1月16日に開幕する「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月16~29日/ハードコート)。 ラファエル・ナダル(スペイン)に、すぐにテニスを諦めるプランはない。ジョハナ・コンタ(イギリス)は先週のシドニーでの圧倒的優勝を大げさ…

 1月16日に開幕する「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月16~29日/ハードコート)。

 ラファエル・ナダル(スペイン)に、すぐにテニスを諦めるプランはない。ジョハナ・コンタ(イギリス)は先週のシドニーでの圧倒的優勝を大げさに受け止めてはいないという。そして母国のグランドスラム大会で一度もいい成績を挙げたことのないサマンサ・ストーサー(オーストラリア)は大会前の準備が足りなかったからと、落ち込んではいない。

 以下は全豪開始前日の日曜に話された、選手たちの考えや印象だ。

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ラファエル・ナダル

 ラファには、早めの引退の予定はない。

 14のグランドスラム・タイトルを保持するナダルは長引いたふたつの故障をようやく乗り越えて、メルボルンにやってきた。彼は昨年、左手首の故障のため全仏3回戦を前に棄権したあと2ヵ月半の休止を強いられ、またシーズン末にもふたたびプレーを中止しなければならなかった。

 しかし彼に釣り具、あるいはゴルフクラブを取り出す準備があるのか――つまりテニス界から身を引く準備があるのか、と尋ねてはいけない。

「もし自分にハイレベルで戦える競争力があると信じていなければ――ここで僕が言う競争力とは、僕が過去10年間に目標として戦ってきたもののために戦うということだが――僕はいまごろ故郷でゴルフや釣りを楽しんでいることだろう」とナダル。「正直に言うよ。僕がここにいるのは、自分にモチベーションを与えるもののために戦える、と信じているからだ」。

 度重なる故障の前歴ゆえナダルは、今は痛みはまったくないのかと尋ねられた。

「ペイン・フリー(まったく痛みがないこと)?どういう意味だ?」と彼は言った。「僕はもう故障していない。もうずっと前から、ペイン・フリーだよ」。

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ジョハナ・コンタ

 シドニー生まれのイギリス人プレーヤーで、昨年の全豪で驚きの準決勝進出者となったコンタは先の金曜、世界3位のアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)を倒してシドニー国際に優勝した。あまりに圧倒的な勝利だったため、ラドバンスカにこう言わせたほどだったのである。

「このレベルで試合を通しこうも一貫性と安定性を持ち、こんなふうにプレーをする選手がほかにいたか、覚えていないわ。自分が何かまずいことをやったとは言えないと思う。ただただ、彼女が驚くべきテニスを披露していたのよ」

 コンタはこのような称賛をあまり読んではいない、と話している。

「もちろん、アガ(ラドバンスカ)のような選手を倒したということ、そして自分のプレーのレベルを嬉しく思ってはいるわ」とコンタ。「でも、それが定まったことではないというのは、皆が知っている通りよ。それは次の大会で自分がどんなプレーをするかを決めはしない。あの週全体からポジティブな部分を取るけれど、ここでふたたびハードワークを積み、自分にできる最良のプレーをしようと努めるつもりよ」。

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サマンサ・ストーサー

 彼女にとって15回目の全豪オープンに臨む、オーストラリア人女子としてもっともランキングの高いプレーヤーであるストーサーは、メルボルン・パークで一度も4回戦を超えたことがない。母国のグランドスラム大会に向けての彼女の準備はブリスベンとシドニーでの1回戦負けで、思うように進まなかった。

「起こったことは変えられないわ。事実は事実」

 前哨戦の早期敗退について、ストーサーはこう言った。

「事前に2試合しかできなかったからといって、脅えながら全豪1回戦に臨むつもりはないわ。前にも言った通り、自分にできるほかのことはすべてやった。もちろん、より多くの試合をプレーできていればよかったのは確かだけれどね。でも、私が年の最初の2週間にそのような状況におかれた唯一の選手じゃないことは、間違いないと思うわ」

 第18シードのストーサーの1回戦の相手は、ヘザー・ワトソン(イギリス)だ。

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シモナ・ハレプ

 第4シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)は昨年の全豪で1回戦負けを喫した。今年、彼女はロッド・レーバー・アレーナでシェルビー・ロジャーズ(アメリカ)に対し開幕試合をプレーするという栄誉に授かることになる。

「今年はよりよい成績を挙げられるよう祈っているわ。一番大きなスタジアムで、最初の試合をプレーするというのは特別なこと。(でも)私はあまりそういうことは考えていない。私はただそこに行き、戦わねばならない。対戦相手のことはかなりよく知っているわ」

 ハレプはふたりのこれ以前の唯一の対戦だった2015年全米オープン3回戦で、ロジャーズをストレートで破っている。

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トミー・ハース

 38歳のドイツのベテランは、2017年は彼にとってツアーで戦う最後の年になるだろうと言った。彼はインディアンウェルズの大会ディレクターの役を引き継ぐのである。1回戦でブノワ・ペール(フランス)と対戦するトミー・ハース(ドイツ)は多くの故障に苦しめられたキャリアのあと、いくらかの尊厳をもって退出したいと願っている。

 彼は一時は世界ランキング2位にまで至ったことがあり、15のATPツアー・タイトルを獲り、全豪で3度、ウィンブルドンで1度準決勝に進出。2000年シドニー五輪では銀メダルを獲得した。しかし彼のキャリアは2年前に肩の手術を、そして昨年半ばに足の手術を受けて以来、故障によって停滞させられていた。

「適切なとき、自分でもう終わりだと感じる、自分にとってふさわしい瞬間を見つける、というのは重要だと思うんだ。そして今、何か別のことをするときがきた」とハースは言った。

「僕にとって、ツアーに戻り、全豪オープンに戻るというのは重要なことなんだ。ここでプレーするのは久しぶりだ。もう一度コートに出ていき、戦うチャンスを得たことにワクワクしているよ」

 そして、自分のベストがもう一度すぐそこに待っていることを願いながらプレーし続けることに。

「僕らの多くがそうなんだが、夢を見るのが好きな人間であるとき、どこかの大きな舞台で、もしかしたらトッププレーヤーの誰かに対してふたたび自分のベストのレベルでプレーしたい、そして素晴らしい試合をやってのけたいと願うものなんだ」とハース。「そして、もしかしたらもう一度、大会の先の方まで勝ち進みたいと」(C)AP