけじゃなく、変化球のキレも一級品。打者の両サイドにきっちり投げられるし、マウンドさばきも申し分ない。ルーキーとはいえ完成度が高く、ケガがなければ2ケタ勝利の可能性は十分にある」(解説者/齊藤明雄氏)

「昨年セ・リーグ新人王に輝いた森下暢仁のように、1年目からローテーションに入って、2ケタ勝利を挙げると思う。150キロを超すスピードボールがあるが、それに頼らず、常に勝てるピッチングをしようとしているところがすばらしい」(野球専門誌記者)



昨シーズン113試合に出場したロッテ・安田尚憲

安田尚憲(ロッテ/4年目/21歳)

「2020年の"プチ"ブレイクから、今シーズンは本格覚醒の年と信じたい。2020年の開幕直後に初めてインタビューをしたが、そのクレバーなやり取りと愛嬌に魅了された。柳田悠岐との自主トレを経て、さらなるブレイクを!」(ライター/長谷川晶一氏)

「まだ脆さはあるが、高校時代に見せていたスケールの大きいバッティングが復活。遠くへ飛ばせるというのが最大の魅力で、今年は2ケタ本塁打を期待したい。試合に出続けることで、まだまだうまくなっていく選手だと思う」(ライター/谷上史朗氏)

「井口資仁監督が我慢して起用したこともあって、対応力という点でかなり成長した。長打力もあるし、近い将来、間違いなくロッテの中軸を打つ選手。まずは今シーズン、20本塁打を目標にしてほしい」(在京球団番記者)



ルーキーイヤーの昨年、10試合に出場しプロ初安打も記録した楽天・黒川史陽

黒川史陽(楽天/2年目/19歳)

「内野が磐石なイーグルスではなかなか試合に出るのは難しいかもしれないが、誰かにアクシデントがあって出番が巡ってきた時、黒川にはその一度きりのチャンスを生かして、一気に外せない戦力になるだけの爆発力がある。甘い球を一発で仕留める思い切りがありながら、ボール球に手を出さないのは手が最後まで残るから。高卒2年目に129試合に出場して107安打を打った前田智徳の柔らかさと、やはり高卒2年目で全試合出場を果たして20本のホームランを放った松井秀喜の力強さとを併せ持っているのが黒川なのだ。浅村栄斗をDHに固定してでもセカンドを任せたくなる魅力が黒川には備わっている」(ライター/石田雄太氏)

「昨年、ファームで安定したバッティングを見せ、一軍でも10試合に出場して2安打。高卒2年目の今年は、長打力を秘めた打撃でレギュラーを獲得する可能性もある。野球に対する姿勢もすばらしく、まだまだ成長していく選手だと思う」(ライター/佐々木享氏)



2016年は52試合に出場した日本ハム・淺間大基

淺間大基(日本ハム/7年目/24歳)

「弾きのいい打球を見ると、二軍にいるべき選手ではないと感じる。二軍では盗塁できるようになってきているし、レギュラーになる実力は十分ある。西川遥輝の残留で外野の層は厚いままですが期待したい」(ライター/菊地高弘氏)

「バッティングに力強さが出てきた。二軍ではもうすることがなさそうなので、今年こそ一軍でやってくれそうな予感がします」(ライター/井上幸太氏)



昨年11月、プロ初勝利を挙げたオリックス・宮城大弥

宮城大弥(オリックス/2年目/19歳)

「高卒2年目だが、完成度の高いピッチングが魅力の左腕。真っすぐの角度も、スライダーの曲がりも、チェンジアップのキレも一軍で通用すると思います」(解説者/森福允彦氏)

「昨年は高卒ルーキーながら3試合に先発するなど、飛躍への足がかりをつかんだ。ストレートの最速は150キロを超えるし、変化球のキレもすばらしい。勝てる投手の要素を備えているピッチャーだと思います」(在京球団番記者)

高橋純平(ソフトバンク/6年目/23歳)

