昨季限りで巨人を戦力外となった加藤健氏が16日、新潟市内で記者会見し、独立リーグ・ルートインBCリーグの新潟の球団社長補佐に就任すると明かした。■故郷のBC新潟フロント入り、長く現役を続けられたワケを会見で明かす 昨季限りで巨人を戦力外とな…

昨季限りで巨人を戦力外となった加藤健氏が16日、新潟市内で記者会見し、独立リーグ・ルートインBCリーグの新潟の球団社長補佐に就任すると明かした。

■故郷のBC新潟フロント入り、長く現役を続けられたワケを会見で明かす

 昨季限りで巨人を戦力外となった加藤健氏が16日、新潟市内で記者会見し、独立リーグ・ルートインBCリーグの新潟の球団社長補佐に就任すると明かした。

 1998年ドラフト3位で入団した巨人一筋で18年間プレー。正捕手・阿部慎之助の壁は厚く、1軍通算185試合出場にとどまったが、戦力外・現役引退選手の平均年齢が30歳前と言われる中で35歳までプレーした。約50分に及ぶ記者会見では、長く現役を続けられた理由を明かした。

「18年やってこられましたけど、巨人に入団してキャンプに行った時は『本当にすごい所に入ったな』と思いました。1か月後、2か月後に追い抜こうと思ってなかった。先のことを考えながら過ごしていた。目先のことだけでなく、もっと先のことを考えながら。逃げ道ではなく、何パターンか考えながら過ごしてもらえればと思います」

 加藤がプロ1年目だった99年は、長嶋茂雄監督(現・巨人軍終身名誉監督)の時代だった。投手では斎藤雅樹、桑田真澄、槙原寛己。野手では松井秀喜や清原和博、高橋由伸、広沢克実、仁志敏久、清水隆行、村田真一がいて、同期入団には上原浩治がいた。チームメートに圧倒されたというが、その「初心」を忘れずにやってきた。

「18年間はあっと言う間。野球も人間的にも成長させていただいた。この歳になるのは早いなと思いますし、野球をやっている時も『慣れ』というのが邪魔した時もあった。『どうすればいいのか』と思った時は過去のそういうこと(18年前)を忘れずに過ごしてました。高校生の時のことも思い出しながら頑張ってきた」

■カトケンが感じた捕手としての幸せ、「新潟に恩返ししたい」

 主に控えとして過ごし、2015年の35試合出場がキャリアハイ。それでも、試合を仕切る捕手としての幸せが現役を長く続けられた理由となった。

「思い出はたくさんあるが、ゲームセットになった瞬間にマウンドでみんなで集まる瞬間は何回味わってもうれしかった。ずっと頭の中にありました」

“新天地”では球団社長補佐として、野球少年向けの野球塾、チーム編成、営業面、運営面などに携わっていく。18年間の経験を惜しもことなく伝えていくつもりだ。

「新潟に恩返ししたいし、野球に携わっていきたい思いがあった。野球の楽しさ、厳しさもあるが、数多くの子ども達のいいきっかけになれば。18年間やってきたことが強みか分からないが、『18年間どうプレーしたか』を聞かれたら、たくさん話をしたいと思います。コミュニケーションを取りながら。僕は新たなスタートをして引き出しを増やしていきたいし、精いっぱい努力していきたいと思います」

 終始和やかな表情で会見を締めたカトケン。生まれ故郷の新潟で第2の人生のスタートを切った。