「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/2月8日~21日/ハードコ…

「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/2月8日~21日/ハードコート)開幕が近づく中、厳格な体制のもとで隔離生活を送る選手たちの一部からその処遇に対して抗議の声が上がっているが、新型コロナウイルスに感染したことがあるグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)はより大きな視野を持つようにと呼び掛けている。豪ニュースサイトnine.com.auが伝えた。【動画】ディミトロフのスーパープレー集

2020年6月、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が主催する非公式大会「アドリア・ツアー」に出場していた複数の選手たちが、その後コロナの陽性反応を示した。世界でパンデミックが起きていた最中に開催されたこの大会では、出場者や観客でマスクをしている人は少数で、観客席はソーシャルディスタンスが徹底されておらず、選手たちはマスクなしでハグなどをしていた。

「アドリア・ツアー」出場者としてジョコビッチらとともに陽性者のリストに入ったディミトロフは、「全豪オープン」で厳しい隔離をされている選手たちの主張に一定の理解を示しつつも、自分の経験を交えながら、今はテニスよりも大きなことが起きているのだと語る。

「誰もがグランドスラムのために最高の準備をしたいと思っている。だから、厳しい隔離政策について批判することはできるが、そんなことをしても事態の解決にはならない。パンデミックの最中にありながらも、オーストラリアテニス協会は大会を開催するために素晴らしい働きをしてくれている。みんなが独自の意見を持っていてもいいけど、今世界で何が起きているのかを忘れてはいけない」

「テニスはコートで練習する必要がある。だけど、今の状況を考えてほしい。僕たちは皆、何かしらの犠牲を払わなければならないんだ」

「(感染は)誰にでも起こり得る。僕自身、去年感染し、3週間も家にいなければならなかった。感染したタイミングが良くなかったこともあり、いろんな視点から自分について考えたよ。すぐにツアーに戻って、自分の身を再び危険に晒すべきなのか、それとも長めに休むべきなのかとかね」

「最初はいろいろと戸惑うこともあった。でも、少しずつではあるけど着実に、僕は自分がどんな風に生きたいかに向けて歩んでいると思うよ」

「再び感染するリスクはある。僕たちは危険から抜け出せたわけではないんだ。だからこそ、自分の行動に100%の責任を持てるよう、ちゃんと振る舞わなければならない」

現在の世界ランキングは19位だが、2017年にはキャリアハイの3位につけたこともあるディミトロフは、感染後に苦労したことを明かしている。「最初の数日間は特に辛いし大変だった。筋肉が落ちたりと身体的に大きな影響を受けたので、一定のレベルに戻るまでに1ヶ月かかったよ。そこまでひどくはなかったけど、アスリートとして身体的に回復し、パワーを取り戻すまでには多くの時間を要した。それまでの僕は病気らしい病気をしたことがなかったし、大怪我をしたこともなかったのにね」

昨年6月のコロナ感染後、約2ヶ月後の「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン」でツアーに復帰したディミトロフ。その後は「全米オープン」や「全仏オープン」など5大会に出場している。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」でのディミトロフ

(Photo by Shaun Botterill/Getty Images)