「指にかかった時のストレートは一級品。パ・リーグの強打者といえども、そう簡単に打てるボールではない。もっと経験を積めば、チームにとって欠かせない戦力となるはず」(解説者/藤田宗一氏)

砂川リチャード(ソフトバンク/4年目/21歳)

「昨シーズン、ウエスタン・リーグで本塁打と打点の二冠に輝く。もともとのんびり屋の性格だが、今季から就任した小久保裕紀ヘッドコーチに鍛えられ、さらに才能が飛躍するきっかけになるのではないか。昨年同様、松田宣浩の不調が続けば、一気に三塁のレギュラーを奪い取る可能性も」(ライター/田尻耕太郎氏)

杉山一樹(ソフトバンク/3年目/23歳)

「ルーキーイヤーだった2019年のキャンプで見たブルペンでの投球が忘れられない。スピードはもちろん、ボールの強さ、迫力がずば抜けていた。昨年は中継ぎで11試合に登板したが、今年はいよいよ本格化するシーズンになりそう」(ライター/加来慶祐氏)

水谷瞬(ソフトバンク/3年目/19歳)

「昨年、ウエスタンリーグの試合を見て驚いた。長い腕を体に巻きつけるようにしならせる柔軟なスイングから、左中間フェンスを直撃した打球の伸びはすばらしかった。それ以上にベースランニングでのストライドの大きさとスピード感に目を奪われた」(ライター/安倍昌彦氏)

山口航輝(ロッテ/3年目/20歳)

「昨年秋のフェニックスリーグで放った豪快なホームランに進化の跡を感じた。今季のロッテは右打ちの野手が手薄なだけにチャンスをものにしてほしい。将来の中軸候補」(ライター/永田遼太郎氏)

佐藤都志也(ロッテ/2年目/23歳)

「ルーキーイヤーの昨年は60試合に出場。代打で放ったプロ初安打がサヨナラ打になるなど、代打での通算打率.310と勝負強さが光った。打てる捕手としてブレイクに期待したい」(ライター/高橋安幸氏)

渡部健人(西武/1年目/22歳)

「大学時代に彼のバッティングを見ましたが、リストの使い方が柔らかく、センター中心の打撃ができて、遠くに飛ばせる。パ・リーグ投手の150キロを超えるストレートに対応できるようになれば、強力な西武打線でも中軸を打つだけの力はあると思います」(解説者/副島孔太氏)

鈴木将平(西武/5年目/22歳)

「昨年はシーズンを通して活躍することはできなかったが、スイングの速さやアグレッシブなプレーが印象に残った。持ち前の身体能力の高さは魅力十分。ぜひ才能を開花させてほしい」(ライター/白鳥純一氏)

小郷裕哉(楽天/3年目/24歳)

「下位指名ながらツボにハマった時の打撃は抜群。プロの水にも慣れた3年目の今季は得意の打力を生かし、ブレイクの予感が漂う」(ライター/高木遊氏)

野村祐希(日本ハム/3年目/20歳)

「昨年は高卒2年目ながら開幕スタメンをつかみ、本塁打を記録するなど大器の片鱗を見せたが、骨折により長期離脱を余儀なくされた。シーズンを通して出場すればどれくらいの結果を残すのか。そのためにも守備面の改善は必要だが、大きな可能性を秘めているのは間違いない」(ライター/森大樹氏)

中川颯(オリックス/1年目/22歳)

「2017年春に立教大学に入学。1年生ながら抑えの切り札として18年ぶりのリーグ優勝、59年ぶりの日本一に貢献したアンダースロー。その後は伸び悩んだが、大学で酷使されなかったことが、プロではプラスに作用するのではないか」(ライター/元永知宏氏)

漆原大晟(オリックス/3年目/24歳)

「大卒1年目の2019年にウエスタン・リーグでセーブ王に輝き、昨年支配下登録。最速152キロの速球と落差のあるフォークを武器にし、昨季は23.2イニングで30奪三振。勝負度胸とクレバーさを併せ持ち、2021年は開幕時から勝利の方程式に組み込まれても不思議ではない」(ライター/中島大輔氏)